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R6名古屋大学情報学部CS科 編入合格体験記



まえがき📝

  • 読み飛ばしていただいて問題ないです
    受験生活はとても辛いものでした。普通の高校生の勉強量/時間に比べれば遥かに易いものですが、それでも辛く辛く、非常に長く感じました。その一因として、情報が少なく「どうすれば良いのか分からない」「どこまでやれば良いのか」などの不安がありました。そこで、僕の体験が誰かの不安を少しでも減らし、役に立てばと思いこの記事を綴りました。
    一昔前の僕はとても卑しい人間でした。しかし、情報の世界に足を踏み入れ、考え方が大きく変わりました。この世界には「誰かのため、情報学の発展のため、より良い未来のため」を想い、無償で様々なことをしてくれる人が沢山います。オープンソース文化、情報公開文化、近年においてはAIモデルの公開などのことです。あの頃の自分は、この善に富んだ世界を眼前にした時、ものすごく惨めでした。それから、少しでも誰かの一助になればと思い、技術記事やインターン体験記を執筆したり、ほとんどのプロジェクトをpublicで開発しています。そのため、もちろんこの記事も無料で公開します。
    cf. なぜ技術記事を書くのか [Qiita]

自分の記録も兼ねていますのでかなり長文になっています。適宜読み飛ばしてください。
noteの見出しがH2,H3しかないため少々見にくくなっています。絵文字付きのH2をH1だと思って読んでください。



自己紹介👨‍💻

豊田工業高等専門学校 情報工学科の加藤愛斗です。この度、R6年度名古屋大学情報学部コンピュータ科学科3年次編入学試験に合格しました。
編入勉強前はベンチャー企業でエンジニアとしてインターンをしていました。また、友人とハッカソンやコンテストに参加していました。僕のエンジニア関連の経歴は下記リンクに纏まっていますので、興味がありましたらご参照下さい。

併願校

  • 筑波大学 情報学群 併願 ⇒ 不合格

学校の成績

  • 通算GPA4.0/4.0

部活動

  • ロボコン 1,2年 (色々あってやめました)

  • コンピューター部 3年(活動は特になし)

資格・実績

  • 数研準ニ級(1年生のときに血迷って取得しました)

  • TOEIC

    • 740(4年生6月)

    • 840(4年生2月)

    • 860点(5年生5月)

  • HackU Kosen 2022 最優秀賞

  • 高専プロコン全国2位

  • こうよう祭(学校祭)副実行委員長

  • 様々な企業でインターン

  • 寮のリーダー(班長/指導寮生)




私の編入/謝罪🙇‍♂️

高専5年の5月下旬から編入勉強を本格開始し、8月の下旬に試験を受けました。明らかに短いスパンでの編入体験になります。そのため、編入に入る前までのエピソードが長いです。お気持ちが多いです。周りの人からも「お気持ち多いけど、実際のところ才能で殴ったみたいなもんだからしゃーない」と言われました。役に立たない可能性が高いです。とある男のブログだと思って読んでください。



時系列振り返り↪️

高専入学から編入試験を終えるまで、どのような人物像/経歴なのか記述しようと思います。
勉強、英語、プログラミング、編入意識についてフォーカスしましたが、かなり長くなってしまいました。いらない内容も多々あるかと思いますが、逆にこのような半生とともに語られる体験記は少ないので個人的にはありかなと思っています。適宜読み飛ばしてください。

中学~高専入学

中学時代取り組んでいたロボカップをアピールし、面接試験で無事合格しました。そのため、筆記試験は受けていません。とはいっても、中学1,2年の頃は上位10%ほどであり、3年生の頃には1位を何度か取るなど、勉強は得意な方(≠好き)でした。

高専1年

一応進学校の部類であったため、「どれほどの猛者がいるのだろう」と身構え、最初の試験前はかなり勉強していた記憶があります。土日は一日10時間くらいやってました。その甲斐あって、最初のテストはどの教科もほぼ満点でした。同様に定期試験も難なく乗り越えオールAを取得しました。初めての成績がこの結果だったので、自分の中の基準がオールAに定まりました。
試験直前に過去問とその対策を少しやれば何とかなることを前期で学習し、後期からは手を抜き始めます。それでも、成績を維持できたのは、周りに優秀で優しい友達がいたからです。彼らには感謝しかありません。

