何か残して死ね
このご時世になってこんな言われ方する仕事場ってあるのだろうか
僕の大好きなマンガ『左ききのエレン』
このマンガの言葉はいつも僕の心をグサグサに刺してくる。
(これ以降は、14巻のネタバレとなりますので、ご注意ください)
ホワイトな会社だと絶対ありえないくらいパワハラな柳チームに配属された朝倉、柳の出張が長引き誰かが“柳の代わり”をしなけらばならなかった。
柳のやり方は間違ってる、そう証明したい朝倉は自分がやると手をあげた。
作業も終盤、チームのみんなはもはやお開きモード。そんな時、朝倉の携帯に営業から修正依頼の電話が入る。
依頼された修正は、今からやれば一晩でギリ間に合うレベル。でも、それだと柳とやってることと同じだ。
そう思った朝倉は、翌日今のデザインのままでやることでクライアントを納得させる。
納品する直前、柳が出張から帰ってきた。
朝倉アア!!!
なんで直さんかった!!?
たった今クライアントから電話があった!!!
修正や!!!
今のデザインでクライアントを納得させたことを説明しようとすると、食い気味に柳が責め立てる
現場に決済権があるか…
クライアントも同じや…
上が気に入っとらんもん
ガキの使い同士が
こねくり回してままごとかいな
その後も朝倉を言葉の暴力で殴り続ける柳
一矢報いるように朝倉が声をあげる
あれが通れば、うまくいった…
そう言った瞬間、柳がブチギレた
なめるな!!!
クライアントをごまかせると思ったか!?
制作会社がイヤがると思ったか!?
クライアントをなめるな!!
クリエイターをなめるな!!
この仕事をなめるな!!!
すぐに直そうとデータを漁る朝倉
ゴトンッと朝倉が以前とったトロフィーが落ちる
それを拾ってやさしく机に戻す柳、そして吠える
トロフィーを飾るな!!!
過去の仕事を後生に残すな!!
明日死ぬつもりでつくる…
ただそれだけの事が
なぜ出来んのや!!?
言葉の暴力でいいだけ殴られた後、トドメの一撃が朝倉を襲う
何か残して死ね
このシーンはぜひマンガで見て欲しい
柳の迫力と朝倉の悲愴感がすごく伝わってきて、読み終えた後の疲労がやばい
日曜の夜にウォーキングデッドを見終えた時と同じような、どんよりとしたなんとも言いがたい感情
ありえない、そう思いつつも間違ったことは言ってないと理解できる。理解できるからこそ納得したくない自分がいて、うわあああーーーーって叫びたくなる。
今の時代、柳のような人は見られなくなった。どこかにいるのかもしれないけど、僕の周りにはいない。
問題が起こっても知らんぷり、問題を起こしても誰かのせい
いつか自分もそうなってしまうのではないかと怖くなってしまう。
“このまま”の自分には到底なりたいと思えなくて、それが今、僕の原動力の一部となっている。
何か残して死ね
せめて何か残せ
そして目の前からいなくなれ
厳しいけど、これが全てだ。
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