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泣きながら微笑んで ~AKB48・大島優子の懐古録~ #19

■ 2009.4.25 NHKホールコンサート初日

喉の手術及び療養のため休養していた優子が、MCのみの出演ながらも仕事復帰を果たす。私はこの公演のチケットを持っておらず、翌日の公演で優子の復帰を見届けることになったのだが、初日公演において、人気拡大により入場が困難となっていた秋葉原のAKB48劇場のほかに、6月より後楽園遊園地内の「シアターGロッソ」を「第二劇場」としてAKB48の公演を行うことが発表された。収容人員はAKB48劇場の3倍となる750名で、2つの劇場で一日当たり1,000人のファンが公演を見ることができるようになるとAKB運営は胸を張った。「十年桜」劇場盤握手会の混乱に伴う運営の劇場軽視の姿勢に反感を持っていた私にとって、Gロッソ公演の発表は思いがけない「ガス抜き」となった。上演される公演がチーム公演ではなくH2「夢を死なせるわけにいかない」のリバイバルとなったことには少々ガッカリしたところがあったものの、メンバーが歌って踊って頑張っている姿をライブで見ることができる機会が増えることは素直に嬉しかった。

6月4日にGロッソ公演がスタートしたものの、出演メンバーの発表前にFCチケットを購入しなければならないということもあり、私がチケ確保した公演日と優子の出演日が折り合わず6月中は優子出演のGロッソ公演を見ることができなかった。ある日チームK宮澤佐江がGロッソで共演した優子について「大きな会場を意識して普段の劇場公演よりも大きな動きをしていた」とモバメに書いていた。同じ公演を見ていたと思われるアイドル情報サイトの編集長も同じようなことを自身のブログに記していた。小柄な自分が普通に振舞っていては大会場の中で埋もれてしまうのは当然であり、小柄であるというハンデを跳ね返して自分をアピールするためにはどうすることがベストなのか?ということをしっかり考えて舞台に立つ優子。一日も早くGロッソの優子を見たいという私の思いは日に日に大きくなっていく。

■ 2009.8.9 初めての「優子@Gロッソ」

8月のGロッソ出演予定が発表され出演者不明のままFC枠の申し込みを行ったが、後日発表された出演者の中に優子の名前は無かった。秋葉原の公演にも出演できていない状態で、Gロッソなんて尚更無理だろうと諦めの気持ちが強くなっていた。しかし、その発表翌日に「出演メンバー変更」のアナウンスがトガブロに掲載される。

8/9「(某研究生)→ 大島優子

ついに優子がGロッソで見られる!と心躍った私であったが、FC枠の当落発表で一気に「奈落の底」へ突き落される。なんと自枠申込分が「ハズレ」てしまったのである。自分の引きの弱さが心底嫌になってしまったが、数時間後に友人B氏から「8/9Gロッソ当選」とのメールが届く。やはり持つべきものは友人である。後日座席も判明しH列(A~C列未使用のため5列目)のセンターブロックと「初の優子@Gロッソ」を体感するには申し分ない条件が整った。

公演当日。優子的には1か月半ぶりのGロッソであり、幕が上がる前までは正直私は期待半分、不安半分だったが、M1「ロマンス、イラネ」のイントロとともに優子が登場すると数秒で私の不安は払拭された。メリハリの効いたダンス、曲中コロコロと変わる表情、そして佐江がモバメに書いていた「大きな動き」。舞台の袖側に立って大きなアクションで後方席の観客を煽る優子。そして曲の合間のMCも優子を中心として回る。梅田彩佳「新しくつけてみた香水が『オロナインの匂いがする』と優子に言われた」近野莉菜「久しぶりに優子ちゃんの『変顔』を見て落ち着いた」など優子が絡んだ話題を持ち出す。優子自身もM9「Confession」後のMCで「センターの出入り口からパリコレ風の登場をしたい!」ということでモデルっぽいウォーキングを披露。最後に上着をチラッと開いて「お色気(笑)」をアピール。優子の誘導で大堀恵もウォーキングに巻き込まれ「落ちキャラ」にされてしまうという場面も作り場内を盛り上げた。この公演における優子はもう「16分の1」ではなく、一人でも局面を打開することができる特別な存在、まさに「ファンタジスタ」と呼ぶにふさわしい存在感を示していた。終演後のお見送りは迷わず優子の列へ。翌日にチームKの大阪公演を控えていたこともあり「明日大阪ライブ頑張れ!」的な声掛けをした。

優子「頑張りますよo(^▽^)o」

私を見送る優子の表情は、まるで公演後の私の気持ちを表すかのような充実感に満ち溢れたものだった。やっぱり優子は公演で見るのが一番だ!とこの時は思ったが、まさかGロッソ公演が10月の開催を最後に行われなくなってしまうとは想像もできなかった。それはGロッソ公演の開始が発表された翌日の「ある発表」と無関係ではなかったと思う。それは「金にならない」劇場公演軽視の流れを加速化させ、優子もその渦中に巻き込まれることとなる「AKB48史上最大のイベント」の開催発表だった。

(#20へつづく)

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