高専2年

コロナです。1年の春休みに流行が始まり、2年前期は遠隔授業となりました。個人的な感覚ですが、半数くらいの学生は遠隔授業をサボっていたでしょう。僕も漏れなくそのうちの1人でした。この怠慢のせいで定期試験で地獄の勉強を経験したのはいい思い出です。コロナが、学生にとって大切な数々のものを奪ったのは言わずもがなですが、僕に対しては与えてくれたものもありました。プログラミングと英語です。遠隔授業で暇な時間が多かったので、英会話(ネイティブキャンプ)とプログラミング(Djangoでwebサービス作成)を始めました。特に、英語はかなりやりました。みるみる成長し、夢の中で英語の会話をするレベルにまで至りました。
コロナ明けの後期は、トビタテ留学JAPANに応募したり(落ちましたが)、寮のリーダー試験を受けたりしていました。

高専3年

プログラミングの始まり

ベンチャー企業2社でインターンを始めました。とは言っても、この頃の僕にはなんの技術力もありませんでした。そんな未熟な僕を、見込んで採用してくれた2社には感謝しかないです。このインターン経験で本当に大きな成長をすることが出来ました。当然ながらプログラミングスキルは伸びましたが、英語スキルも伸びました。ドキュメント、エラー文、スタックオーバーフローなどを英語でそのまま読んでいたためです。コミットメッセージを英語で記述していたため、その影響もあったと思います。(コミットメッセージが不適切でrequest changeを出されたこともしばしば)

編入を知る

寮で一緒だったとある先輩が、第一志望の名大に向けて死ぬほど勉強している姿を見て驚愕しました。尊敬とともに、「自分にはこれほどの勉強は出来ない」と心をへし折られたのを覚えています。この頃の私は、編入のレベル感が分かっていなかったため、「あれほど勉強しても名大レベルなのか?東大いけないのか…」と思っていました。その先輩に言われた言葉は、「今から編入勉強したら余裕で行けるよ。4年の春から始めても十分すぎる」ということです。僕もそのとおりだと思います。しかし、勉強が嫌いな僕が、そんな時期から編入勉強に取り組むはずがなく時は流れます。
そして、秋頃に編入をより意識し始めました。きっかけは、仲の良かったひとつ上の先輩が編入勉強に取り組んでいる姿を見たためです。その人が、どこの大学はどういった試験で難易度はどれくらいかなどの様々な情報を教えてくれました。このときはできるだけレベルの高い大学に行きたいと考えていました。

📝 1~3年の出来事はこの記事にも少し書いてあるので興味があればどうぞ(技術方面中心ですが)

1~3年の振り返り[Qiita]

高専4年

編入参考書

先輩の話を受け、おすすめしていただいた徹底研究と過去問特訓を購入します。

副実行委員長(4月〜11月)

学校祭の副実行委員長を務めてくれないかと実行委員長から依頼されました。正直引き受けるかかなり悩みました。サイバーエージェントさんから夏季インターンに来ないかと誘われていましたし、編入勉強も4年の夏から始めないと間に合わなくなると聞いていたからです。しかし、自分のモットー「あるチャンスは掴め」に従って引き受けました。

高専プロコン(5月〜9月)

後輩からチームにjoinしてくれないかと誘いをいただき、こちらもかなり悩みましたが引き受けました。

HackU kosen 2022(12月)

12月頃のことです。仲の良い先輩から誘いをいただき参加しました。正直誘惑に勝てなかっただけです。「まだ編入勉強したくない」という甘えと、「卒業してしまう先輩と最後になにかPJをやりたい」という願望です。

STAPS(2,3月)

1.5 か月程の期間で起業やスタートアップに関心のある学生向けに事業開発や仮説検証の講座、メンタリング、先輩起業家講演、ピッチコンテストなどを提供し、学生起業家を育てるプログラム

STAPSとは

知り合いの社長に紹介していただいたため参加することにしました。これも悩みに悩見ましたが、自分の元来興味のあった分野であり、ここでこのチャンスを逃したら次いつ巡ってくるか分からなかったのでやりました。

春休み(3月)

編入勉強をしなければならないというのは頭では理解していましたが、「高専生活で二番目に楽しい春休み 」と意味の分からない解釈をし最大限に遊びました。僕らの代は、コロナの影響で春休みが1つ潰れているようなものなので、その反動もありました。シンガポール旅行、キャンプ、京都旅行、四国旅行、箱根旅行などなど、楽しいこと三昧でしたが、頭の片隅には編入勉強があり、すべてを100%で楽しめたかと聞かれればNOでした。

