オススメの美術解剖学書
オススメの美術解剖学書は何か?とよく聞かれる。その質問に回答するには、どういう表現や職業に興味があるのかを聞く必要がある。現代的な教科書は業種ごとに対象を絞って編纂されているため、その対象かがわかれば自ずとオススメの書籍が選べるようになる。ここでは、それぞれの美術解剖学書の特徴と日本で入手しやすい代表的な美術解剖学書を数点紹介する。(*ヘッダー画像は未紹介の書影も含まれます)
アーティスト向けの美術解剖学書
読者が最も多いのが、「アーティスト向けの美術解剖学書」である。内容は、骨や筋に関するデッサンのような図と解剖学書をコンパクトにした記述が掲載されている。解剖学書と異なる点は、文字数が少なめで用語などの漢字にルビがふられている点である。20世紀後半に入って記述の情報量が著しく減ってきており、読んで学ぶという習慣も失われつつある。最近は「芸術家」と称するのを嫌って、「アーティスト」や「クリエイター」と表記することもある。「芸術家」と書くと敷居が高いと感じる読者も多いようだ。
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