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マックにいたギャル「ビジネス用語の『解像度』って誤用じゃね?」

巷でよく聞くビジネス用語、「解像度」。

「顧客の解像度をあげよう」と言われたときに意味するのは、

  1. 顧客が何を考えているか、どんなニーズを抱えているか深く把握しよう

  2. 現状顧客に対するぼやっとした認識をはっきりとさせよう

のように顧客理解を深めて、
顧客に対する認識をクリアにする意味で使われるかと思います。

おそらく私自身も2万回くらい使ったことがある言葉で、
これまで2兆回くらいは「解像度が低い」と指摘をされたはずです。

ちなみにタイトルのマックにいたギャルとは私のことなのですが、
最近この「解像度」という言葉にしっくりきていないんです。

我々はその謎を解き明かすべくジャングルの奥地へと向かう前に、
そもそもの印刷用語としての解像度について一度整理したいと思います。


解像度は「写真、映像データの密度」のこと

そもそも写真や画像は「点」の集合で構成されています。
この点が多いほど鮮明に見え、少ないほど粗く見えます。

このnoteはビジネス用語を茶化しているのではなく、自己理解を目的とする勝田健太郎の提供でお送りします。

この点のことを「画素」と言い、
つまりよく聞く「画素数」は点の数を指しているのに対して、
解像度は「画像や写真、映像のデータを構成する密度=点の密度」のことを指しています。

解像度の単位について

「解像度」はdpi(ドット・パー・インチ)、またはppi(ピクセル・パー・インチ)という単位で示され、
1インチを10分割したものを「10dpi」、25分割したものを「25dpi」と表します。

博士「1インチは2.54cmじゃ」

このdpiは数値が高い方が鮮明な画像になり、綺麗な仕上がりにするためには、この解像度が重要となってくるのです。

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よく聞く「画素数」はドットの総数

先ほどもお伝えしたように画素数とは、ドットの総数を指します。

たとえば1インチの1辺に10個の画素があるので解像度は10dpiで、
画素数は10×10で100画素です。

数値が大きいほど、画像が高精細になるのはなんとなく理解ができると思います。

ただし、解像度を上げれば上げるほど、
よい画像やよい印刷物になるとは限らないのが注意点です。

印刷時に解像度を上げたときに起きること

・元々解像度の低い画像の解像度を上げたとしても、それは数値上高くなっているだけ。
・サイズを保ったまま高解像度に修正はできない。

ディスプレイの場合

・たとえばフルHD(解像度1920×1080ピクセル)の画像を4K(3840×2160ピクセル)モニターで表示する時、画像を4Kに拡大する必要がある。
・むしろ解像度を上げたせいで品質の低いボヤっとした画になってしまう。

解像度を上げたからといってから、
いわゆるキレイな映像になるとは限らないのが難しいところです。

ビジネス用語の「解像度」の解像度をあげる

では、そもそもビジネス用語の「解像度」って何なんだっけ?を整理したいと思います。

ビジネスにおいて解像度を上げる重要性について語られた名著・馬田隆明氏の『解像度を上げる』では、
解像度を「深さ」「広さ」「構造」「時間」といった4つの視点に分解し、
それぞれを高める重要性が語られています。

○それぞれの内容
「深さ」:一つの現象をどこまで深く詳細に把握しているか
「広さ」:広く原因や構造、あるいは可能性のある打ち手を把握しているか
「構造」:要素を分解していくときの分解の筋の良さ
「時間」:過去や歴史について知っていて、将来的な変化についても洞察がある

解像度の視点=深さ、広さ、構造、時間・・・

解像度の視点=深さ、広さ、構造、時間・・・

解像度の視点=深さ、広さ、構造、時間・・・

本来の解像度を理解したうえで上記を整理すると、
深さ、広さまでは本来的な印刷用語の解像度と大きく相違がないかと思います。


しかしそれ以外の「構造」、「時間」・・・

肉弾戦で戦っていた「解像度」に強化パーツが施され、
「ハイパーカイゾード」としてビジネスシーンに舞い戻ってきた印象を抱きます。

違和感の正体は、
本来の「解像度」には収まらないくらいの、
高度な視点を求められることだったことかもしれません。

なので誤用ではなく、
解像度くんの本来のスペック以上のことを求めらていれるビジネス用語なのが正解なのかも。

今度から「解像度」と聞いたら、
「ああ・・・ハイパーカイゾードのことか」と思うようにします。

誤用と疑ってしまったこと、ご容赦ください。
お先失礼します。



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