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ガネーシャとヴリトラと

Kaguya Planet様のマイクロノベル募集に応募したものです(落選しました)
カレー、もしくはラーメンを題材に、300字以内の作品を書くというものでした。


 昼食に、神保町のカレー屋に入り、一皿に二種類のカレーが載ったセットを選んだ。二種のカレーは皿の上で太極模様を描いていた。
 緑のサグカレーを一さじ掬った。口に含む。
 黄金象頭の神が現れて言った。我はガネーシャ也
 黄色のチキンカレーを掬った。口に含む。
 赤肌蛇身の神が現れて言った。我はヴリトラ也
 二柱の神は、深く威厳のある声を揃えて告げた。
 今、世界の命運はお主に委ねられた。
 お主の食べ様で、この世界が生き延びるか、それとも滅ぶかが決まるだろう。
 さあ、目の前の聖なる餐を摂るが良い。
 それで、私はカレーを食べ始めた。
 二つのカレーを交互に。
 世界の存続をこの舌にのせて。


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