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中国がガチでカーボンニュートラルの実現に動き出したぞ

今、中国の巷では、電力制限による工場の生産停止、それを受けての原料や製品価格の高騰で頭を悩ます人達が続出しているが、そもそもそれらすべて中国という国が「カーボンニュートラルの実現」という目標に一気に舵を切って動き出した為である。

そもそも碳达峰(CO2排出量ピークアウト),碳中和(カーボンニュートラル)って何なの?


日本語の場合、環境省のページを読んでもらえるとある程度理解して頂けると思う。


中国語での説明はこちらをどうぞ。


非常に分かりやすい記事があったので、上記にリンクを貼っておく。中国が目指しているものがこれを読んで頂くとよく分かるだろう。

今まで世界最大の二酸化炭素排出国として非難を受け、揶揄されていた中国が、本気になってカーボンニュートラルの実現を目指そうというのだ。これにはのらくらりとやる気を全く見せないアメリカにはいい見本となることを願う。

ただ、これらの目標を達成するために、犠牲となることも多い。

一方、挑戦として、まず、発展途上国としての中国は、先進国と比べて経済成長率が高く、CO2排出量を削減するために、エネルギー消費量のGDP原単位とCO2排出量のエネルギー原単位の大幅な改善が求められる(上述の茅恒等式を参照)。また、中国の産業構造はエネルギーを大量に消費し、CO2排出量の多い重工業のウェイトが高く、エネルギー構造もCO2排出量の多い石炭に偏っているため、カーボンニュートラルを実現するためには、エネルギー構造と産業構造を同時に大きく変えなければならない。この過程において、衰退を余儀なくされる産業では、企業の倒産と従業員の解雇が避けられない。さらに、CO2排出量ピークアウトからカーボンニュートラルを実現するまでの予定期間は、中国の場合、先進国より短い。例えば、EUは71年(1979年-2050年)、米国は43年(2007年-2050年)、日本は42年(2008年-2050年)であるのに対して、中国は30年(2030年-2060年)しかない(注9)。最後に、カーボンニュートラルの実現に向けて、膨大な資金が必要である。それを賄うために、CO2排出権取引制度とグリーンファイナンスの果たすべき役割が大きい。市場メカニズムを生かすことで、投資効率の向上も期待できる。

この記事にも書かれているように、100兆元規模の投資が必要との見方があり、ここに投資チャンスが潜んでいると指摘する。恐ろしいほどの金額である。

こちらも合わせてどうぞ。


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「得到头条」では、カーボンニュートラルを達成するために、電力貯蔵用の技術革新が非常に重要であることが取り上げられていた。

071 l 实现碳中和,能技有多重要?

对于多地电力紧张的原因,我们团队看了很多资料。除了刚才说的需求侧的原因,也有供给侧的原因。主要是两点:一是从今年年初开始,力煤价格一路升,在的价格比年初时涨了一倍多,火发电越多、亏损越多。第二个原因,是火之外的力供跟不上。比如水电大省云南,今年就遇上水量不足,机组利用小时数低于往年。国外也是一样,我们查到的数据,美国的水电和欧洲的风电发电量,都明显低于往年同期

前回の「拉闸限电」のNOTEでも触れたが、現状中国では火力発電にいまだに頼っている状況で、その原料が2021年初頭より高騰し続けており、火力発電所を稼働させれば稼働させるほど電力会社としては赤字となる上、火力発電以外の電力供給が全く追いつかない状況なのである。

これからの時代は如何に、発電分を貯蔵できるかが鍵となってくる。「得到头条」では、リチウム電池のような技術を使った貯蔵技術が中心となると指摘している。

电化学储能,也就是以锂电池为代表的各种电池技术,它的应用场景最广泛,被认为是未来储能技术的主流,会占到全部储能的90%以上

中国政府の発表資料はこちら。

電力貯蔵技術の話に関しては下記ご参考。


いずれにせよ、中国が目標の達成の為に一気に動き出し、世界と同調するというよりは、世界のトップを走り抜けるような形になりそうで、中国の経験や技術が世界各地でのカーボンニュートラルを達成する為に必要となってくる時代がいずれやってきそうな気がするのである。我が国にも負けじと頑張って欲しいものだ。



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