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在中日系企業の焦燥感は募るばかり?

先日、中国HR業界NO.1のコンサル会社(国有企業)中智のセミナーに招待されたので行ってきた。色々貴重なデータや、多くの日系企業のHRの現状と悩み等を聞け非常に有意義な時間だった。

■10月27日《中智2021年人的資源調査研究成果日系企業特別発表会を開催しました》
https://www.ciicshjp-hrm.com/jigyo_katsudo/salon/20211027salon.html


その中で、在中日系企業の方々がアンケートに答えていたのだが、うち2点について少し考えてみたいと思う。

① 日中文化の違いを日本側が理解していない(しようとしない)、日本人管理職が中国人スタッフを正しく評価できない(差をつけられない)

これは日系企業の永遠の課題ではなかろうか。中国に限らずだが、日本は本社至上主義故、海外市場を理解しようとしていない、本社のお偉いさんが自分の保身にのみ走っており、中国どこ吹く風の如く全く興味を示さないのだ。

どんどん中国内販をやっていけ!と言われたものの、支払期限(サイト)の長さや売掛金回収の困難さで頓挫している日系企業も多いのだが、それを本社が理解しようとしない為、駐在員が日中間で板挟みに遭い、病んでいくことになる。

一方で、現在中国に駐在している日系企業の駐在員は総じて40代以降の方が割合多いと思う。この世代の方々というのは先輩方が「俺の背中を見て覚えろ」的な部下の教育が出来ない人達であった為、自身もその習慣が身に付いてしまっているので、人に教えることが出来ない、もしくは苦手な人が多い。そういう方々は往々にしてコミュニケーションが下手くそである。「あいつらはいつも人の話をきかない」や「言ったことをやらない」等と彼ら目線で中国人社員を見がちで、本質を見誤っている。そもそもの問題の根源が自分自身にあることに気づいていない。そら、人はついてこない。


② 新規出向者が中国も事情を理解するには長い時間を要し、中国の発展スピードに追い付けない

 これもなかなか深刻な問題である。日系企業の総経理は往々にして50代後半の本社での出世レースから外された方が最後の職場として選ばれ送り込まれてくるパターンが多い気がしてならない。会社によっては、上海現地法人の格が「部門」クラスであったり「部クラス」「課クラス」なところもあるだろう。格が高ければ高いほど、高齢な方が送られてくることが多い。

 彼ら自身に問題があるというよりは、会社として海外現地法人をそのような「位置づけ」にしてることが問題で、そのような位置づけであるがために、海外市場を伸ばすことが出来ない(というかする気がない)のである。

 また、新規駐在員も3〜5年で帰任してしまう為、流動性が高く、一貫して何かを行い成し遂げるということが非常に難しい。在中日系企業で成功しているところは、総経理が10年、20年いたりするところもあり、重要な人物は期限を設けずビジネスが安定するまで派遣を続けるということを行っている。

 このアンケート回答にもあるように、このような状況下では長期的な取り組みができないばかりか、変化の激しい中国市場では全くついていくことができない。帰任者と新任との間での引継ぎ作業も昨今のコロナ禍によって、より難しくなりつつある。元々、自分の知識やノウハウ、経験を他人に伝えることを良しとしない、もしくはその気がない日本人は中国人に負けず劣らず一定数いると私は考えていて、そこらへんも会社としてのノウハウの蓄積が行われていないことも日系の弱点かもしれない。


今日はここまで。じゃあの。

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