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国慶節に市内から忽然と消えた上海人達

国慶節が終わり、皆が嫌々出社を始めた今日この頃、私が辛うじて務めている上海支社も概ね社員が出社していた。中には金曜の10月8日を有給取得し、10日まで休み旅行に行っている人間もいるという。まあ、皆休日をそれなりに楽しんだようでよかったよかった。

今年の国慶節はデルタ株が流行する去年のものと比べるとかなり落ち着いた静かな大型連休となった気がする。去年はコロナ政策の抑圧で外国にも旅行行けなかった分、国内旅行で大いにリバウンドさせた感があり、とにかく人の移動がすごかった。上海市内で旅行者が良く使う2号線などは国慶節中はとんでもない混み具合だったのは記憶に新しい。

そもそも、南京空港の失策から広がったデルタ株は、何とか抑え込んだが、今度は福建で感染が爆発した(爆発とは言っても200人とかそのレベルの数字で日本とは比べ物にならない)。

去年もそうだったのだが、就学児童のいる家庭は子供が居住している市を離れて外地に行った場合、帰宅後自宅隔離やPCR検査で陰性証明を取得しなければ学校への登校は認められない。故に、外地へ旅行へ行きたくてもいけないというジレンマに陥る。

上海には山も自然の湖もないが、そこは魔都。博物館でったり美術館であったり、ショッピングモールは多数あるし、上海市と言っても行政区画で見るとかなり広く、郊外に行けば緑豊かな自然があるし、おしゃれで快適なホテルや民宿なども数多くある。

今年の国慶節で上海を出られなかった人達は当然上海市内でぶらつくことになる。10月1日は私が住む近くのショッピングモールは人だらけだった。食事をするのにも早くて1時間待ち、3時間待ちは当たり前。人気店ともなると「5時間待ち」の表示がある。あちこちで上海人の「册那」(Fxxk)という恨み節が聞こえてくる。ああ、やっぱ皆どこも行くところないから考えることは一緒だよなと思ったのである。

ところが、10月2日にもなると、市内から人が消えたように地下鉄、バス、ショッピングモール、レストランに閑古鳥が鳴いていた。一体彼らはどこに消えたのか??(私からすれば人が少なくなったのでストレスフリーでおいしい料理に待つこともなくありつけたのでよかったのだが)この状況は4日〜5日まで続いた。

10月8日の出勤日にうちのスタッフ達に連休どこ行ってたのか一人一人聞いて回ったら意外な回答が返ってきた。皆「上海を出ていない」と言うではないか。よくよく聞くとざっとこんな感じらしい。

・松江区、青浦区、金山区、奉賢区などの郊外のホテルや民宿に宿泊、キャンプに行ったという人間もいた(いいなあ)
・毎日車で郊外の森林公園などの人が少ないと思われる場所へ日帰りで遊びに行った
・网红打卡地(人気急上昇中のシャレオツスポット)を訪れ、ひたすら写真撮って、SNSにアップしていた
・毎日ランニング、ジム通い、公園をぶらぶら
・毎日友人達と飲み会、女子会(カフェ等)

彼らも彼らなりに制限のかかった中で、少しでも有意義な時間を過ごそうとしていたことがよく見て取れる。ホテルに何泊もしていたという人間にいくらだったのと聞いたら、毎日2,000元ぐらいですかね〜と。おいおい、金持ち過ぎるやろ、お前さんの一カ月の給料普通にぶっ飛ぶぐらいの価格なんだけどな。さすが魔都上海。上海人=金持ちである、という歪んだ図式が私の中で再構築されることとなった。


さて、今年の春節は妻の実家に帰れるかな…それだけは何としてでも実行したい。日本にも帰れないんだから妻の実家ぐらいには行かせてほしい、と心から願うばかりである。


では、今日はここまで、ゼェーウェー(上海語でさいなら)


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