そこでただ咲く
今日、先輩の俳優さんとお話する時間があって
お芝居のことや今の自分の考えていることを聞いてもらいました。
私はお芝居するときに
ついつい、何かになろう何かをしよう、としてしまう。
でもそれだと全然面白くない。
やっていても苦しいばかりだし、
出来上がったものをみると自分がつまらなくてがっかりしてしまう。
本当にたまに「面白かった」と褒めていただけるときや
自分で見ても、「この自分はなかなか好きだ」と思える瞬間はあるけど
いつもそうとは限らない。
なんだか胡散臭くて、嘘っぽくて、好きになれない。
どうしたら面白いお芝居ができるんだろうか。
どうしたら自分にしかできない魅力的なお芝居ができるんだろうか。
こんなことでずっとずっと悩んでいる。
そこでいただいたアドバイスの一つがこちら。
「お芝居をしている最中に何かを『こう見せよう』とか『こうしよう』とすると、その場で起きていることを感じる力が弱くなる。そうするとそれは見ている人に伝わる。その場にどれだけいられるかと言うのは、その場でどれだけ感じられるか、ということなのかもしれないね。」
お芝居しているとどうしても「伝えなきゃ」「説明しなくちゃ」と思うけど
そういう動きや言葉って
見ている方からすると「伝えなきゃって頑張ってるな」という印象でしかない。
その場で起きていることや目の前にいる人に感じることをちゃんと味わっていると
見ている人にも伝わるし、それが魅力になる。
その場に自分がいること。
その場で起きていることをしっかり感じること。
それは時々情けなくて、みっともなくて、まとまり切らない気持ちだったりするけど
それを恥じない。隠さない。ただ感じる。
その感じ方や物事への見つめ方が
それぞれの人の個性だし、魅力。
言葉にすると簡単だけど、なかなか難しい。
何かしていると安心するし、
何もしないのは怖い。
剥き出しの自分が出ているのが恐ろしくて
必死で自分を繕おうとしてしまう。
お花のように、その場にいて
そこにいることでただ咲く。
そんなふうにお芝居したいなあと
思ったのでした。
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