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【中国】採用面接で出会った愉快な人達

これまで中国東莞・上海で採用面接を1,000人以上行ってきたが、来る人来る人が似たようなことばかり話し、履歴書は明らかにどこからかコピペしてきたものばかりで、日本以上に画一的な履歴書に悶絶したことが何回もあった。

また、人材派遣会社も推薦者の履歴書をまともにチェックしておらず、明らかな年代書き間違いや虚偽の記述がある等、酷い有様であった。

今回はそんな面接を行った人たちの中から何人かの例をピックアップしてご紹介したいと思う。


10年前の写真を履歴書に貼りつけ、自分で履歴書をプリントアウト(白黒)して「どうぞ見てください」という人


履歴書の写真と本人が全く違う、ということがあった。しかも、面接時に白黒でプリントアウトしてきた履歴書を持参し、「わたしの履歴書です、今見てください」と。横にいた部下が手で口を押えて笑いをこらえているのが面白かった(笑)

あまりに履歴書の写真と本人が違い過ぎるので「これ誰?」と聞くと、背筋をまっすぐにして「私です!」と(笑)

「いやいや、全然違うじゃないですか、私達はこの写真の人物と今ここにいるあなたが一緒の人かちゃんと確認しないといけません」

「ああ、その写真は、10年前の写真です、だから私です!」(キリッ)

部下が椅子から転げ落ちた(笑)

というか、10年前の写真使うなよ…人材派遣会社もちゃんとチェックしていないのである。もうめちゃくちゃである。

アピールポイントが皆同じ内容

下記の分を見て欲しい。驚くほど同じような文章を見ることが多い。要は、私は陰キャではなく、誰ともコミュニケーションとれて、結果を出せますよと書いてある。

为了让人与人之间能够更好的理解彼此,我认为沟通是必不可少的一个环节。在理解了我方与合作方各自的需求的基础上,在提高了合作方的满足度的同时,也达成了自己的业绩成果。我时时刻刻把这种win-win的做法牢记于心

時には一字一句全く同じ文章の人が数人いるときがあり、思わず閉口する。日系企業に応募してくる人は、上海に限って言えば、大人しい人が多い傾向がある。「類は友を呼ぶ」だと思うが、賑やかでコミュニケーション能力が高い人は日系にはあまり来ないイメージ。

PRで性格は朗らかで明るいと書いているのに面接中全く自ら口を開かず「面無表情」な人


これが割合として多い気がする。それも仕方ない、彼らの履歴書はただの「コピペ」でしかないのだから。こう書かないと駄目だみたいな謎のテンプレがあって、皆それを使っている。

なので、陰気くさい人でも同じように書いてくる。

私は、毎回意地悪だが、「明るく、朗らかと書いてありますけど、全然喋らないですよね?シャイなんですか?」と。

そういうと更に黙る人もいれば、「いや、私はただ緊張してるだけです!」と反論してくる人もいる。後者の場合、「面接に来たのに喋らないんだったらあなたのこと理解しようがないし、採用なんてまず無理だよ」と言うようにしている。

就労歴を詐称する人、暗黒の歴史がある人


これも非常に多い。各企業で働いた年数を見ていくとどうも今の年齢にそぐわない経歴なのである。要は、偽って1年を2年とかに平気で変えている。これはしっかり履歴書を見て、生年月日や学歴から考えると見ればすぐに分かる。

そして、これも多いのだが、いわゆる「暗黒の歴史」がある。つまり、何も仕事をしていない空白の期間があるのである。1〜2か月どころではない、2年、3年とかの空白期間がある人もいる。

もちろん、子育てとか親の介護だとかで正当な理由がある人もいる。これも、履歴書をよく観察すれば問題に気付くことが出来る。

一定の空白期間がある人の場合、大抵数か月もしくは1年単位で転職を頻繁に行っていることがある。その短期間在籍した会社を自分の「爪痕」として残したくない場合(短期間で転職していることを知られたくない為)、思いきって空白にしてしまうのである。これも採用面接をこなしていくことで、すぐに気付くことが出来る。


履歴書に、私はナイーブでシャイで、嫌いな人の言うことは聞かない傾向がありますと書いている人


これには度肝を抜かれた。

こんなことを書いてる人をどこの企業が採用しようと思うのだろうか。しかも、美容師ししか経験のない人間なのに、急に会社勤めで営業職としてやっていきたいという。そんなシャイで極端な人間に営業をまかせる!という会社はないはず(笑)


色々な離職理由

これもツッコミどころ満載なことが多くて、履歴書の段階で爆笑してしまうことがよくある。まず、下記を見て頂きたい。

回国发展→出国深造→工厂空气污染→○○○

離職理由の変遷だが、日本留学から祖国に帰ってスキルアップ・収入アップ図りたい→また日本に行ってスキルアップしたい→また祖国に戻りスキルアップしたかったが工場の空気汚染が酷いので退職、という流れ。日中を行ったりきたりしており、日本嫌い→祖国がいい、祖国に戻る→祖国じゃだめだ、やっぱり日本に行こう→小日本やっぱ嫌いだ、祖国へ戻る、という彼女なりのルーティンが確立されており、笑ってしまう。しかも、面接時に何故今の会社を辞めようと考えているのかと質問すると、「いや、辞める気はありません。今決めました、やっぱり辞めません、今日はこれで失礼します」と言って面接が終了した(笑)


日中は会社勤め、夜はキャバクラで仕事

履歴書の写真で見た時は、すごい田舎の純粋な綺麗めの女子って感じだった人を面接した時の話である。

応接室に入ると、そこには「疲れ果てている」キャバ嬢がソファーにふんぞり返っていた。思わず目を疑った。

とりあえず普通に面接をしてみたが、面接途中何度もあくびをするではないか。おいおいと思いながらも、「ところで、仕事以外で何か趣味とかあるんですか?夜寝るの遅いんじゃないですか?」と聞いてみた。

するとその女性は「実は夜も働いてるので睡眠時間が足りないんです。」やはりそう来たか。

「夜も働いてるんですか?それは大変ですね。どんなお仕事なんですか?」

「男性のお客さんに付いて一緒にお酒を飲むだけですよ、何も面白くないです。でも、お金の為ですから仕方ありません。」

横にいた部下が思わずずっこけていた(笑)私はまあ予想はしていたので、別に驚くことはなかったが、日系でもこういう人いるんだな、来るんだなと勉強になった。

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