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あなたも部下に対して「なる早で」と仕事を与えていませんか?

指示が曖昧な日本人達(裏には人に教えるのが下手、育てる意識がないという問題が存在する)


うちの会社の駐在員を見てていつも思うのだが、部下に仕事を与える場面を見ていると必ずと言っていいほどあいまいな表現で「なるべく早くやってくれ」と指示を出していることが多い。

で、結果は言うもがな、駐在員が思い浮かぶ期限に仕事が上がってこない。そらそうだろう、明確な期限を決めていないからだ。もちろん、その仕事を与えられた人の仕事の能力にも大きく関わってくる。人によっては、何をどこから始めてどう仕上げればいいのか分からないからだ。

コンサルの孔氏のNOTEにもハイコンテクスト文化の国の人間が、ロウコンテキスト文化の人間と意思疎通を図る際には、自分たちのやり方で進めてもうまくいかないことが指摘されている。

「なる早」の例のように、自分が言ったことを相手が全然わかっていないとき、そこにはコミュニケーションの違いがあることに気づくことがコツだと思います。

実は、多くの日本人駐在員が理解していないが、中国人も実はハイコンテクスト文化の国である。ただ、日本のそれとはまるっきり違う。この点、下記NOTEで少し触れた。是非、ご覧いただきたい。

よく巷でも言われることではあるが、日本は「以心伝心」と言われるように、「おい、お前、何をやればいいか言わなくても分かってるよな」と暗黙的に相手から了承をとりつけるようなやり方が多く、中国人の場合は言葉を遠回しに発言して、「おい、こういう意図だからお前ちゃんと汲み取ってくれよな」となる。(特に利益が絡む話となるとこれが顕著になる)
これはネガティブ・フィードバックに特に顕著にみられるやり方なのだが、日本の場合ポジティブ・フィードバックは殆どないように思う。中国人がネガティブ・フィードバックをどストレートに言う時は、相手との力関係が中国人側が上か、その人に対しての発言がその人のメンツであったり、「核心的利益」の「量」に影響を与える場合に、爆発的に発揮される傾向にあるだろう。


変わるべきはまず管理職である日本人駐在員


私がいつも部下に仕事を与える時に必ず説明するのは下記の点である。

①目的(何故これをやるのか、これをやるとどうなるのか)
②仕事のやり方、進め方、難度の高い仕事については、細かく分解して一つ一つ確実にやらせる
期限を明確に定める。(例:2日後の午前中まで)

まず、一番大事なのは期限をしっかり意識させること。そして、仕事の能力が低い人間については、仕事を分解して(例えば、20項目に分割する)一つ一つ確実に行わせる。

もちろん、期限を定めても期限を平気で守らない輩も非常に多い。それは仕事の能力の低さや仕事に対するコミットメントが低い人間が多いのだが、こればかりは悩ましい問題だが、しつこく進捗状況をこちらから聞いて確認を行うことである程度は防げる。任せるととはいっても、進捗状況は確認しておかないと期限ぎりぎりまで何もしていない輩もいる。だからこそ、この仕事を何故やるのか、どういった意義があるのかを説明するのだが、残念なことに響かない人にはとことん響かない。これはもうどうしようもない。さっさと辞めてもらうほかない。

日系企業で働く中国人の多くは、今まで駐在員に指示された仕事しかしてこなかった人間が多いので、自分で考えて何かをしようという脳みそをもちあわせていないことが多い。中国人彼らの能力がどうこうではなく、今まで中国人社員を育ててこなかった歴代駐在員の大罪である。

故に、中国人社員を変えようと思ってももう既に手遅れである。彼らも言われたことだけやってればいいというスタンスになっているので、彼らに熱意や情熱を注いでも全く響かない。日本人駐在員自体が変わり、会社全体をある程度の緊張感にあるものに変えていかねばならない。

以前、WEBにて中国駐在員の方が部下に、

「〇〇さんは本当にいい上司です!」

とおだてられ舞い上がっている話を見た。私はこれを見て、ああ、部下になめられてるな、部下に与しやすい上司だと思われてるんだな、何か大変で面倒な仕事をまかせても何もやってくれないだろうなと思ったものである。

仲良しこよしが悪い事だとは一切思わないし、口が裂けても言えない。ただ、会社というのは利益を追求し、お金を稼ぐことで「大所帯」を維持することが出来るのである。自分にとって都合の良いと思われるようでは、管理職として失敗である。

「良い人か…僕はその言葉があまり好きじゃないんだ」
「だって、それって…自分にとって都合の良い人のことをそう呼んでいるだけのような気がするから」
すべての人にとって都合の良い人なんていないと思う」
誰かの役に立っても、他の誰かにとっては悪い人になっているかもしれないし…」
「だから…アニがこの話に乗ってくれなかったら…アニは僕にとって悪い人ってことになるね…」

漫画進撃の巨人のアルミンがアニに対して言ったこのセリフはこのことを痛いほどついているのではないだろうか。

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中国人を理解する為には下記NOTE必読。


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