上海のそこそこいい産婦人科医院に行きました

妊娠34週目、日本から帰国し、上海のそこそこいい産婦人科医院に妊婦健診に行きました。結論から言うと、プライベートなんざ、クッ〇もなにもねぇ。
先に言っとく、なんで日本で引き続き検診受けないと言うと、正真正銘のおじいちゃんおばあちゃんっ子なんで、大好きなおじいちゃんがもういない今、年寄のおばあちゃんがベッドに寝込んでて、日本に来ることは絶対ありえないので、ひい孫を見せるため、わたしが帰るしかない、との理由でした。
まぁ、ともあれ、行きましたよ、今日。しかも母が事前に何かしらの手段を使って、もう先生と約束を取ってました。袖の下かどうか知らんけど、なんやかんやで多分もう一般の流れより順調に行ったはずです。
朝9時病院到着。あらまぁ、立派な病院さんですよ。4階建て、広い敷地、なぜか一回の受付ロビーは四階か三階まで貫く吹き抜け。だが、看板は?看板どこやん?母さんに連れて行かれたから、母さんが先生に連絡して、4階だとわかって、4階へ向かう。
って、エスカレーター近くなんか謎のセレモニーの準備をしてるけど。はぁ、クッ〇でかい病院ではそういうのもやるんだなぁ、と感心つづ、4階へ。
4階到着。産婦人科のはずです。人混みが三連休の東京駅状態。朝9時やぞ?産婦人科やぞ?椅子とベンチが大量におるけど、やけに男性共が座っている、しかも携帯いじってる。その様子だと、おそらく一時間以上居座ってるやろう。しかもこれからも居座り続けるやろう。お前ら何故こんなところにいるんや、春節休み終わってんやん、仕事行ってなく何をやってんの。SNSで友達とこれについてツッコんだら、どうやら「ついて来ないと、嫁や嫁家族に叱れる。自分がただの種馬じゃないと証明するため来てる。来ても何も役に立たないけど」とのことらしい。なるほど、そういうことか、そんな感が方だったらうちの旦那なんざもう牢獄入りやないか、一緒に戻ってないし、年度末やから出産の立ち合いもする予定ないし、何ならパスポートの更新すらしてないけどーーそれもそれで確かにちょっとおかしいかもしれませんが。
まぁまぁ、ともかく4階到着。んじゃ次どこへ行くべき?母さんがまたその先生と連絡を取り、わたしは周りを見てました。ともかく座ろうとしないです。なんでいうか、なんか汚い気がするんですよ。ベンチや椅子からJR新宿西口のトイレの感じがしてて。そして看板の少なさよ。
受付に関しては、受付と同時にもうお支払いするらしいけど、でも受付はパソコンのやつと有人窓口のがあって、どこに行けばいい?わたしがウロチョロの間、母さんがなぜかいろんな部屋を探し回ってきました。どうやら先生に先に受付で払ってくださいと言われたらしいです。でもわたし初診やし、受付の窓口大量におって、どこに行けば分からないらしいです。母さんはとりあえずわたしに「座って待ってて」と言ったんが、いや、こっち座りたくないんだよと、一緒に窓口を探すことになりました。
その間かな、先一階で見かけた謎のセレモニーが始まりました。病院の関連施設の何周年のセレモニーらしい。エスカレーターはロビーと同様、4階まで吹き抜けなんで、MCお姉ちゃんの声が非常に通ってきます。感情込めて何か中身の内容を唱えて、疎らな拍手の声もあります。なんか懐かしい感じすらしました。大学時代、このような謎のイベントと空っぽなスピーチ原稿を大量にやりましたな。今考えると、ガチでマジで無意味。
セレモニーはいったん置いといて、こっちは何とか受付を見つかりまして、並ぶことになりました。まぁ、それはそれは、長い長い列ですよ。中国人の人口をなめちゃいけません。最近出生率が下がってるとかなんとか言ってるけど、受付見る限り、ないないない。
母さんと一緒に並んでましたが、わたしが払うわけじゃないから、ちょっと列からはみ出してました。すみません、はみ出しているわたしが悪かったです。でもそこまで強くぶつかってくる意味ありますかそこの種馬、失礼、男性の方よ。まぁ、見たら確かにもう片方が立ち話してる家族がいるから、ぶつかるならこっちのでしょうけど。でも一応妊婦ですけど?あ、知らないか。ないもんな、マタニティマークなんざの存在。見た目からわからんよね。ごめんね、こんな身長で後ろから全然妊婦に見えなくて。ぶつかってきたのが不本意でしょうね。ふーん。大人だから許しますよ。
