見出し画像

2024年、もはやXは告知以外に使ってはいけない

ショートテキスト系SNSはX、スレッズ、ブルースカイの覇権争い状態ですが、現代アーティストとしてキャリアアップしていきたいのであれば、Xは告知以外には絶対に使わないことを強く、強くおすすめします。

理由は以下の通りです。

理由1:朱に交われば赤くなる

イーロン・マスクによる買収以降、Xの治安は悪化の一途を辿っており、インプレゾンビが横行する今、まともな言説空間ではなくなっています。

また、以前からの文化的傾向もあり、とにかくあそこにいると言動が下品になり、書くべきではないことを書いてしまいがちです。

理由2:公募の運営は応募者のSNSを必ずチェックしている

実績や書類でハネた後、最終候補を選ぶ手前まで来たら当たり前のようにウェブ検索をかけます。Xでバカなことを書いているのを見つけたら、その瞬間にdisqualifiedです。

現代アートの公募も好条件のものの倫理基準は当然のように「大手企業案件」「自治体・省庁案件」「大学案件」レベルです。

Xでバカなことを書き散らしていれば、間違いなくこうなります。

決まっていた仕事がリスケジュールされたり、キャンセルされ、少しずつ仕事が減っていった。思い切って制作会社の社長に理由を尋ねると――「実はね、マキエさんはNGって言われているんですよ」。

「最初はそんなに多くの人に作品を見られているとは思わなくて、実名で作品を発表したり、インタビューを受けていた。それでたぶん、企業の担当者が私の本名で検索したら、ホタテビキニ姿の写真が出てきて、この人はなんなんだ、と思ったのではないでしょうか」

マキエマキさんは作家として相当にハイレベルな方で社会常識もあり、私は高く評価していますが、マキエマキさんですらこうなる、ということは? 

以上、100人中99人の現代アーティストさんにとっては、あらためて言われるまでもないという内容とは思いますが、主に学生さん向けに。

学生さんはいずれフルタイムプロになるとしても、一度はまともな職場でまともなビジネスマナーや倫理観を身に着けておいた方が良いですよ。そういう意味では、JTCも捨てたもんじゃないです。新人育成にコストかけてくれますからね。

ビジネスマナーや社会常識を身につけることの大切さ

活動ステージが上がれば上がるほど、クリエイターには有能なリーダーであること、組織マネジメントが出来ること、社会常識やビジネスマナーを身に着けていることが強く求められます。一見そうは見えなくても、一人のスターの周囲には誠実なサポートを提供する何人ものスタッフがいます。

有能で誠実なスタッフに仕事をお願い出来るのは、ビジネスマナーと社会常識を身につけた人です。有能で誠実な人はいくらでも仕事の引き合いはあるんで。

日本はゴッホやベートーヴェンといった「破滅型だけど作品は後世に残った」激レアケース、あるいは岡本太郎のような演出された変人を「芸術家」の典型例として語ってきたので、勘違いする人が多いのかもしれません。

非常識なクリエイターは原則として滅びます。

大作家として後世に名前が残っている人たちの多くは美術家としての親方資格をギルドから発給された工房経営者でした。

親方になるには、師匠の工房で弟子として採用されて、雑用から始まって先輩に少しずつ仕事を教わり、一通りを学んだら「代表作」をギルドに提出して審査を受け、これに合格するというプロセスがあります。国によっては「代表作」を提出する前に各地を渡り歩いて修行する「遍歴職人」という過程を要求されたり、妻帯者でなければならなかったりもします。

このプロセスの中で、社会常識やリーダシップやビジネスマナーを身に着けられない破滅型人材はフィルタリングされたわけです。それどころか有能過ぎて中央官僚として大出世して絵は余技になったベラスケスという人もいます。

美術家に占める「まともな人間」と「ダメ人間」の比率は人類史を通して見れば前者が全てだと思います。

ここから先は

0字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?