母の日
私の母はもういない。
とてもダイナミックな人生を過ごし生ききったので、足早に慌ただしくそっちに行ってしまったが、まあ、よしとしよう。
母の日だからと言うわけでもないが、ダイナミックな彼女の口癖を思い出した。
「言葉にそんなに責任いる?」
たしかに…
責任ばかり考えていたら、おしゃべりなんかできないもんな…
私の母はその言葉は無責任でも、たえず思いやりの塊だった。
責任ありげな美しい言葉をいくつ並べても、実際に差し出された汚れた手を取りそのからだを抱きしめることが出来なければ、その言葉になんの責任もない。そもそも責任は言葉だけでつくられているわけじゃない。危なかった、うっかり騙されるところだった。
母さんの言うこと、正しかったよ、ありがとね。
ところで、そっちの暮らしはどう?
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