受付終わってあの先生のいる大部屋に行きました。その時、一階の謎セレモニーがケーキを切る段階に入りました。うん?病院で?そんなに人いっぱいいるエスカレーターの近く、ケーキ?まぁまぁ、ベンチすらJR新宿西口トイレだからみんな気にしないっしょ。きっとそうです。
ともあれ、先生のいる大部屋。その大部屋はね、日本に通っているクリニックと同じサイズ感ですよ。さすがです。真ん中は丸い小さめの受付、受付にピンク服のお姉ちゃん(その後、そのお姉ちゃんたちがナースじゃなくて、「導医」と呼ばれて、ような案内係でこと)がいます。その受付の周りには待合室的な感じで、密度の高い人が待ってますーーちょっと待って、確かに先入口のところで男子禁止の注意書きがあった気がしますが、なんでここでもこんな大量な種馬…失礼、男性がいらっしゃいます?先生もナースさんも何も言わないですか?…でも確かに、女性専用車両に男性がいてもほぼ何も言わないですもんな。そんなもんか。
ようわからない状態で、先生の小部屋に呼ばれたわたくし。番号呼びじゃなくて、フルネーム呼び。まぁ、別に待合室全体で響き渡る呼び声じゃないけど、先生が部屋の中から地声で呼んでましたから、まぁいいか。うん、いいか。お前はただの一般人やし、名前知られてもどうでもいいでしょう。
入室ーー先生、扉閉まってくれてません?部屋の外なんかめちゃ並んでますけど?会話内容全部聞こえられちゃいますけど?うん…上海の友達が言ってました。中国人口多いから、お前ひとりの情報なんざ、誰か気になるって。なるほど、そういうことですか。わかりました。わたしだって適応度の高い中国人だから、慣れとしましょう。
と考えながら、日本の病院から出してもらった紹介状を出します。先生に先になんで紹介状の名前が本名じゃないと説明しようとしたら(紹介状上は通称名でした。本名の漢字が日本語にないので)、どうやら向こうが全く気にしない、というより、気付いてないらしい。うん、わたしだって、説明省けることができてよかったと思って、特に何を説明しようとしなかったですけど。でもまぁ、これだと、適当な別の人のものを持ってきても行けるやん?と少し心配しました。
先生が何を言ったか正直もう覚えてません。概ね、この検査やりましたか、その検査やりましたか、的な話でしょう。途切れ途切れ、「この検査は欧米は絶対やるけど日本ではやらないんだ」的なのが覚えてます。まぁ、それはどうでもいい話です。
色々問診終わって、小さい紙一枚が渡されました。「これからこれらの検査を受けに行け。終わったらまた戻ってこい」とのことらしいです。なるほど、全部が全部先生がやるわけにはいかないか。確かにそのほうが効率よさそうですもんな。んじゃ一個一個の検査を並びに行きますよ。
はい。一個一個の検査を、順番に、一個一個に、並びに。
先生が言いました。「午前中終われるといいね」と。時刻は10時過ぎ。
マジか、そんなに並ぶか。中国の病院って、時間かかるのが心の準備がしましたが、まさかそこまでとは。
ちなみに検査する項目はエコー、おりもの、尿検査、胎動(ようわからんが、赤ちゃんの心拍数を検査するらしい)、血圧、体重、心電図、それと一個聞いたことない護の字が入ってるやつーー記憶間違ってないであれば。
その小さい紙を持って部屋から出たら、例の導医のお姉ちゃんが来て、先にエコーに案内されました。
まぁ、待ちますよ。待ちますけど、なんで、エコー室、扉、閉まってないですか。ちょっと、列から、中の検査中のお姉ちゃんの足が、見えるけど。嫌な予感しかないですけど。
自分の順になって、入室。一緒に入ろうとするお母さんが外で待たせろと言われました。ああよかった、まともな担当だ、と思ったわたしが甘かったです。って、エコーでしょう、わたしだってなんかかのエコーを経験してきましたよ。怖くないですよ。でもね、担当のお姉ちゃんはね、レギンスがもうほぼ全部下げてるけど、なんでまだ「もっと下げて、もっと」と言い続けるんやろう?下半身全裸したほうがいいですかね?機械が日本の機械と違いますかね?ってかその手、しょっちゅう人の太ももに置かないでほしいですけど?テーブルじゃないですけど?終わったらキッチンペーパーみたいな紙をぽいって渡されてるのがいいですけど、自分でゼリーを拭きますけど、せめて、拭き終わって、レギンスと骨盤ベルトを直してから次の人呼んでくれません?私の携帯まだ検査台に置いてますけど?髪を直させてなんざ贅沢言わんけど?ね??確かに次の人も女性ですけど、そうですけど?ね?ね?
