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神様彼を

言葉にならない言葉が溢れてくる。
頭で感じているより、気持ちのダメージが大きいみたいだ。
ちょっと頭ん中を整理したい。
吐き出さずにはいられない。
自分でもびっくりするくらい、依存度の高さを突きつけられた。
彼が普通に自然に元気でいることに、こんなにも支えられていたのかと。

特に今日は3月11日。
当たり前にあると思っていたものが、実は当たり前ではなくて突然に失われてしまうことが起こり得る、だからこそ、毎日を大切に生きなくては、と考えさせられる日。そのせいもあって、余計に心に刺さったんだと思う。


第一報はTwitterの公式アカウントの発信だった。

公式サイトの新着情報のタイトルがそのまま流れてくる仕組みになっているのであろう一文を読んで、思った。そりゃあ長丁場だもの、そういうことはあるよね、と。さほど驚かずに受けとめた。
それが、リンク先を開き、リリース文を読んだら、時系列に沿って報告された文面のあまりのリアルさに、打ちのめされてしまった。


そして Instagram。

しんどいだろうに、そんな時でも発信してくれるなんて。
旅日記では、本番前の貴重な時間に楽屋の様子からホールの探検と称してリハーサルの一コマや客席、現地の天候、名所まで駆けずり回って撮影して見せてくれて、しかも渾身の弾き語りも。いくら喜んでもらうことが好きとはいえ、どこまでサービス精神が旺盛なのだろう、と感心してしまう。こういう気持ちを言葉にしたい時に「推しが尊い」っていうんだろうか。

心配なのは、今日の文章には明るさがないこと。一日でも早く治るように養生するからな!とか、元気で戻ってくるから待っててくれ!とか、いつものポジティブな言葉がないのが気になった。

いや、違う。
これは、公演を延期したということを深刻に考えている証なんだ。
そう思うとなおさら胸が潰れそうになる。

…謝る必要なんてないのに。
…そんなに謝らないで。。。

でも……、これは必要な儀式なのかもしれない。
一番つらくて悲しくて悔しくて、やり場のない気持ちを抱えているのは、他でもない彼自身だ。そして自分自身で判断して下した結論を受け入れるためには、謝罪を直筆で書かずにはいられないのだ。誠実に、正直に。そうやって常に、現実と、自分と、向き合ってきたひとだから。
だから、どうか吐き出してください、と言いたい。しっかり受け取りますから、と。

常に期待値を上回り、最高を更新し、それがデフォルトにすらなっていたから、このひとは不死身なんじゃないかくらいに錯覚していたかもしれない。でも、もちろん調子だって機嫌だって良い時も悪い時もある。この苛酷な過密スケジュールでさぞお疲れも溜まってきていたのでしょう、体調を崩すことだって、そりゃあある。薄氷の上を勢いで渡り切ってしまおうとするような、リスクと背中合わせの全国ツアー。この状況下で、ここまで何事もなく公演が開催されてきたことが奇跡だったんだ。
当たり前なことなんて、何もない。何事もなく日々を送ることができている、そのこと自体が奇跡なんだ。それを痛感する3月11日…。


どうかゆっくり休養してほしい。
どうか一日でも早く元気になってほしい。
どうか無理をしないでほしい。
どうか完走してほしい。

それぞれ矛盾するさまざまな思いが溢れてくる。

疲れた時は孤独になれ

鼓動が聴こえるくらい
憧れし孤独の闇へ行け

時を越えゆくために休め
”クレッシェンド・デミネンド −陽気なる逃亡者たる君へ−”


とにかくどうか今はご養生専一に、一刻でも早く、身体の、そして心の苦痛から解放されますように、心の底からお祈りしています。

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