Response to "死の省察"
近代までの西洋で、そして未だに多くの民族で行われている思考の特徴は自然の対象を二つに分割し、片一方に「善」、もう一方に「悪」を割り当てるような類いの二分法である。例えば生/死, 聖/俗, 男/女, 幸福/不幸というように。もしその境目が便宜上構築されたものに過ぎずその中間に位置していた「グレーゾーン」を息苦しくも分割し、どちらか一方に所属させていたならば?
カミュの師であったジャン・グルニエは『孤島』の中でセヴィリアの大聖堂におけるヒラルダの塔について記述している。その塔に