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OKYとHYODM、海外現地法人として日本本社とうまいことやればOYYな話

OKYとHYODM


 昨日友人の日系企業総経理達と酒を飲みながら、中国ビジネスや中国人論に花を咲かせた。非常に濃い内容で、まだ消化しきれていないが、彼らは中国ビジネス20年以上の経験がある猛者たちである。日中ビジネスの黎明期から現在に至るまで様々なことを経験し、荒波に揉まれ生き残ってきた。彼らの経験談、武勇伝、失敗談は色々示唆に富んでいて面白い。

 いずれの方々も、本社のお偉いさんから中国市場を開拓できていないと色々叩かれ、いじめられた経験をお持ちで、皆で駐在員として本社と現地法人の狭間で板挟みに遭い、苦労した話は面白かった。

 皆が口を揃えて言っていたのは、「OKY」である。O(お前)、K(来て)、Y(やってみろや)。要は、現地の実情を知らず、机上の空論をかざし、現地法人にいる駐在員をいじめる本社の方々に言い放つ魂の叫びである。


とある総経理のケースをここにてシェアしよう。例の如く、本社のお偉いさんが偉そうに「中国市場開拓にいつまで時間かけてんだ、てめー早く軌道に載せろ!」とうるさかったそうである。

 頭に来た友人の総経理は、「ほな、お前がきてやってみろや!」と吠えると、お偉いさんは「俺はいかん」というではないか。さらに頭に来た友人は、「だったらてめーの部下をこっちに送り込んで来い、OKYだよ」と。

 結局口だけの空想家であるお偉いさんは中国に来なかったが、その下にいる人間が意気揚々と上海に乗り込んできた。「お前らみたいに仕事できないやつはひっこんでろ、俺が指揮をとってすぐに売上あげてやる!」と鼻息が荒かったそうである。

 ところが、というか案の定、本社から来た自称スーパーセールスマンの方は右も左もわからないまま、実情に即した戦略を策定できず、行動するも何をやっても失敗するではないか。友人は傍から見てるだけで何も助けの手を差し伸べることをしなかったそうだ、そらそうだ、あれだけ啖呵きって来中してきたんだから、OKYを最後までやり通させると。

 結局自称スーパーセールスマンは、現場を大混乱に追い込み、現地法人のスタッフ全員を敵に回し、何もなしうることなく、友人の総経理が本社の役人に「こいつくっそ使えねーから送り返すわ」と彼を日本へ送り返したそうである。それ以来、本社から偉そうに言われることはなくなったという。これぞ、OKYの成功例ではないだろうか。

まさに、HYODM、H(ほら)、Y(やっぱり)、O(お前ごときじゃ)、DM(ダメなんだよ)。


日本本社至上主義と海外現地法人として最低限やっておくべきこと


日本本社至上主義については、別のNOTEでも書いた。関連記事も合わせてお読み頂きたい。


基本日系の海外現地法人というのは、日本本社と密接に関わって仕事をしているので(していかざるを得ない)、基本海外現地法人を黒字化にして、さらに現地市場を開拓していくという重要な任務もあるのだが、友人の総経理が皆口を揃えて言うのは、「海外現地法人が大して儲かっていなくても、日本本社がもうかるような形であればそれで充分」だということだった。

むろん、これは賛否両論あるだろう。海外現地法人が何年も連続で赤字を垂れ流すような状態はよくないが、最悪でもとんとんぐらいでも良しとするのである。理想としては、前述したように現地法人も日本本社も儲かることが一番の理想である。ただ、日系企業は往々にして日系企業同士で仲良しこよしで商売をやっているところが多いので、現地市場の開拓に頼らずともある程度業績を上げることができる。ましてや、特殊性の典型例のような中国市場の開拓は日本企業にとってはハードルが高い。

帰任後も本社で社畜としてうまいこと生き残っていきたい方々は、海外現地法人の儲けをそこそこにしておいて(赤字にしてはいけない)、本社側が儲かって万歳!という状態にしてあげることが大事なのではないだろうか。OYY!と言われること間違いなしである。O(お前)、Y(よう)、Y(やったな)!


今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)


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