まとめ

見ての通りものすごく忙しかったため、何一つ勉強はできませんでした。徹底研究を開いたのは、夏休みで一度だけです。
こうなったのは良くも悪くも、ある人が口癖にしていた

俺は人生の決断をするときに3つの指針で決める。
1. 難しいかどうか
2. 人がやらないかどうか
3. 将来の自分がその決断に「ありがとう」と言えるかどうか

ある社長の言葉

という言葉を崇拝したからです。「やりたいことやって、最大限遊んで名大受かったらかっこいいでしょ」という、今考えれば無謀で安直な考えですべての選択をしていました。

志望校決定

これほどまでに編入勉強に取り組めていなかったので、消去法で名大と筑波大を志望校として定めました。理由は簡単で、科目が2つ+TOEICだからです。
もうひとつの選択肢として、高専の専攻科があり、とても揺れていました。推薦であれば全く勉強をしなくて良いからです。自分がこれまで頑張って積み上げたGPA4.0を、せっかくならばどこかで活かしたい、活かせず終わるのはなんだか嫌だという気持ちもありました。しかし、なんだか推薦は逃げのように思えてしまったのです。そこで、先程書いたある社長の言葉に耳を傾け大学受験を決意しました。もうひとつの理由として、Cookpadのインターンで出会った明石高専→東大の社員さんにあこがれていたというのもあります。その人は、ものすごく頭が切れ、すべての視点が凄かったです。自分もこうなりたい、少しでも近づきたいと後追いを目指していました。

高専5年

寮祭(4,5月)

どうしても一生懸命取り組みたい行事がありました。この行事に取り組むために指導寮生という役職になりました。もちろん、同時並行で編入勉強に取り組むことは出来なくもありませんでした(実際、周りの皆は普通にやっていました)が、自分はどうしてもできませんでした。しかし、編入を捨ててまで取り組んでいた行事に雲がかかり始めます。人間関係で悩んだり、自分たちの行事に対する案が非難を浴びたりし、目標としていた優勝の光が僕の瞳孔には届かなくなりました。ここらへんから精神が危なくなります。ただでさえ、バカでかい編入という爆弾を抱えているのに、その状況で地雷原に放たれたわけですから当然といえば当然です。
絶望の心境の中、本番を迎えました。会場には、お世話になった先輩が見に来ており、その姿を目にし、安心したのか泣いてしまった自分がいます。それほどに精神は安定していませんでした。
なんとかやりきり、目標としていた最優秀賞ではなかったですが、賞を取ることが出来、有終の美を飾ることが出来ました。

TOEIC(寮祭後)

寮祭を終えてすぐに、遅れを取り戻すべく、勉強に取り掛かりました。まずはTOEICです。4年の2月に受験したときは840点であったため、900点付近を目標に一週間本気で頑張りました。abceedを用いてひたすら勉強していました。しかし、結果はListeningが20点だけあがり860点となりました。めちゃくちゃ悔しかったです。特にReadingを頑張っていたので、結果には全く納得がいっていませんでした。

怒涛の追い上げ(TOEIC後)

一日中徹底研究をやり続けました。今まで定期試験のためだけの勉強をしてきたので、すべての公式を忘れていました。微分・積分ですらかなりつらく、偏微分・重積分は頭が痛くなりました。そして、得意だと思っていた線形代数においても、ベクトル空間以降の章は未履修であり難しすぎたため、心がやられます。しかし、「わんみん」というチャンネルの存在を知り、なんとか持ちこたえました。わんみんさん、まじでありがとうございました!!

編入勉強スタート直後1週間の勉強記録

過去問特訓が解けない

徹底研究を一周終えたため過去問特訓に入りました。が、全く解けません。本当に「全く」です。徹底研究を「一周終える」ことを目標としてしまっていたため、間違えた問題も解答を見て、なんとなくわかった気持ちになり、解き直しをせずに次へ進んでいたことが原因でしょう。あまりにも無理すぎたので、基礎固めをしっかりするべく、徹底研究に立ち戻ります。

徹底研究再履修

徹底研究をしっかりやり直しました。同じ問題を何度も解くことが嫌いな自分には、地獄の時間でした。しかし、一度解いたことがあり解法を見たはずなのに、筋道が全くたてられないことが多々あり、自分の才能のなさを思い知らされ、かなり萎えました。

