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トップの交代。生え抜きか外様か。

プロ野球はペナントレースが終了し、クライマックスシリーズが始まろうとしている。そんな中、いくつもの球団で監督交代のニュースが報じられている。

最近のトレンド?なのか、OB選手が監督としてチームに戻って指揮を執るというケースが増えているのかな?と思う。

なんでOB選手が監督となるケースが多いのか?と疑問に思ってgoogle先生を覗いていたら、こんな記事が見つかった。

https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=097-20170819-14

5年ほど前の記事になるけれど、12球団の監督起用について、特徴を簡潔にまとめている。


OB監督について、別の言い方をするのであれば「生え抜き」ということになる。対して、OB以外が監督として就任する場合は「外様」なんていう風に表現されることがある。


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スポーツチームの監督だけではなく、一般企業においてもトップが交代することがある。その際も、生え抜き社員をトップに就任させる"文化"を持つ企業もあれば、外部から招聘してトップに据えるような企業もある。なんとなくのイメージだが、前者は日系企業に多く、後者は外資系企業に多いような気がする。


言わずもがなだけれど、生え抜きのトップというのは、その組織の内情を深く理解している。ビジネスの仕組みだけではなく、派閥的なものであったり、数値化されていない社内の課題であったり、なんというか感情的なものや精神的なものなどちょっとドロドロっとしたものも含めて骨身にしみて理解しているのが生え抜きトップというものだろう。それら知見を活かしつつ、目をつむりつつ、時にはナタを奮って組織を前進させる。

対して外様のトップというのは、着任したところがスタート地点で、そこから内情理解を初めて、課題を具体化し、アクションを決めて推進していく。よくも悪くも客観的に組織の状態を捉えるので、どちらかというと感情論ではなくて、データに基づいて合理的に判断をしていくので、少しドライな印象を持たれることが多いのではないだろうか。結果、不採算部門をバッサリクローズしたり、大ナタを振るって、組織のカンフル剤として位置づけられるようなことが多いように思う。


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私の前職のアメリカ系企業で、10年近く働いていたのだけれど、自分の上司ボスが変わる時や、組織のボスが変わるときというのは、非常に神経をとがらせていた気がする。

日本での創業から10年以上も中途採用しか行っていなかったような企業なので、社員の9割以上が転職して入ってきた中途組。したがって・・・というわけではないが、毎年一定数の人が転職して入社してくる変わりに、一定数の人が退職して次の会社に転職していくというようなところがあったので、組織体制というのは多少なり毎年動きがあった。

ボスが変わるというのは、組織における価値基準に見直しが入ることを意味する。業務の中で何を重要視するのか、逆に何を行わないのか。何かしらの得点を重視するのか、ミスやエラーがないことを重視するのか。
ボスのトーンを観察して、そういった風向きを読みながら、自分の身の振り方を決めていたところもあったように思う。


ボス一人の力で、組織として大きな成果を残すことは出来ない。
しかし、ボスの力によって方向性を明確化することで、フロントラインにいるメンバーの意欲を上げて大きく前進するということは出来る。

そんな風に考えると、トップというのは重要なものなのだと、あまりに当たり前のことを改めて認識する。


そんなわけで、来期のペナントレースがどうなるのか。
監督を世代交代させ若返りをしたチームが上位に上がってくるのか、経験豊富な監督を再登用したチームが勝つのか。
まだ半年以上先のことだけれど、なんとなく興味深いな。




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