2024年度新歓公演振り返りブログ⑦ 長男役 菅野茜より

こんにちは!活劇工房新歓担当です📣

本日も2024年度新歓公演『聴診器』に出演した役者より、公演の振り返りブログをお届けいたします。
活劇の役者はどんな人なのか、どのような想いで新歓公演に臨んだのかがわかる内容となっております。
もう活劇に入った方もまだ迷っている方も(もちろん活劇の先輩も!)楽しめるのでぜひご一読ください🎵

第七回目の今日は、長男役の菅野茜さんに書いて頂きました!


こんにちは!
新歓公演『聴診器』で長男を演じさせていただきました。菅野茜と申します🙋‍♀️

私はこの公演の他にも、新歓ブースや新歓ワークショップなど、「新歓」と名のつく様々なものに関わらせていただいておりました。
そこで私からは、私が活劇工房に入ると心を決めたきっかけと、そこから繋がったご縁の話をしようと思います。

はじめの方、とっても個人的な長い話をします。よければお付き合いください。
興味無いよ!の人は写真がでるところまで飛ばしてください……。『聴診器』についての話が始まりますから……。

今から1年前。私も皆さんと同じようにピカピカの1年生でした。
高校時代演劇部だったものの、大学でも続けるかどうかは迷っているし、なんなら新しいことを始めてみたい気持ちもある……というなんとも中途半端な状態でした。

そのままブースを回って話を聞いて、いちばん公演を見に行ってみたい、と思ったのが活劇工房でした。(先輩方の雰囲気が私に合いそうだったのと、フライヤーがとっても好みだったのがきっかけです……!)

昨年は公演前にワークショップがあったため、役者ワークショップにお邪魔し、入るならこのサークルだな、と思うもなんとなく踏ん切りがつかず。
やっぱり演劇楽しいなぁ、でも大学のサークルってお酒飲んだり内輪ノリになったりしないかなぁ、なんて失礼なことを実は思っておりました。

そして見に行ったのが、2023年度新歓公演『第七夜』

ぼんやりと失礼なことを考えていた私は、この劇を見ている2時間の間にすっかり(内面的に)ボコボコにされました。

心から、演劇って面白いと思いました。
やっぱり、役者として、舞台にたちたいと思わされました。
そのままの勢いで劇場をでて、役者面会で立っていた主役の先輩に「早く演劇がやりたくなりました!」と伝えました。

そこからは、絶対にこの人たちと共演したい、一緒に作品を作りたい!という一心で役者としても、それ以外でも活動してきました。
夏公演や新人公演はもちろん、先輩たちが個人で立ち上げた劇団に呼んでいただくこともありました。

現場を重ねる度に、先輩たちの内面も知ることができ、実力を備えた同期たちとも出会えました。
演劇の深みにハマり、面白さにハマり、先輩たちの大きな背中を追いかけ、同期と力を合わせて……。
まさに、縁に恵まれ、巡り合わせてもらった1年でした。

同期だいすき。いつもありがとうねぇ


そしてもう一度巡ってきた春。
今度は先輩という立場で後輩たちを迎えるにあたって、私に何ができるのか、どうしたいかと考えた時、一番最初に、役者として舞台にたちたいと思いました。

『聴診器』は、個人的にこれまでの大学演劇の総決算のような作品です。
というのも、作演出をされているのは、私と活劇工房を結びつけてくれた『第七夜』で、主役の松岡正盛を演じられている方なのです。

長男という役をいただいた時、とても驚いたのを今でもよく覚えています。
彼の演技をみて入サーを決めた私が、そのきっかけである新歓公演で、その本人の脚本の主役を演じる……。
本当に奇妙で素敵な「縁」の力を感じます。それにしてもちょっとできすぎでは?少年マンガ?

