台風14号で失われた、当たり前の日常を取り戻す〜復興へ向けた椎葉村民のレジリエンス〜
〜記事の最下部に災害義援金の情報を掲載しております〜
全国各地、そして宮崎県内でも猛威をふるった過日の台風14号。椎葉村での被害も、甚大なものとなりました。道路の崩落や土砂崩れなどは、村道・林道を合わせると270箇所以上にのぼり、その他にも農地や山腹、商工業施設などに大きな被害が及びました。その被害総額は、現時点で80億円を超える見込みだといいます。
台風の通過後、すぐに地元消防団による復旧作業が始まり、役場では徒歩による災害調査が行われました。道路には土砂が溢れ、また道そのものが崩れ落ち、車が通れなくなった箇所がそこかしこに点在。その一つ一つを手分けして歩き、情報をまとめ、いち早い復旧に向けて動き出しました。
災害の多い山間部ならではの初動の素早さや、消防団員を含む住民や地元の土木会社による復旧のノウハウには、本当に驚かされます。日を追うごとに道路の土砂が次々と撤去され、各種インフラが復旧する地区も増えていきました。
復旧作業が始まって数週間。休みも返上で作業にあたる方々が数多くいらっしゃいます。そこに感じずにはいられないのが、日々の生活で培われた椎葉村民のレジリエンス。「回復に向かう底力」の出どころはきっと、普段築かれている人と人との信頼関係であり、互いを思い助けあう「かてーり」の精神に他なりません。
猛スピードで進む椎葉村内の復旧作業。しかし、数百にのぼる全ての箇所が元通りになるには、何年かかるかわかりません。
つい先日まで当たり前にあった「この村での日常」が、いかに大切で、幸せなことであったかを感じながら、復興に向けた歩みはまだ始まったばかりです。
執筆・中川薫(https://note.com/kaoru_nakagawa/)
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