専門

筑波大学を滑り止め・受験練習として受けることにしており、あと3週間と迫っていたため、過去問特訓は後回しにして専門の勉強を始めました。Pythonエンジニアとしてゴリゴリにインターンをやっており、AtCoderも少しかじっていたので、ぶっちゃけ、余裕だろうだと高をくくっていました。しかし、いざはじめてみると、C言語の記法に頭を抱えたり、かなりの量のコードを頭の中で実行しなければならない煩わしさに腹が立ったりしました。それでも、学校でアルゴリズムの授業があったおかげで、割と簡単に飲み込むことが出来ました

過去問特訓

時間がなかったので、A,B問題を一周しました。

過去問

筑波大学の過去問を8年分くらいやりました。このときは、6〜7割の正答率であり、先輩からはボーダー8割と聞いていたので、厳しいなと感じていました。

退寮

事件は起きました。筑波大学まで後二週間くらいとなった頃です。自分のとある問題行動が明るみとなり寮を追い出されることになりました。多方面に迷惑をかけなんとも言えない感情の日々が続きました。この事件をきっかけに、勉強に身が入りづらくなります

やる気

試験1週間前からは学校をすべて休み、編入勉強一本でがむしゃらにやろうと心に決めていました。しかし現実は学校を休んだだけでした。どうもやる気が出ず、家で堕落していました。過去問も20年分ほど集めましたが、実際に解いたのは半分程度でしたし、過去問特訓のC問題もやっていなかったため、やることはまだまだいくらでもありました。しかし、「あんまり昔の過去問やっても傾向変わってるしな」「C問題レベルは出ないでしょ」と言い訳をし逃げていました。

筑波

数学の大問1が誤差の問題でした。絶対に出ないと信じていたため、全く勉強しておらず、全然解けませんでした。それ以外はなんとなく解けた気でいました。

筑波の合否まで

受かった気まんまんだったので、気が抜けてしまい、あまり勉強しませんでした。

筑波合否

受かった気まんまんの僕は、調子こいて、友達と一緒に合否結果を見ることにしました。合格者一覧に僕の番号はなく、さすがに笑いました。

合否発表スライドを友人が作成してくれ、皆で楽しみました


後輩に不合格を伝える後ろ姿

定期試験

合否発表の後すぐに、定期試験があったため、編入勉強に入れず定期試験対策を行いました。

過去問

定期試験期間中に、名大を受けるクラスの子から、「過去問見に行った?CS科は専門あるからみといたほうがいいよ」と教えてもらいました。後一ヶ月後に迫っているのに、舐めたことに、全く確認していなかったため、急いで名大へ行きました。(オンラインで見れないのなんだかな…)ソースコードなども手書きで写せと言われたときは、切れそうになりました。また、論理回路の問題を見たときは発狂しそうになりました。筑波と同様にアルゴリズムの問題だけだと思っていたので、急に科目が1つ増え苦しかったです。

夏休み

定期試験は無事終わり、周りの皆は楽しい夏休み、対する自分は地獄の夏休みの始まりという地点に立ちました。ここからはがむしゃらです。しかし、一週間ほどで過去問特訓・過去問を終えてしまい、だんだん堕落していきます。何をすればいいのか、どこがゴールなのかも次第に分からなくなり、気が狂いそうでした。試験勉強をしなければいけないという気持ちはありますが、逃げたくなってしまうのが性。Youtube Shortsに時間を吸われる日々は多かったです。試験10日前くらいからは、心がすさみまくりました

勉強予定と結果





試験結果💯

一次

専門

大問1の文章中に「ハフマン」という文字が見え絶望しました。絶対に出ないであろうと踏んでいた分野でした。しかし、才能でゴリおして解きました。
大問2は問題文の意味が全く理解できなかったため、とりあえず飛ばしました。
大問3は普通に、かつ、慎重に解きました。少しプログラムの解釈をミスし、時間をロスしました。
大問2に戻り思考をフル回転しますが、やはり問題文の意味が分かりません。仕方なく適当に回答を作成しました。
試験終了二分後ぐらいで、大問2の解き方をひらめき、スッキリしたのと同時に、悔しさ・悔しさ・悔しさでした。

