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○○年継ぎ足したタレ

よくグルメ番組とかに取り上げられる老舗の焼き鳥屋とかうなぎ屋に必ずと言っていいほど出てくるのが○○年継ぎ足したタレ。

下手すれば50年とかもあって、もはや半世紀継ぎ足されているのですね。

多分ほとんどの方が歴史が凄いなーとか、美味しそうだなーとか感じると思うんですけど、僕はそれとはすこし違い、なんかちょっと汚そうって思っちゃうんですよね…。ほんと失礼な話なのですが…。
(ちなみに私は潔癖症とかではありません。)

これには考えられる理由が2つほどあって、1つはもしかしたら50年前の成分がほんの0.1%くらい残ってるんじゃないか、と考えると少し萎えちゃうんですよね。まあ0%だと思いますが。

もう1つは、そのタレが入ってる壺あるいは容器がたいていの場合ギトギトなんですよ。
何ならギトギトが固まってもうその場所から動かせないみたいな。
それを見るとこれまた萎えてしまうんですよね、少し。

あとはそもそものところで、果たして継ぎ足すことでほんとに美味しくなってるのかという疑問もあります。

で、ここからは空想なのですが、なぜ継ぎ足し続けるのかというと、もうこれは感情というか義務に近いのかなと。
前代から受け継いだ○○年の歴史をここで終わらせてはいけないという義務ですよね。
ここで継ぎ足しを終えて、ギトギトの壺を洗おうもんならその店主は永遠に常連さんから「継ぎ足しストッパー」のレッテルを貼られる訳ですよ。
なんならその常連さんの中には、四六時中継ぎ足しのタレのことを考えている継ぎ足しマニアもいるでしょう。
そんな人の期待を裏切るわけにはいかないですよね。
そんな計り知れないプレッシャーを考えたらそりゃ継ぎ足し続けるしかないですよ。
逆に後代に引き継いだ元店主はそれらから開放され、あー良かった、継ぎ足しストッパーにならずに済んだと、継ぎ足しのタレなど頭の片隅にも置かず妻とキャンピングカーで国内一周するなど余生を楽しむのですね。

というわけで今回は、継ぎ足しのタレがスゲーみたいな感じで取り上げられることに違和感を持っているというお話でした。
(ほんとは凄いことなんですよ、ほんとに。)

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