思春期継続中年、推理小説を読むようになる
私はこれまでほとんど推理小説を読んでこなかった。
両親が推理小説好きであり、思春期的な反発心から読まなかったのである。
40になっても思春期継続中なのだ。
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去年、金がなくなった。
書籍代節約のため、Kindle Unlimitedに入った。
これは一部書籍が読み放題になるサービスである。
ラインナップをみたら、海外の推理小説が結構ある。
古いやつだ。
ためしにアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」かなにかを読んだ。
めっちゃおもろいやんけ。
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というわけで、遅まきながら、推理小説を読むようになった。
今はチェスタトンのブラウン神父シリーズがお気に入りだ。
フランボウが出てこないと、内容が頭に残らない。
瞬間的な「うまいこというなあ」という感情だけが蓄積されていく。
アガサ・クリスティは20冊ぐらい読んだ。
Kindle Unlimitedに入っているのは全部読んでしまった。
今のところ一番好きなのは「春にして君を離れ」である。
推理小説じゃないじゃん。
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瞬間最大風速的に好きなのが「予告殺人」の序盤だ。
新聞に
「●●さんの家で、●月●日に殺人事件があります。」
みたいな広告がでる。
それを読んだ村人たちが
「楽しそう、きっと殺人ゲームですよ」
とかいって、ぞろぞろと殺人が予告された家に見物に行く。
ただ直截に
「殺人ゲームを見に来ました」
なんていって訪ねるのは無礼であり、かつ気恥ずかしい。
よって
「ちょっと心配になってお寄りしましたのよ。
あんな新聞広告が出て災難ですわね」
とかなんとか体裁を繕おうとする。
村人たちがそろってワクワクしながら待ち構えていると、突然電気が消え、マジで殺人が起こってしまうのだけど、その野次馬どもが集まっている場面がなんというか、平和な野菜が並んでいるような様子で微笑ましいのである。
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