数学

専門でかなりミスって、ほぼ諦めていたので、開き直って落ち着いて解くように心かけました。
問題冊子を開けると二問しかなかったため少し驚きました。
1問目は、例年のごとく行列と固有値であったため、解けるだろうと余裕をこいて、シャーペンを動かしましたが、どう頑張ってもn次の場合の固有値が求まりません。
諦めて2問目に移りました。誘導問題であろう(1)が簡単すぎて、逆に不安になりました。(2),(3)は解法の道筋がたてられなかったので、もう一度大問1に戻りました。
しかし、大問1は何度やってもきれいにならず、解けませんでした。
大問2に戻り、ゴリ押しの計算でなんとかグラフの概形を掴み、それっぽい解答を仕上げます。
大問1に再度戻り、(1)の誘導問題では3次のパターンの答えを出していたので、試しに4次のパターンも解いてみました。すると、「あ〜〜答えはきっとこうだろうな」という答えがわかったので、それを記述しました。どうやって示そうか考えている間に時間が来てしまい終了しました。

感想

専門の大問2が後少しだったのに解けなかったことはかなり悔しかったですが、これが自分の才能であり、それ以上でも未満でもなかったので、「あー、あそこもっと勉強しとけば…」などの後悔が残る形の終わりとはなりませんでした。

期待と不安

同じ学校の子が自然情報を受けており、数学の答え合わせをしたところ、大方あっていたため、もしかしたら二次行けるかもしれないと期待を胸にいだきました。しかし、期待を胸に明日の面接練習をして、二次に呼ばれなかったときのショックを避けるため、親には多分落ちたと伝え部屋でボーッとしました。あまりに明日までの時間が長かったので、推しの子を一気に全話見て暇つぶしをしました。
お風呂で振り返っていると計算ミスに気づき一気に落ち込み、そのまま、無の感情で就寝しました。

二次

結果が出ない

11時までに結果がHPにのると通達されており、自分は勝手に当日中に出るやろと期待していた。しかし、待てど待てど結果は出ず、翌日の10時になっても出なかった。12時までには受験会場に着く必要があり、家からは1時間強かかるため、仕方なくスーツに着替え家を後にした。

通過

電車でおばあちゃんに席を譲った次の瞬間に、一次試験通過者がHPに追加され、ドキドキしながら見ると、そこには”59909”の文字が確実にあり嬉しさで舞った。この日ばかりは、神の存在を信じた。

ジェットコースター

面接には絶対の自信があったため、余裕をぶちかましながらホームに立っていると、同じ学校の名大受験生がいたため声をかけた。お互い通過したことを喜んだ。が、次の瞬間、彼の口から、一次試験と二次試験の総合点で合否が決まるという事実が告げられ、奈落の底へと気持ちが沈んだ。一次は足切りみたいなもので、二次が合否に直結すると思い込んでいた。おそらく自分はギリギリのラインで通過なので、希望の薄さにショックを受けた。

可能性はある

やってやるしかなかったので、「今日呼ばれたということは可能性はあるということ」と言い聞かせ挑んだ。明るくニコニコ話して終えました。雰囲気は柔らかかったです。



参考書/動画⏯️

徹底研究


2周しました。基礎固めに使いましょう。この問題の例題/類題は解けて当たり前です。

過去問特訓


3周しました。初見で解けないのは仕方がないと思います。僕も、太刀打ちできませんでした。2周目ですら筋道がたれられなかったくらいです。重要なのは、問題の解き方のコツを掴むことです。こういう問題系の場合は、おそらくあの公式を使うんだろうなという感覚です。

基礎からわかる論理回路


学校の授業で使用したものです。

わんみん

わんみんさんの動画で自分の知らない分野を学んだり、解き方・考えたを勉強させてもらっていました。しかし、わんみんさんのかけ離れた数学スキルを眼前にしたとき、「このレベルが東大の編入を受けるのか」「このレベルが編入界隈には何人いるんだ?」と不安で埋め尽くされ、一方で、「まじで同じ学年じゃなくてよかった」と安心しました笑。

ヨビノリ

言わずもがな。

過去問

  • 筑波大学10年分

  • 名古屋大学4年分

  • 名古屋工業大学(情報のみ)3年分



アドバイス👊

基礎固め

基礎が重要です。これは先輩も言っていました。しかし、いっときの僕は忘れていました。わかるまでやりましょう。僕は先生に聞くことは出来なかったので、ChatGPTやYouTube、ネットなどの今どきの技術をフル活用して理解に励みました。

