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糠床の出入力

糠床がダメになってしまって。最近、あまり糠漬けを食べていないこともあって、一応、毎日、掻き回してはいたのですが、どうも、ちょっと変な匂いが出てきたなと思って。これは、糠を足したところで、どうしようもないなと判断しまして。リセットします。グレートリセットです。失敗の原因は、糠を最近、足していなかったから、乳酸菌の勢力が弱まったのだと思います。その隙に、他の菌が繁殖してしまった。

川の流れのように、というか、方丈記の行く川の流れは〜というか、糠床というのも、糠と野菜が入ってきて、そして糠漬けとして出ていくという、流れの中のシステムなんだなと思ったんですが、その流れが澱んだんですね。澱む水は腐ります。この「腐る」というのも、人間が判断していることで、人間にとって都合の悪い菌が繁殖するということですから、それらが好きな動物にしたら、うまく発酵している、となるんでしょうけど。

糠床のように、生命というのも、物質が入ってきて、そして出ていく、その流れの中で一定の形を保っているシステムです。世界全体ではエントロピーは増大していくのですが、その世界の中で、エントロピーを減少させるシステムが生命で、人間もそうです。人間は、動植物を食べて、うんこやおしっこにして、熱も放出して、という意味では世界の中では、エントロピーの少ない食物を、エントロピーが多いうんこにしているわけで、そのエントロピーを摂取して、自分のシステムを保っている。

生命によって、自分にとってどのような整然さが良いのかは違うので、人間は人間の整然さを求めて、自分の周りの環境を整える。草は草の、モグラはモグラの整然さを求める。で、その利害が対立するから、田んぼに草が生え、モグラは穴を開けて水を抜き、人間は草をとって穴を埋めて、自分が思う整然さを確保する、というシステムなんだろうな、と思うんです。そして、糠床のように、入ってくるもの、出ていくもの、それが澱んでしまうと、腐ってしまう。かといって早くても、糠床にはならない。野菜は糠漬けにならない。

その、人間にとって適切な出入力のスピードというのが、現代では、早くなり過ぎたり、その早さからの反動で遅くなりすぎることもある。前者は過労死につながり、後者は引きこもりになるんだと思います。ま、僕も反省を込めてですが、これを毎日書くというのも出力が過ぎるのかなと思うこともある。もっと適切な入力スピード、出力スピードにするのも良いのかな。その辺りも、人それぞれ違うところですがね。はい。またあした。

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