見出し画像

映画「かそけきサンカヨウ」レビュー

評点:95点

大好きな今泉監督の作品で、今泉監督作品によく出演している志田彩良ちゃんが初主演の映画。劇場公開時、茅ヶ崎の映画にみにいって、非常に心ゆさぶらたため、もう一度みたいと思い、アマゾンプライムビデオでの配信がスタートしたのを期に早速観賞しました。

まさに、ザ・今泉監督ワールド満載の映画で、絶妙なヒューマンドラマに複雑な人間関係や事情を抱えた人々が登場して、物語が進んでいきます。

物語の舞台は、ある街のある場所のほんの限られたところだけですが、そこで起こるさまざまなできごとが、物語を厚く深く彩られます。

志田ちゃんは映画初主演ながら、主人公の陽という人物の特徴をよくとらえていて、陽が抱える悩みとか葛藤とかが滲みでていてすごいよかったです。

陽との絡みが多い、父親役の井浦新さんの秀逸すぎる雰囲気と間や、陽といい関係になりそうでならない、なんとももどかしい関係にある陸役の鈴鹿央士くんの胸に秘めた葛藤もかいまみえて、立派な助演ぶりだと感じました。

自然にみえて、でも特別な雰囲気のある街並や人間模様に、自分の心もだんだんシンクロして溶けこんでいく感じは、不思議だけどなんだか心地よい感覚です。

今泉監督らしい描写から、出演俳優のみなさんの安定感がマッチして、すばらしい作品にしあがっていると感じました。またみたいと思える期待度も含めて、好評点といたしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?