精神

編入は精神衛生に最も良くないです。心がどんどん蝕まれていきます。編入仲間を見つけたり、気軽に電話できる友達がいると少しはましになると思います。
一緒に頑張ってくれる仲間がいるのはとても心強いです。僕の友人の大半は推薦で進路を確定させていましたが、ひとりだけ一般受験する子がいました。その子と一緒に図書館にこもり、土日には少し遠くの図書館へ行き、昼飯夜飯を一緒に食べ精神を回復しました。彼がいなければもっと早くに心が折れていたでしょう。
もう一人編入勉強に付き合ってくれた子がいました。彼女は推薦組なので、勉強はほぼしなくて良いのですが、落ちたときに備えしっかり勉強するタイプの真面目な子でした。彼女に誘われ、土日名古屋のカフェで勉強したり、願書を一緒に提出しに行ったりとかなり助けられました。

研究室探し

かなり大変です。情報がそもそも入りにくいので、自分のやりたい分野、論文でよく見る研究室など取っ掛かりは何でも良いので、アンテナを張っておくと良いと思います。

記録と振り返り

僕は毎日、一日の出来事を15分単位でカレンダーに記録して、夜には日記を書いています。このおかげで、各日、どれくらい出来たか/出来なかったかを視覚化出来、さらに反省することが出来たため、次の日の活動源に繋げられました。

経験ありき

面接のアドバイスです。今まで、十数社のインターン面接を受けたり、寮で班長/指導寮生試験を経験したりして、面接でどのように振る舞えば受かるのかなんとなくコツを掴んできました。ただ、それを言語化できるほど僕は優秀ではなく、自分の頭の中でもはっきりとはしていません。そのため、みなさんも経験してください。そうすれば何か見えてきます。

ポジティブ

筑波大学に落ち、後がなくなっていた自分は、「落ちたらバックパッカーになるか、マレーシアに移住する」と半分冗談半分本気で言っていました。背水の陣で追い込むのもいいですが、「もし落ちたら…」と考えると絶望が差し迫ってくるでしょう。そこで僕は、落ちてしまったときどうするかをポジティブに考えていました。

筋トレ

部屋にこもって勉強していると体に悪いので筋トレをしていました。息抜きにもちょうどよかったと思います。



志望理由書📄

これの作成がかなり大変でした。名大に行きたい一番の理由が、レベルの高い仲間がほしいからという抽象的かつ他の大学でも言えそうなことだったからです。そのため、なにか1つ名大でなければならない理由を作る必要がありました。ここは簡単に、研究室探しをしました。しかし、どの研究室のHPも、正直言ってひどすぎたため、なかなかいい情報が集まりませんでした。(ホンマに酷い。いつの時代のフロントエンド?CSSすら使ってないんじゃないのかって思うレベルの、HTML丸出しサイト。wordpress使えばいいからいい感じにしようよ。更に絶望したのが、「202X年度 研究室紹介」というPDFを見かけたため期待して開いたら、いつの時代のパワポで作ったん?て問いかけたくなるデザインの資料を見かけたこと。その上内容が薄い!!愚痴はここらへんにしておこう)
取り掛かりが遅かったため、数人の先生に一度だけ添削をしてもらう時間しかありませんでしたが、ChatGPTをうまく使い添削してもらったおかげでなんとかなりました。



面接質問🗣️

  • 所属

  • 所属で学んでいることと、研究内容

  • 志望動機

    • 志望理由書と同様

  • どこの研究室に行きたいの

    • 明確に絶対ここという場所はありませんが、

  • 併願校

    • 素直に、筑波大学を受けて落ちたことを伝え、「他に受験校はないです。背水の陣で挑んでいます!!」と言ったら失笑されました。

  • 試験の出来は

    • あまり良くないことを伝え、専門の大問2が全く出来なかったことを言った。

    • そのため、昨日の夜はうまく眠れなかったという雑な話も付け加えた。

    • 「しかし、今日ここに呼んでいただいたということは、まだ可能性があるということだと信じているので、僕の魅力が最大限伝わることを願います」みたいなお気持ちも追加した。そしたらまた失笑された笑。

