椎骨3プロセス3

2:脊柱を描く

脊柱(せきちゅう)の形態を順を追って描いていく。
 脊柱は背中側の正中に沿って伸びる最も古い軟骨由来の骨格で、ヘビや魚類などヒト以外の生物の面影が感じられる。ヒトでは上下に柱状に並んでいるために脊柱と呼ばれ、四足動物などでは脊椎(せきつい)と呼ばれる。ヒトを含む脊椎を持つ動物は脊椎動物(せきついどうぶつ)と呼ばれ、タコやカタツムリなど脊椎を持たない動物、すなわち無脊椎動物(むせきついどうぶつ)と区別される。

2-1: 脊柱の構成要素

脊柱を描く前に、その構成要素を解説していく。脊柱は椎骨(ついこつ)が上下に連なって構成される。椎骨は部位によって異なり、首では7個の頚椎(けいつい)、胸では12個の胸椎(きょうつい)、腰では5個の腰椎(ようつい)、殿部では5個の仙椎(せんつい)が癒合した1つの仙骨(せんこつ)と3〜4個の尾骨(びこつ)からなる。

頚椎や腰椎といった椎骨の区別は、形態的な分類に基づく分類であり、実際には下の図で示す色分けした構成要素が部位ごとにメタモルフォーゼしているに過ぎない。
赤:椎体(ついたい)
白:椎弓(ついきゅう)
緑:関節突起(かんせつとっき)
黄:横突起(おうとっき)
青:棘突起(きょくとっき)
灰:肋骨成分(ろっこつせいぶん)

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