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教育カウンセラー養成講座 in 小田原④

3日目

 8月8日(月)、小田原での教育カウンセラー養成講座も最終日を迎えました。コンビニのレジのお姉さんが、武家の娘さんのように奥ゆかしく見えてしまうのは、小田原暮らしに染まりつつあるせいでしょうか?
 さて、1日目、2日目と濃い内容の2日間でしたが、結果的に一番奥の深い内容になったのが最終日の3日目でした。講師は諸富祥彦先生です。何度も言いますが、今回の養成講座を担当された先生方について、私は本当に何も知識がなく、講座が終わるたびに申し訳なく思ったのですが、諸富先生も同様でした。しかし、かえって変な先入観を持たずに講座を受けることができたことはよかったのかもしれません。それでも、諸富先生から受けたインパクトは非常に大きく、あと5年早く諸富先生のことを知っていたら、もしかしたら、今とは違った生き方をしてきたかも知れません。そう思わせるに十分な先生でした。
 講座の内容は、午前が構成的グループエンカウンター、午後が教育カウンセリング概論の2部構成でしたが、どちらの内容にも深く関わる、「エンカウンター」と「リレーション」について、エクササイズやロールプレイを軸に学びました。
 もう少し詳しく説明します。「エンカウンター」は、人と人とのふれ合いです。「リレーション」は、「エンカウンター」によって作られる人間関係です。そして、この2つから「生きる意欲」が生まれると考えます。このことを実際に体験してみよう、ということです。ですから、この日の印象は、「学んだ」と言うより、「分かった」と言った方が的確だと思います。

「今ここにいる」ということ

 諸富先生は、「人生はプロセスであり、そのプロセスを楽しむことが大切。そのためには「今ここにいる」という感覚が必要で、それが人の生きる力になる」と言われました。エンカウンター(人とのふれ合い)とリレーション(人間関係)を通して得られるものは、「今ここにいる」という感覚です。むしろ、「今ここにいる」という感覚を持てるからこそ、しっかりと人とふれ合い、関係を作れるのかも知れません。どちらにしても、「今ここにいる」と実感することは、大切なことだと思います。
 メンタルトレーナーの講座でも、臨場感が大切だと学びました。そこに自分がいるという感覚を持つことで、自分を振り返る力や相手の立場になる力、感動や共感力が生まれます。そして、自分の存在を客観視することでレジリエンス(心の復元力)が強くなります。このように、「そこに自分がいる」と感じることは、人間にとって大切な感覚です。この感覚を子どもたちに持たせることができたら、子どもたちは様々なイラショナルビリーフから解放されるかも知れません。そして、自分と他者の存在を肯定的に捉えられる大人へと成長していくかも知れません。

自己開示

 「今ここにいる」という感覚を得るには、「自己開示」が必要ということも体験しました。当然、自己開示だけでなく、他者認識によってお互いを認めていくことも必要です。
 「自己開示」と言うと大げさに聞こえるかも知れません。しかし、そんなに難しく考えることはありません。例えば、「好きな色」をきっかけに話が弾んだいったら、それは自己開示つながります。私は好きな色を答えるエクササイズで、「緑」と言いました。しかし、その理由を聞かれ、色々と話しているうちに、「赤」も好きな自分がいることに改めて気づきました。
 私は、構成的グループエンカウンターとは「エンカウンター」と「リレーション」を意図を持って体験する仕掛けだと理解しています。自分を知り、他を認める。そして、自分がいまここにいることを実感する。普段の生活でも体験できることではあります。しかし、子どもが社会に出て行く準備として、学校の中で体験することには、大人とは違った面白さと意味があると思います。そこには「自分って何だろう」という問いの答を探す「自分探し」の意味もあると思います。そこから新たな可能性に気づくことがあるかも知れません。そういった意味でも、現場で活躍する先生方にも、ぜひ体験していただきたいと思います。

3日間の講座を終えて

 私にとってこの3日間の講座は、本当に有意義なものになりました。小田原会場を選んだ理由が受講のしやすさだったことは、前にも触れました。しかし、講座を終えた率直な感想は、「小田原会場にしてよかった」というものでした。諸富先生は不登校生徒の対応にも詳しく、「登校しなくなって3日目がカギ」とおしゃっていました。3日で学校へ行けない体になってしまうということです。私も4日間、小田原に滞在しました。正直、愛知に戻ることが少しおっくうに感じました。「体が変わるってこういうことか」と勝手に考えながら帰路についたのを覚えています。他の会場に行けば、また違った学びがあったと思います。しかし、私にとって、ここで学んだ内容は、もっと早いうちにしっておけばよかったと思えるものばかりでした。そういった意味でも、若い先生方の参加を強く望みます。その気があれば、ぜひ参加してみてください。きっと得るものがあると思います。
 また、神奈川県教育カウンセラー協会の先生方には、本当にお世話になりました。今回、小田原で受講したのも、何かのご縁だと思います。私にとって、小田原で受講できたのは、大きな財産になりました。これをどう生かしていくかが、私にとっての大きな課題です。このことを考えながら、次のステップに向けて進んでいこうと思います。
 本当にありがとうございました。


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