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どんな人になりたいの?

「なんか(しりとりとか)やろうよ」

それより、おしゃべりしようよ。今日あったこととか教えて。
ゲームの話をしはじめたので、適当に相槌を打つ。

「どんな人になりたいの?」
ふと、不意をついてきた。

うーん。おれは人の役に立ちたいかな。

どんな人になりたいの?

「おれは仕事して仕事してしまくりたい」

なんで?

「貧乏になりたくないから。へへ」

仕事しまくるとお金もらえるの?

「うーん。わかんない」
「おれも人の役に立ちたいな」

そっか。

話は一度ここで途切れる。またゲームの話になる。いろいろめぐらせて、次は私からつぶやく。

あー。おれは、たっくさんの人の役に立つ大きな仕事がしたいと思っているのかも。

「大きな仕事でたくさんの人の役に立ちたいってこと?」

たくさんの人の役に立つ大きな仕事がしてみたいっこと。
なんか楽しそうだから。おもしろそう。

「唐桑の消防士とか救急車の人とか、この辺りでそういう仕事をするなら、おれもパパみたいに仕事をしたい」

「でも、東京とかでやってる仕事、お笑い芸人とかDJとか、そういう仕事をするなら、一気にたくさんの人を楽しませることができるでしょう。YouTuberとか。何万回再生とかね。お笑い芸人とかDJとかのライブとかね。そういうのもいいと思うんだよね」

そうか。パパがやってる仕事はまだまだ狭い?

「そういうわけじゃないけどね。パパは気仙沼を担当してるっていうか。お笑い芸人は、吉本の令和ロマンとかは、東京と大阪を行ったり来たりしてるから。パパもまぁよく出張行ってるけど。少人数だから」

なるほど。

「大阪とか岩手とか…広く仕事している人は、パパが気仙沼でもし大変になっても助けてくれると思うんだよね」

確かにね。

風呂から出る。

「おれは人を楽しませたいんだよね」
「くやしいとかかなしいとかこわいとか思わせたくない」

いいね。
でもなんでそう思うの?

「さぁ」
「日本をよくしたい」

なんで?

「さぁ。日本みたいな小さい国でも仲よくやってればね、ロシアみたいな大きな国がね、うーん、大きな国が、うーん…わかんない」

そっかそっか。

「まぁおれが死ぬころまでには日本をよくしたいよ」

ほう。

じゃあパパも、お笑い芸人やDJみたいに、たくさんの人を楽しませる仕事を目指すわ。気仙沼からでも、できる気がするのよ。

「いいね。一気にバーッとやるんだよ。ちょくちょく出張に行くんじゃなく、一気にバーッと人を楽しませるの」

おっけ。

牛乳飲んで、寝る準備もできた。
歯を磨いてあげながら、「素敵な話が聞けた。ありがとう」と伝えた。

「うん、おやすみ」

小2になった息子にメンタリングされた。
息子もうすぐ8歳、父35歳の春である。

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