配役については、素直にとても嬉しかったです。
そして、それ以上に、しっかりやり遂げなければいけないと思いました。
見に来てくださる皆さんは、ここまで長々書いたような私の個人的エピソードなんてもちろん知らず、きっと興味もなく、私がお見せできるのは舞台にのせる1時間の作品のみ。稽古にも力が入りました。

ここで、少しだけ、長男改めて宮本健児という役について触れようと思います。ギリギリのネタバレします💦見てない人は映像みてからで!!
配信映像はここから➞https://www.youtube.com/watch?v=R796_I-J884

彼を一言で言えば「真面目な努力家」です。
意味が二重になっている気もしますが、それくらいに真っ直ぐなのが健児だと思います。
未熟な自分も、父の偉大さ、その背中の遠さもわかっていて、それでも真っ直ぐ走り続けられる強さを持っている。
稽古を重ねる度に、彼のそんなところをとても尊敬するようになり、そして同時に苦しくもありました。

劇中、彼は何度か、マイナス方向に気持ちを昂らせることになります。
そしてその全てに、彼の憧れである父が関係しています。

上記のシーンについて細かくは触れませんが、やはりここがいちばん難しいと感じるシーンでした。
本当に難しく危機感を感じていて、昼休み部室に来ていた共演者を捕まえてコソ練もしました。

私と同じく苦戦し、練習に付き合ってくれたその人は、悩みを共有するなかでこんなことを言っていました。
「俺たちのこの苦しみは、たぶん役と同じものだから、これで合っているのかもしれない。」

なるほど確かに……。
まだまだ未熟な自分に納得がいかなくて苦しんでもがくという点では、私と健児くんにも共通するところがあったのだなと思えました。

それでも、健児なら絶対に折れない。折れそうになっても、誰かに支えられて、なんとか踏ん張って、前を向き続ける健児を演じるのだから、私が折れる訳にはいかないという気持ちでした。

だからこそ、千秋楽の最後のステージまで悩み、苦しみ、より良くするために、自分なりの努力を続けようと思えました。

苦しそうな健児。がんばれ。


文字にするとなんだか結構苦しそうですね。ウケる。
実際苦しかったのですが、それを上回る楽しさがやっぱり演劇にはあって。そして稽古場の皆さんは1人で頭を抱える私を暖かく見守ってくれて。
今はこの稽古場で、この役をいただけて良かったとひたすらに思っています。心から尊敬できる友人がまた1人増えたような。これも、素敵なご縁です。

私の尊敬する、宮本健児という1人の青年の生き様が、皆様になにかをもたらしていたら、とても光栄に思います。

さて、なかなか長くなってしまいました。
ここまで書いてきたように、私にとって新歓公演は、私と演劇を繋ぎ直してくれたものでもあり、1年間色んな場所で繋いできた縁を再確認するものにもなりました。

そして今年は、新入生との新たな縁を繋ぐ公演にもできました。1年前の私のように新入生から「これからよろしくお願いします!」と声をかけてもらったことが、本当に本当に嬉しかったです。ありがとう!

このブログの結びに、「縁」についてのプチ文化を1つ紹介させてください。

どの劇団でもそうなのかは分かりませんが、明治大学の演劇サークルには「大入り」というものがあります。

(多くの場合)演出の方から名前を呼んでもらって少し話し、それが全員終わったら、個人間で封筒に入った5円を交換しつつお互いを労い感謝を伝える。
「ご縁がありますように」とお互いの活躍と再会を願う。というもの。

私はこれが本当に大好きで!
普段話せないことも、感謝も尊敬もクソデカ感情も、五円玉に託して全部相手に渡すことができる。口だけでも、不確定でも、次の約束をすることができる。

本番たった3日か4日で終わってしまう演劇だからこそ、準備段階の数ヶ月を作ってきた仲間にちゃんと感謝を伝えられるのってとても素敵だと思うし、未来へ縁が続いていく感じがとても好きで、大切にしています。

と、いうわけで。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

新歓公演を見に来ていただいた方、
ここまでブログを読んでいただいた方、
この公演に携わって支えてくれた皆さん、
そして未来の活劇工房50期と、大学演劇に携わる全ての人々!

どこかで、素敵なご縁がありますように。


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