見出し画像

まともな人と、まともじゃない人

 寒いですね。うちは薪ストーブを使っていますが、普段は、寝るときにそのまま自然に消えて(消して)、翌朝、またつけるんですよ。普段は明け方の最低気温が、せいぜい0度ぐらいで、そのぐらいだったら、そういうように夜の間は焚かなくても十分なんですが。これほどの寒波になって、今は明け方がマイナス10度ぐらい。こうなると、夜の間も焚いていた方が良い。ってことで、寝る前に薪を10本ぐらいストーブの脇に置いておいて、子供とかにも、夜、トイレに行くならついでに薪を入れといて、と、言っているわけです。

 不思議なのは、そうやって焚いていて、温度計を見ると、朝で13度とかなんですね。でも、この13度というのが、焚いていない時の13度と全然違う。体感的には、焚いていない朝の13度は8度ぐらいです。焚いている朝の13度は16度ぐらいです。なんでしょうね、こういう感じ。ほら、雪が降っている時、室内の温度は同じでも、しんしんと冷える感じがあるでしょう。あれの逆バージョン。ほんわか暖かい感じがする。普通の風呂と温泉も、同じ42度でも違うでしょう、ああいう感じ。

 ということで、夜の間も焚き続けているのですが、そうなると、夜型人間のありがたみが分かる。誰か、夜中ずっと起きていて火の番をしてくれりゃいいのにと本気で思う。人間は「群れの動物」ですから、みんなが昼型で、8時〜17時で活性が高くなっても困るんですよ。夜の間、群れが危険ですから。数%の人は夜に活性が高くなってくれた方が良い。人間、いろいろな種類がいる方が、群れとしてバランスが良くなります。

 さて。こんなことからも、世の中に「まともな人」なんていないのが分かります。まともな人は8時〜17時で働けるんだよ、というのは、まともな人は身長が160センチ〜180センチの間に収まるんだよ、というのと似ていると思います。社会が均一化していくにつれて、その「まとも」の範囲を、かちっとしてきたわけです。でも、それだと当然、不具合が出る。なので、その枠から外れた人たちを、ADHDとかHSPとか名前をつけているのが昨今の風潮です。

 名付けて、そこをケアするのは、まぁ悪くは無いけれども、そもそも、文化的にある一定の範囲だけを「まとも」とすれば、まともじゃない人が出てくるというだけのことで、なぜこの人はまともじゃないのかというと、それは「まとも」という定義をしてしまうからです。なぜこの人は身長が197センチなんだろう、「まともな人」は身長が160〜180センチで、95%の人はまともなのに、という話です。いや、そりゃ定義の問題だけでしょう、ということ。

 身長197センチの人が「まともに」なるように、薬を飲ませたら、猫背になって歩くようになって、180センチギリギリぐらいに見えるようになった、ああ、よかった、まともになった、と思うわけです。世の中のドアとか、ほとんどは182センチぐらいで作られていて、197センチだったら、生活に苦労する、まともに生きていけない、だから薬を飲ませて猫背にしたら生きやすくなった、というわけです。ドアを大きくするんじゃなくて、人間を変えようとしているわけです。そんな世の中。はい。またあした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?