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泣きながら微笑んで ~AKB48・大島優子の懐古録~ #30

■ 2014.6.9 優子最後のAKB48劇場公演

個人的に最後となった優子出演劇場公演から約3週間後の3月30日。この日は国立競技場にて大島優子の卒業コンサートが行われるはずだった。ところが東京都内は「春の嵐」に襲われ、優子を盛大に送り出すために用意された大型機材等に倒壊の恐れがあり、安全な興行の実現が難しいとの運営の判断によりコンサートは直前に中止となってしまった。私は仕事上年度末という難しい時期でコンサートに参加する予定は無かったが、当日夜に放送された「Mr.サンデー」において、優子が悲しみや悔しさを押し殺しながらトラメガを片手にファンに挨拶をしていた姿を見て、スンナリとAKB48から巣立つことを許されない優子を不憫に思うとともに、前田敦子以上にこの団体のために身を砕いてきた優子を送り出す舞台を一日も早く再設定してほしいという思いが沸き起こった。

そして、仕切り直しとなる優子の卒業コンサートは第6回選抜総選挙の翌日の6月8日に味の素スタジアムで行われることとなり、私を大島優子への世界へいざなってくれた「泣きながら微笑んで」でスタート。しかも作曲・編曲者である井上ヨシマサ氏のピアノ伴奏による歌唱という私が劇場で「泣きながら微笑んで」を見ながらイメージしていた演出が最後の最後で実現した。私は現場で優子の晴れ姿を見ることはできなかったが、井上ヨシマサ氏の「ぐぐたす(Google+)」の投稿でその事を知り、「脳内パラダイス」公演が上演されていた期間中に私が劇場で見てきた「泣きながら微笑んで」の優子が私の心の中を駆け巡った。

そして本当にAKB48の大島優子として最後の日となった翌6月9日。優子の卒業劇場公演は大島チームKの「最終ベルが鳴る」公演で始まる。AKB48は既に第4次組閣体制のもとでの活動がスタートしていたが、この日ばかりは2カ月ぶりに大島チームKの面々が終結。相変わらず観客は新規が多く、優子のソロパート以外では全く盛り上がりを感じない観客のダメダメぶりに諦めを感じながら自宅でニコ動の画面を見ていたが、優子は久しぶりの「最終ベルが鳴る」の一曲一曲を嚙み締めるかのように気合の入ったパフォーマンスを見せていた。心なしか周りのメンバーも優子の最後の舞台を最高のものにしようと私が3月に同公演を見た時よりも動きが良かったように感じた。そして、ユニット曲ゾーンに入り、これまでなら「16人姉妹の歌」で登場する優子だったのだが、やはり最後の劇場でのユニット曲は「泣きながら微笑んで」以外にはあり得なかった。8年前に初めて劇場で優子を見た時よりも随分と表情が大人びて、喉を手術したこともあって声も出るようになっていた。昔は昔で「優子の幼さ」が曲の世界観を引き立てていた部分もあったけど、あの時より成長した優子が演じた劇場最後の「泣きながら微笑んで」もそれはそれで感慨深いものがあった。ちょうど「泣きながら微笑んで」が終わったところで、ニコ動一般会員の私は満員ではじかれてしまうという(^^; 後半はフジテレビ系地上波で高橋みなみ、小嶋陽菜、渡辺麻友、指原莉乃らも加わった優子卒業セレモニーパートの放送があった。いかにも「テレビショー」的な構成で、優子との関連性が高くないメンバーが選抜様として出演していたり、何でこのコ?という優子への送辞があったりと辟易とする場面が目に余ったが、SKE48リーダーとして新たなスタートを切った宮澤佐江やNMB48に移籍しもう少しAKBグループで頑張る決意をした梅田彩佳の送辞がOAされたのは私も嬉しかった。そして3月にMステで初OAされた時には良い感じがしなかった優子の卒業ソング「今日までのメロディー」であるが、最後の日を迎えて聞いてみると、これまで優子に楽しませてもらった数々の場面が私の頭の中を駆け巡った。

♪後悔はない 全部 全部 やりきった

卒業公演テレビ中継の終了と同時に、私も「AKB48の大島優子」と
サヨナラする時を迎えた。手始めにAKB48モバイルサイトの会員登録を
解約して自分の心の中に一区切りをつけた。

夢はレッドカーペット

まだAKB48の人気が無い時代に優子が劇場公演でキャッチフレーズに
使っていた言葉。業界から評判を得られる「変幻自在の」実力派女優となって、いつの日か「最優秀賞」という頂を手にする日が来ることを楽しみに
これからの「女優・大島優子」の活躍を見守っていこうと私は決心した。

(#31につづく)

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