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加藤文元の「数学する精神」

このマガジンのタイトルにある「数学する精神」は2007年に私が書いた中公新書のタイトルです。その由来は、マガジン内の記事「このマガジンの名前『数学する精神』について」 https… もっと読む
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記事一覧

ガロアは生前誰にも理解されなかったのか?

毎年5月31日はガロアの命日である。エヴァリスト・ガロア(Évariste Galois)は1811年10月25…

加藤文元
6日前
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数学はどこまで「普遍的」か?

昨年12月17日のZEN大学(仮称)(設置認可申請中)・株式会社ゲンロン共同新公開講座第4弾・加…

加藤文元
4週間前
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空間とは何か(4-2) 非ユークリッド幾何学発見における空間(後半)

本稿は連載記事「空間とは何か」の第4回目「非ユークリッド幾何学発見における空間」の後半で…

加藤文元
1か月前
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このマガジンの名前『数学する精神』について

(このポストは本マガジンの説明として書いたものです。マガジン内の記事ではありますが、どな…

加藤文元
1か月前
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大抵の概念は複合概念である

以前書いた「「$${0}$$と$${0}$$の最大公約数」とは?」 では、数学の定義に関する問題点とし…

加藤文元
1か月前
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空間とは何か(4-1) 非ユークリッド幾何学発見における空間(前半)

非ユークリッド幾何学の発見とは一体何なのか? ユークリッドの平面幾何学はユークリッド平面…

加藤文元
2か月前
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偽カマンベールチーズと現代数学

「数学でどのような研究をしているのですか?」と質問されることは多い。その度ごとに死ぬる思いだ。 なぜ、現代数学は説明しづらいのか?抽象的すぎるから?確かに。しかし、それ以上に、身近な事物を使って説明できないという事実が決定的だ。抽象的でもそれなりに身の回りのものと少しでも関係があれば、そこから落ち着いて話を紡ぎ出すことができる。しかし、数学ではそれすら難しい。リジッド幾何学の定理なんて、どうやって説明しますか? もうずいぶん前にことになるが、フェイスブック上で一つの実験を

いわゆる「出題ミス」について

今年も受験シーズンがやってきたが、残念ながら出題ミス(?)の報道などもちらほらと聞かれる…

加藤文元
3か月前
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なぜ抽象的な一般論を学ぶべきか?

数学の話は抽象的になる傾向があり、多くの場合それが難しさやとっつきにくさの原因となってい…

加藤文元
3か月前
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数学における発見のプロセス

「空間とは何か」という連載を進める中で、さまざまな時代のさまざまな人たちによる空間概念に…

加藤文元
3か月前
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空間とは何か(3) ユークリッド幾何学の空間概念

古代ギリシャにおける明証性の変革 「証明する」というギリシャ語δείκνῡμιの原義は「…

加藤文元
3か月前
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空間とは何か(2)

古代ギリシャ人たちの「空間」 古代ギリシャ世界は、後の時代の科学や思想に拭いがたい影響を…

加藤文元
4か月前
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線形代数学とは何か

線形代数学は理系の学生にとっては大学初年度で学ぶ科目であり、専門的な数学の基礎課程のひと…

加藤文元
5か月前
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月光ソナタ

太陽の光は強烈なので、長い時間見つめることはできません。でも、月を見つめ続けることはできます。月は夜空に浮かぶ姿で見えるものです。もちろん、昼間の太陽だって「青空」という背景に浮かんでいるに違いないでしょう。ですが「青空の中に浮かび上がっている太陽」という姿で太陽をイメージする人は、あまりいないと思います。そういうイメージができるには、太陽はあまりにも眩しすぎるからです。 このことは、昼間に見える月の姿を考えてみると、よくわかると思います。昼間でも月が見えることがありますが