アマビエちゃんと加藤くんのお話 第32話『アマビエちゃんがいる所』
今日は西荻窪を歩いた。
古本屋とか飲み屋とか懐かしい雰囲気が漂う店が多くて、昭和が少し残っている街だ。
以前はこの辺りに住んでみたいと思った事もあった。
ずっと北に進んでいけば善福寺公園がある。
南に進めば三鷹台だ。
ぶらぶらというより、ふらふら歩いていく。
僕はどこに向かって進んでいるのだろう。
アマビエちゃんのいる所にたどり着きたいのに、
道に迷いそうになる。
どこにアマビエちゃんがいるのか、はっきりわかっているわけではない。
それでもアマビエちゃんに出会えると信じて、前に進むしかない。
アマビエちゃんに会うために僕は進む。
アマビエちゃんに笑ってほしくて僕は進む。
アマビエちゃんがいる所に、たどり着けると信じて。
つづく
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