  • 院に進むか、博士課程に進むか

    • 院は行きます。博士課程はまだはっきりとしたビジョンは見えていません。

  • 画像処理は学校で学んだのか

    • 学校では画像処理の授業は学んでおらず、

  • 専門の大問2は初見か



Info✨

  • 一次試験の服装は、若干スーツ勢のほうが少ない

  • 一次の結果はなかなか出ない

  • 二次試験はほぼスーツ

  • 二次試験は各学科1つずつの教室で行われる
    ⇒ 試験官ガチャはない

  • 面接官は3人

    • 真ん中の人が、テンプレ質問+個人質問をしている感じ

    • 両サイドの人は思ったことを聞く

    • 今年の担当が誰だったか分かり次第追記しようと思います

  • 二次試験では、12:00以降電子機器が使えないため、面接対策は印刷しておくと良い

  • 試験番号はおそらく願書の提出順ではない(これはまじでおそらく)

    • 自分はギリギリに願書を提出し、受験番号が59909だったので、もしや今年倍率少ないのかもと思ってしまった

    • そして、勉強に本気になれなかったこともしばしば

    • しかし、当日受験会場を訪れると59925まで番号があり絶望した

  • 受験生には外国人も複数いた(気がする)




勉強時間⌛

Google Calendarですべての編入勉強時間を管理していたので、API叩いて集計してみました。
総計418.5時間でした。(TOEICの勉強時間は含まれていません)

編入勉強日次累計時間 (05/22 ~ 08/23)
05/22: 13.25[hours]
05/23: 11.25[hours]
05/24: 8.5[hours]
05/25: 10.25[hours]
05/26: 9.25[hours]
05/27: 5.75[hours]
05/28: 5.25[hours]
05/29: 7.75[hours]
05/30: 5.75[hours]
05/31: 5.25[hours]
06/01: 7.5[hours]
06/02: 6.75[hours]
06/03: 7.75[hours]
06/04: 7.5[hours]
06/05: 5.0[hours]
06/06: 8.75[hours]
06/07: 5.75[hours]
06/08: 6.5[hours]
06/09: 5.75[hours]
06/10: 9.75[hours]
06/11: 6.5[hours]
06/12: 9.0[hours]
06/13: 6.75[hours]
06/14: 6.75[hours]
06/15: 2.25[hours]
06/16: 2.0[hours]
06/17: 5.75[hours]
06/18: 3.0[hours]
06/19: 5.25[hours]
06/20: 7.5[hours]
06/21: 0.25[hours]
06/22: 2.75[hours]
06/23: 9.5[hours]
06/24: 5.0[hours]
06/25: 0.0[hours]
06/26: 8.0[hours]
06/27: 3.0[hours]
06/28: 1.75[hours]
06/29: 1.75[hours]
06/30: 1.25[hours]
07/01: 6.75[hours]
07/02: 6.5[hours]
07/03: 0.0[hours]
07/04: 0.0[hours]
07/05: 1.25[hours]
07/06: 4.5[hours]
07/07: 3.25[hours]
07/08: 3.0[hours]
07/09: 0.0[hours]
07/10: 0.0[hours]
07/11: 0.25[hours]
07/12: 0.0[hours]
07/13: 4.5[hours]
07/14: 0.25[hours]
07/15: 3.75[hours]
07/16: 0.0[hours]
07/17: 2.5[hours]
07/18: 0.0[hours]
07/19: 0.0[hours]
07/20: 1.5[hours]
07/21: 1.25[hours]
07/22: 4.25[hours]
07/23: 4.25[hours]
07/24: 4.5[hours]
07/25: 2.5[hours]
07/26: 0.0[hours]
07/27: 0.0[hours]
07/28: 0.0[hours]
07/29: 0.0[hours]
07/30: 0.0[hours]
07/31: 0.0[hours]
08/01: 0.0[hours]
08/02: 7.75[hours]
08/03: 8.0[hours]
08/04: 6.25[hours]
08/05: 2.5[hours]
08/06: 6.75[hours]
08/07: 7.0[hours]
08/08: 0.0[hours]
08/09: 6.75[hours]
08/10: 3.5[hours]
08/11: 4.75[hours]
08/12: 8.75[hours]
08/13: 8.0[hours]
08/14: 6.0[hours]
08/15: 5.0[hours]
08/16: 5.5[hours]
08/17: 6.75[hours]
08/18: 4.25[hours]
08/19: 5.5[hours]
08/20: 3.75[hours]
08/21: 5.75[hours]
08/22: 6.0[hours]
08/23: 4.0[hours]
合計: 418.5[hours] 平均: 4.452127659574468[hours]
日次勉強時間



