見出し画像

泣きながら微笑んで ~AKB48・大島優子の懐古録~ #18

■ 2009.4.4 「最終ベルが鳴る」千秋楽公演

「十年桜」の劇場盤握手会に色々と振り回された3月。長年AKB48の中心メンバーとして活躍したチームAの大島麻衣が卒業し、チームKでも早野薫がグループからの卒業を表明していた。そして4月に「最終ベルが鳴る」公演が終了し、新たにK5th「逆上がり」公演をスタートさせることが発表された。今年に入り劇場公演を休演することが多くなった優子であるが、NHKドラマの収録が終わる間もなく、自身の主演映画「テケテケ」の舞台挨拶やフジテレビ発のアイドルユニット「アイドリング!!!」との共同企画である「AKBアイドリング!!!」のプロモ活動に追われる日々を送っており、K4千秋楽当日も2回公演の1回目は映画「櫻の園」DVD発売イベントのため休演が決定していた。これまで優子休演の穴を埋めてきたのは、前年8月に研究生からチームB正規メンバーに昇格していた仁藤萌乃。最終日1回目の公演も萌乃が優子のリザーブとして出演し、気合のこもった熱いパフォーマンスで立派に優子の代役を務めあげた。常にリザーブメンバーへの気遣いを心がけていた大堀恵がM13「会いに行こう」にて、これまでの萌乃の労をねぎらって軽く腰のあたりを叩いた瞬間に萌乃の目から光るものがこぼれ落ちた。私にとってある意味千秋楽以上に印象深い公演となった。

そして迎えた「最終ベルが鳴る」公演千秋楽。個人的にちょうど3か月ぶりの優子出演K4公演となり、久しぶりに迫の上で優子を見ることができた喜びは大きかったのだが、ここ最近劇場に出演できなかったことの影響というものを感じずにはいられなかった。メンバーの生誕祭や千秋楽では人一倍張り切って良い動きを見せる優子だが、3か月前の梅ちゃん生誕祭の時の様な活気を感じることが私はできなかった。優子が劇場公演だけに集中できる状況ではなくなってきたことを示すものであり、前にも書いたようにそれはファンとして喜ぶべきことであるとわかっていながらも劇場の優子に大きく期待してしまうのである。終演後「今後も皆さんと『ご縁』がありますように」という願掛けでメンバーによる「5円玉袋手渡し」のサプライズがあったが、ファンに袋を手渡す時には「笑顔の優子」なのだが、ファンの列が途切れる合間に一瞬見せた「疲れた表情」がとても印象的だった。今思えば「逆上がり」初日公演の「あの発表」に繋がっていたのかな・・・

■ 2009.4.11 「逆上がり」初日公演当日

私は初日公演に入ることはできなかったが、その前に石丸電気で行われた優子出演のドラマ「参議院議員候補マミ」のDVD発売記念イベントに参加していた。主演の山崎真美さんと優子のトークショー+3Sワイドチェキ撮影という内容で、撮影前に優子と2~3事言葉を交わす時間があった。

私「モバメ見たよ。リハなしだってね。」

優子「う~ん、そうなんですよ・・・」

私「大変だけど頑張ってね。今日はメールハズれちゃったので、宿舎で(優子出演の)テレビ見てるよ。」

優「はい、よろしくお願いします!」

別れ際に笑顔で見送ってくれた優子。あの笑顔を見た時に、初日公演で優子の口から「あの発表」があった事を私は想像することができなかった。

優子「以前から喉の調子が悪くて、それまでは薬で症状をごまかしていたんですけど、このままじゃいけないなってことで、明日入院して喉の手術をすることになりました。」

初日に優子はM1「掌」、M2「逆上がり」、M5「エンドロール」の3曲にしか出られなかった。そして「喉の手術」の発表。医者からは歌・ダンスを禁じられていたが、初日なのでどうしても出たくてわがまま言って特別に許可をもらったとのこと。後日発売された「参議院議員候補マミ」DVDのメイキング映像の中でイベントの合間に鏡の前で出演楽曲の振付を確認する優子の姿があった。忙しくなっても優子にとって「劇場公演」というものは特別なものであり、K5公演については「梅島夏代」として曲をもらえたこともあって、梅ちゃん、なっつみぃ、野呂さんのためにも何としてでも初日の舞台に立ちたかったのだと思う。その後約1か月間の休養を経て、5月15日に一部出演ながら優子は劇場に復帰する。平日ではあったが私は年休を取って復帰公演に駆け付けてしまう。M2「逆上がり」の冒頭で宮澤佐江の「劇場に優子が帰ってきた~!!」という掛け声に満面の笑みで応える優子がとても印象的だった。 (#19につづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?