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美声のお肉屋さんに鷲掴みにされる

最近知ったことなのだけれど、私が毎週行っている産直市場が、なんと日本で一番売上高の大きいお店(JA系列で)だったらしいです。

前々からお店の規模も大きいし、いつ行ってもお客さんもしっかり入っていると思っていましたが、まさか全国一だったとは驚きです。

このお店では農家さん、漁師さん、精肉屋さんなどが直接商品を納品しているので、非常に新鮮な食材が豊富にあることと、流通コストが低いためか、非常に安価なこと、そして季節に応じた食材が豊富に売られていることが特徴的です。

例えば、最近のお買い物で言うと、キュウリが3本で100円、カボチャ1玉150円、ゴーヤが100円、ピーマンが7~8個入って100円、大きなナスが3本で150円などなど。家の近くにもスーパーはあるのだけれど、鮮度と価格のどちらの観点からも産直市場には勝てないので、ちょっと遠いのだけれど、週に1度は足を運んでまとめ買いしている。


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そんな産直市場に、私が必ず足を運ぶ一角がある。
それはお肉コーナーだ。

お肉コーナーには、4つの精肉所が納品しているようで、それぞれのブランドのお肉が冷蔵ワゴンに所狭しと並んでいる。

その4つの精肉所のうち、1か所だけは品出しのために店に来たお肉屋さんの方が、納品後もしばらく店頭に立って接客しているところがある。

前提として書いておくけれど、その4つの精肉所のお肉は、どこも同じくらい美味しいお肉が売られているし、値段的にもそう大きな違いはない。

しかし、私は決まってそのお肉屋さん接客しているコーナーに足を運ぶ。


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そのお肉屋さんの方は、見たところ私より少し年配の女性なのだけれど、とにかく声がいい。明るくてよく通る素敵な声で、来店客に声掛けをしている。

あるとき、私も声をかけらるままに、そのお肉屋さんのワゴンのところに近づいた。切り落としからブロック、ソーセージなどの加工品まで、さまざまなお肉が売られている。

私「何かおすすめありますか?」
お肉屋さん「今日は焼くだけのハンバーグとソーセージがお得ですよ~」
私「ソーセージいいですね」
お肉屋さん「燻製のと、プレーンのとありますけれど、どちらがいいですか?」
私「燻製ので」
お肉屋さん「燻製のだったら・・・・これが一番たくさん入っているわね」

ある日のお肉コーナーでのやりとり

そのお肉屋さんはワゴンの下の方に収められた商品まで見比べて、一番たくさん入っているというソーセージのパックを渡してくれた。

私は、この対応で一発でファンになってしまった。
いや、ソーセージを買う前から明るい声と雰囲気で既にファンではあったのだけれど、とどめを刺されたという感じだろうか。
こっちは特にソーセージにこだわりがあったわけでもないし、一番上に積まれているのをヒョイと渡されても、恐らく納得してレジに向かったと思うのだけれど、丁寧に一番よさそうなものを目利きしてくれた。

このような対応は一度だけではなくて、切り落としを買う時も、肩が多いとかモモが多いとか、見比べた上でよいものを選んでくれる。それがわざとらしくなくて自然な対応だから、ますます魅力に感じる。


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このお肉屋さん、きっかけは明るい声の呼び込みだった。それだけのことだけれど、今となっては4つのブランドのうち、その店員さんがいるコーナーで買う割合が圧倒的に多くなった。まぁ、お肉自体が美味しいこともあるけれど、人の魅力というのは侮れない。

挨拶、声掛けはビジネスの基本とは言うけれど、本当にそうだなぁ。


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