編入勉強を通して学んだこと🧠

編入勉強を始める前の自分は、「photomath, wolframalpha, ChatGPT」を使えば大体解ける問題を、なぜ人が汗水垂らして解かなきゃいけないのだろうか? そんなものを人の物差しにするなよって思っていた。いや、今も思ってる。
でも、この編入勉強を通して少し見えたものもある。それは、「努力の大切さ」だ。俺は自分のことを今まで出来るやつだと思ってきた。しかしそれが、この編入勉強を通してかなり打ち砕かれた。徹底研究の例題を1周した後に、類題を一周したら、刃が立たなさすぎて絶望した。その次の章末問題も全く解けない。これはまずいと思い、類題をもう一周したが、2週目なのにもかかわらず解けない問題が多い。「あれ、俺ってこんなにも馬鹿だっけ?もっとすんなり出来るやつじゃなかったっけ?」と焦る。その上、適当な問題をRちゃんと一緒に解くと、毎回俺の一歩先を行かれる。なんでこいつに負けるん?自尊心がズタボロだった。Dくんにわからない問題を聞くと、「あー、これ俺解けるよ。これは〜」と解説してくれる。あのときの俺からはDくんが天才に見えた。「なぜだなぜだ?」と自問自答した。でも答えは単純だった。努力が足りないから。Dくんは俺よりも遥か多くの時間を編入勉強に費やしているし、RちゃんはRちゃんで電数(数学の授業)で鍛えられている。その一方俺は、編入勉強初めて2週間だし、勉強なんてテスト前にちょちょいとやってるだけ。そりゃあ勝てないよ。最近は、かなり問題に慣れてきて解けるようになってきた。努力の成果が現れ始めている。いいぞ。この調子。今まで、「努力は天賦の才には打ち勝てない」と言ってきた。この言葉はまだ間違いだとは思ってない。ただ、新たに、「努力できる才能にただの才能は打ち勝てない」が加わりそうだ。
⇒ 自分が努力できるフィールドを見つけて、そこで戦いたい。

勉強はおれのフィールドではないが、俺の夢への通過点ではあるので、ある程度努力して乗り越えたい。

6/17日記

数学が面白い。問題文を読んで、自分が知っている複数の選択肢の中から、経験則・一瞬の思考によって最善だと思われるものをチョイスして解き進める。何度だって間違える。間違える度に、どこで間違ったのか考察する。それでも、何度考えてもわからない時がある。……。
狭義の人生だよ。数学には解答があるだけ。いや、何に取り組んでも狭義の人生かもな。狭義の人生の積み重ね・重ね合わせが人生だもんな。

思考が大事。反省(振り返り)が大事。努力が大事。

8/13日記

俺は最近まで、「なんで勉強なんかしないといないんだよ?俺優秀だって。ポートフォリオ見てくれ。な、わかるだろ?俺を取ってくれ」と思っていた。別に今でも、この思考の根幹は変わっていない。しかし、勉強をして、学問で自分が努力出来る人であることを証明しなければならない世の中の仕組みにも納得が行くようになった。

8/13日記

日記に書かれていたこと。




Links🔗

今年度、豊田高専からは名大の各学科に合格者が出ました。彼らも体験記を書いているのでこちらに記載しておきます。

  • 自然情報

  • 人間・社会情報学科



後書き🙂

終わってしまえば、僕の場合はいい結果が残ったため、全て美談と出来ますが、編入を終えるまでの3ヶ月、いや、編入を意識しだした頃からの1.5年くらいはとても苦しいものでした。タイムリミットが近づけば近づくほど苦しさは増すばかり。二度と経験したくないです。


「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」
「嘘は自分を守る最大の手段」

推しの子

「ありのままの自分をあえて出さず、キャラクターを演じる=嘘をつくことで、炎上したときに本当の自分を守る。」
推しの子に書かれていたこの表現を見て納得した。今回のこの記事はほぼリアルだ。一部カットされている部分があるが、大方自分の歩んだ編入人生そのまま。これを公開するのが少し怖い。受験に落ちてしまった人のいくらかは、勉強時間の少ない僕に対していい印象は持たないだろう。
それでも、このリアルをそのまま公開するのは誰かの役に立つと思ったから。

上記以外に欲しい情報がありましたらコメントください。

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