楽しい日の終わりには、いつか来る別れが怖くなる


この世界は出会いと別れが多すぎる。
足を踏み入れて13年目、
「辞めます」と言われた数は何回あるだろうか?

周りから見ているよりずっと、リーダーのポジションにいる私にとって「辞めます」という一言は心を抉る。

それは、「一生一緒にいようね」「ずっとあなたに着いていく」そう言われて長年寄り添った恋人に別れを告げられる時の気持ちと似ていると思う。
そんなのを数年間で何度も繰り返して、自分でも驚くほど小心者になってしまった。
昔はその度に大きく動揺して、必死に説得していたけど、重ねるにつれて知らず知らずに
「いつか必ず来る別れ」の時に極力ダメージが少なくなるように普段からあまり感情を入れ込まないように気をつけていた。
そうしたら、きっと周りから見ると「あんまり干渉してこないリーダー」「私たちの事を何とも思ってない」と思われているかもしれないなって思う。


本当は、私はみんなの事が大切すぎるのです。

大切すぎるから、いつか必ず来る別れが怖くて、近寄れなくて、
もう要らないと言われるのが怖くて、距離を詰められないでいる。

昨日は初めてバンドで野外フェスに出て、
久々の人や初めての人と沢山笑顔になれて私はとっても楽しかった。
でも楽しい日が終わると幸せの余韻に浸る前にいつかこのメンバーでもライブができなくなってしまうんだろうな‥と同時に思ってしまう。こういうとこがネガティブすぎるなあ。

演奏を終えてからメンバーの1人が「思うように演奏できなくてすみません」と言った。

私は上手く演奏することなんて求めていないのに、今日はただ精一杯やって楽しければいいのに。
私がちゃんと普段からリーダーとしてそれを伝えられてあげれなくて、安心させてあげれなかったからプレッシャーを与えていたのかな‥
そんな風に思って胸がぎゅっとなった。

ファンの人に「このバンドは最高です!ずっと続けてほしい!」そう言われて、嬉しくて、
でも同時に寂しくて。

きっと別れはいつか来てしまって、いつまでも一緒にはいられないんだろうな‥


どんなに距離を置こうと心がけても、
知らず知らずで私は関係した人たちの事を大好きになってしまっているの。

上手くできなくていいし、我儘でもいいし、あなたが必要で、あなたじゃないとダメで、だから選んで側にいてもらっていた。
あなたがそこにいてくれる事は私にとって何よりも幸せな事だと。
それを伝え続けたらずっと一緒にいられるだろうか?


昔からのファンのみんなや、店舗のお客さんや、抱えているスタッフや、一緒に音楽している仲間。

もう誰1人いなくならないで、
辞めるなんて言わないでね、
ずっとこの仲間と楽しいことしていきたい。

いくらそう思っても願っても、
いつか必ず別れが来てしまう。


会える時に会いに行かなきゃ会えなくなるよ
何百回、何千回残ってないよ、

それは私がお客さんに言う言葉ではなくて
自分自身に言わないといけない言葉。


一日一日を大切にするしかできることはないよね。


私に関わっているみんなへ、
私はあなたが必要で、一人一人がとんでもなく大切です。いつもありがとう。
すでに大きな別れがいくつも決まっていて、私は小心者なので出来るだけその残り時間に目を背けてしまうけど、どうやったら残りの時間
あなたを幸せにできるかばかりを考えているよ。



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