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良かれと思って・・・の功罪。

今日も素晴らしい秋晴れ。お散歩にはもってこいの1日でした。
気温も穏やかで過ごしやすい季節で、食欲が増すばかりでお腹周りが気になる今日この頃です。

さて、今日はネットニュースから。

救急隊員が要介護者の自宅に駆け付けた際に、玄関先で靴を脱いだ時に、稀に(10件に1件くらいの割合)家主が”良かれと思って”靴をきれいに揃えるようなことがあるらしいが、救急隊員からすると、是非 揃えないで欲しい ということらしい。

要介護者をストレッチャー(担架的なもの)に乗せて運び出す際に、前後+左右いずれかの3人体制で搬送する。その際に、後ろ向きのまま移動をする隊員や横向きで移動する隊員がおり、その人たちはスムーズに搬出が出来るように、入室する際に運び出すときのことを考えて、履きやすいような向きで靴を脱いでいるらしい。

その靴の向きが変わっていたら、履き直すのに時間がかかることもあるし、何より隊員の靴は黒色で似たようなものなので、誰のものかが分からなくなって手間取ってしまうようなことがあるらしい。

それこそ1分1秒を争うような状態のときは、靴を着脱する時間ですら惜しいので、日ごろから意識的に脱ぎ方を工夫しているとのこと。

もし私が救急車を呼んだ側だったとしたら、隊員の靴を揃えるほどの心理的余裕を持てているかは分からないが、もし心理的、物理的に余裕がある状態だったら、それこそ”良かれ”と思って並べ直してしまいそうな気がするので、知っておけてよかった。

素人からすると、何の意味も感じないような行動の裏にも、プロフェッショナルのこだわりや考えというものが存在するのかもしれない。


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先日、顔なじみのシェフがいる飲食店に行ったときのこと。
その店で食事をする際は、決まってカウンターの席で、シェフとあれやこれやと話をさせてもらうことが多い。

大抵は料理のことだったり、食材のことだったり、お酒のことなど飲食に関わることが多いのだけれど、たまたま おしぼり の話になった。

その店は使い捨てタイプなのだけれど、生地がしっかりして少し大きめのもので、袋にはお店のロゴがデザインされているものだった。

私はどちらかというと、がっつり顔まで拭きたいので、タオルタイプのおしぼりの方が好きだというような話をしたら、実はおしぼりにも店側のこだわりがあるという話を伺った。

コスト、衛生面、使いやすさ、雰囲気。
例えば、三ツ星レストランと呼ばれるような格式あるお店で、料理や飲み物、器にお店の雰囲気が超一流にも関わらず、出されたおしぼりがコンビニでもらうようなペラペラの使い捨てのものだったら、少し雰囲気が萎えてしまうかもしれない。

逆にコンビニでホカホカでハーブの香りがするような蒸しタオルを渡されたら、それはそれで扱いに困ってしまう。

どちらが良いということではなくて、場所や用途によって妥当なものは違ってくる。

コンビニと三ツ星レストランでは比較対象が極端すぎるのだけれど、街中にあるレストランや居酒屋では、より一層、お店そのもののコンセプトや雰囲気に即したおしぼりの個性というのがありそうな気もする。

私がおしぼりの話で驚いたのが、店側としては「おしぼりでテーブルを拭かないでほしい」というケースがあるということだ。

これも私が外食した際に、特に焼肉屋さんなどで食べ終わった後にテーブルを使い終わったおしぼりでさっと拭くことがある。テーブルにはねた油だったり、こぼれた焼肉のタレだったり、そういったものを綺麗にしておいた方が、なんとなく気持ちがいい気がして拭いていたのだけれど、これを止めてほしいと思われることがあるらしい。

どういうことかと言うと、おしぼりビジネスには色々な契約形態があるそうで、例えば使い捨てのものであれば、〇本いくら というシンプルな買取モデルになるのだけれど、タオル状のおしぼりであれば、1日〇本×〇日でいくらという一律モデルもあれば、そこに普通クリーニングか、特別クリーニング費用が追加されるという契約モデルもあるらしい。

当然、おしぼりなので使用済みのものは全て回収されてクリーニングに出されるのだけれど、例えばワインの染みのようなものがあれば、特別クリーニング費用が追加されるケースがあるらしい。

従って、そのような契約をしている店からすると、客がテーブルを拭くことによっておしぼりに染みがついたら、その分の費用が追加で発生してしまうので、止めて欲しいということになるらしい。


まさに、有難迷惑というやつらしい。

このように”良かれと思って”の裏には、実際には自分が意図したことと真逆の効果を生んでしまうことがあるということですね。

本当に相手のことを思って何かをするのであれば、自分の意識の中で良かれと思って(決めつけて)行動してしまうのではなくて、相手に「○○してもいい?(嬉しい?)」と確認をして行動することも大事ですね。
出来れば、そんな確認をせずとも黙って相手を喜ばせられるような行動が出来ればスマートで格好いいのですが、慣れるまでは思い込みでエラーを起こすよりは、丁寧に確認した方がお互いのためになりそうです。


というわけで、
今までテーブルを拭いてしまったお店の皆様、知らなかったとは言えごめんなさい。今度からは使い捨てのおしぼりの時だけにします。

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