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教育カウンセラー養成講座 in 小田原③

2日目

 8月7日、教育カウンセラー養成講座の2日目です。話はそれますが、6日の晩ご飯は、6日の朝にインスタにアップした小田原城の写真にイイねをくださったとんかつ屋さん「和豚」さんでいただきました。これも出会いの一つだと思います。美味しいとんかつをいただきました。
 さて、2日目を振り返ります。講師は、花輪敏男先生でした。この日は参加された先生方もかなり増え、会場はいっぱいになりました。花輪先生の講座だから来た、という先生もいらっしゃいました。1日目の品田先生もですが、私自身は、花輪先生のことを存じ上げておらず、本当に井の中の蛙だったなと痛感しました。この日のテーマは午前が「不登校の理解と対応」、午後が「配慮の必要な子どもたちの理解と対応」でした。不登校と特別支援について1日で学ぶという、これまた内容の濃いものです。それを担当される花輪先生は、失礼ながら好々爺という言葉ぴったりくるような、見た目は穏やかな先生です。ご自身のことも「私は発達障害で…、だから~なんだ」と面白おかしく話されるのですが、その中には芯が1本、ピンと通っていらっしゃるということが、すぐに分かります。不登校や発達障害の子どもの特性と対応を一から学ぶことができました。

不登校のこと

 『FR式不登校対応チャート』を基に、不登校生徒への対応を学びました。私もこれまでに何人もの不登校生徒の対応に当たってきました。再び登校できるようになった生徒もいれば、学校を去った生徒もいます。花輪先生の講義を受けながら、それぞれの生徒への対応について、振り返る機会になりました。不登校への段階的な対応は勉強になりました。不登校に対して、①認識の段階、②援助・指導の段階、③チェックの段階、④積極技法の段階、⑤再登校の段階、⑥フォローの段階の6段階に分けて対応するという考え方です。
 ①認識の段階について、「子どもではなく「大人たちの認識を変える段階」であり、そうすることで学校に復帰することも少なからずある」ということを理解しているだけでも、その後の対応の仕方が大きく変わると思います。また、⑥再登校の段階での留意事項は、休職明けで復職する社会人に対しても活用できると感じました。再登校(復職)を受け入れる側の姿勢や「スモールステップで」とはどうすることか、といった具体的な対応方法は、なかなか勉強することができません。これからの教育現場で中核を担っていく先生方は、知っておいて損はないと思います。
 私は、今から20数年前の駆け出し教師の頃、「不登校はサボりではない」という考えがあるだけで、具体的にどうしたらいいかもよく分からないまま対応していたように思います。その後、教師としての経験を積むことで、少しはマシな対応ができるようになったかも知れません。それでも、②の段階までで一杯いっぱいだったように思います。
 今では様々な考え方や対応方法があります。そして不登校の生徒は増える一方です。手間と時間はかかりますが、不登校について、広い知見を持つことは大切だと思います。同時に、担任が一人で抱え込まなくてもいい体制づくりも必要です。花輪先生の、「不登校の増加の理由は、特別支援教育が定着していないことにある」という言葉が印象的でした。一人の誰かが頑張るのではなく、一人ひとりの先生が不登校への考えを深めることで、学校全体の不登校への対応の質が上がるのではないでしょうか。不登校 行きたし行けぬ 春の雨 不登校の生徒が自身の心境を詠んだ句として紹介されました。この気持ちを忘れてはいけないと思います。

特別支援教育のこと

 特別支援教育については、新しい情報の連続でした。特別支援教育に携わっていらっしゃる方には当然の知識でも、私にとっては知らないこと、新しいことの連続でした。特に発達障害の子どもの特性について、断片的な知識はありましたが、学校生活においてどのような形で表れるか、ということまではよく理解できておらず、本当に勉強になりました。
 ここで印象に残ったのは「多層的な支援体制」「ゴールを示せ!」「自己理解・自己開示」ということです。これらは特別支援教育に限らず、学校のあらゆる場面で必要なことだと思いますし、大人の世界においても欠いてはならない考え方だと思います。
 この他にも、講座で頂いた資料を見直すと、配慮が必要な子どもたちへの対応とその考え方が丁寧にまとめられています。でも、自分が小学生だった頃を思い出すと、低学年の頃のことはよく思い出せませんが、担任の先生は、この資料にあるような対応をしてくれたように感じます。慣れてくると、つい「分かるよね」とか「できるよね」と思い込み、それで指示を出したりします。それで失敗につながることがあります。大人の当たり前は、子どもにとっては未知のことかもしれません。ベテランの常識は、新人にとっては未経験のことかもしれません。特別支援教育というのは、初めましての人のことを知っていくこと、その人が何を必要としているかを考えていくこと、そして互いに快適に過ごせるようにしていくこと、そういくことにつながっていくのかなと考えてしまいました。
 いずれにしても、知らないことを学び、それをこれからにどう生かすかを考えることは、意味のあることだと思います。この先教員として、特別支援教育に携わることがないとしても、この日の勉強は、私の中に知識ではない何か大きなものを残してくれました。

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