結局、お腹がびちょびちょで、骨盤ベルトが謎のようにぐるぐるしてで、もはや狼狽とも言える状態で紙一枚渡されて、エコー室を出てました。
次行ったのが血圧と体重検査。あれですよ、普段100未満のわたしですよ、見事に130台に行ってました。人の多さにビビらせたか、空気にやられたか、はたまた先ほどエコー室のショックか知らんが、ともかく130台ですよ。以前低すぎてもう一回測ってくださいと言われたことあるわたしですよ、130台ですよ。マジかよ。低いほうが普段の高いほうですよ。奇跡やんけん。
血圧と体重の数字はともあれ、次行ったのは隣の小部屋の胎動検査。なぜか並んでいる時、母さんから携帯(母さんの)が渡されて、基本情報を入力してと言われました。どうやらその病院のWeChatアプリらしくて、チェックイン機能やお支払い機能とかあるらしいです。見ろよ日本人よ。マイナンバーカードどうのうこうので騒いている時、中国ではもうWeChatに個人情報をガンガン入れてるぜ。人口が多くなると、単の一人の個人情報なんざ、クッ〇も何もない無価値だぜーーでもなぁ、これでさぁ、まさか毎回母さんと一緒に来るはめになるわけ?それもそれでストレスですけど。
全部入力終わったら(旦那情報省けました。書いてもしょうがないですし)ちょうど自分の番。母さん相変わらず一緒に入ろうとしまして、担当の先生に追い出されました。安心しようとしましたが、先のことを思い出して、スンって、部屋の鍵を掛けました。
まぁ、親切な先生ですよ、これから胎動を検査し、その後は尿検査行って、更にその後は戻って受付に導医になになにのベルト(もはや内容入ってないわたしですが)をもらってそのなになにの護のついている検査行って、全部終わってから最初の先生のところに行って、と。
さてと、検査始まるぞーの時、扉が開いた。なぬ?わたし、鍵閉まったんですよね???え???まぁ、入ったのが母さんじゃないです。最初の先生でした。最初の先生と今の先生がまるでわたしがいないように、「わたし先におりもの検査しますよ、その後の胎動をお願いします」的な会話をしました。
え?どういうこと?わたしは誰?今どこ?
のわたしでした。
とりあえず検査台に横になります。レギンスとパンツ半分脱いでね、と。いや、半分脱ぐなんでレベル高過ぎて、とりあえず全部脱ぎましたーー先のエコーと同時にやったほうがええやん?と思いながら。
検査台でまるで死んだ魚のようなわたしでした。先生の「赤ちゃんの心拍数ちょっと早いね」くらいしか覚えてませんでした。いや、そりゃ早いわ、わたしのほうがさらに早いわ。ビビるわ。いろいろと。
噂の胎動検査終わってから謎の容器に入ってる検体何個が渡され、検体の何かしらの窓口に渡してね、と。渡してから隣の尿検査窓口で容器をもらって尿検査してね、と。それ終わったら二階に心電図取ってね、と。
操り人形状態。検体の窓口に渡して、隣の尿検査窓口に尿検査の容器をもらいに…窓口にいるのが機嫌めちゃ悪そうなおっちゃんやけど?!もらいとか言っても、窓口にプラスチックの注ぎ口ついてる透明なコップとチュープが取りたい放題ですけど…嫌な予感しかしないですけど…ひやひやおっちゃんにどうやればいいのかと聞こうとする時、知らんおばちゃんが黄色い液体が入ってる透明コップが持ってきて、おっちゃんに怒られました。「チューブに入れてから持ってこい」と。あ、なるほど…なるほどですけど…
専門のトイレはない。通常のトイレを使う。和式。トイレットペーパーがない。検体を入れる小窓なんざ、夢の中の夢。プライドなんざ、夢物語。ちなみにハンドソープもない。でもハンドソープなんぜ、もうどうでもいい。トイレで自分で検体を取って、微妙に熱いチューブを握りしめ、あのクッ〇混む廊下を行きわたって、おっちゃんの目の前に診察券と一緒に置く。名前のシートとか一切ない。要は、おっちゃんが間違っても、調べようがない。
ああ、もうずたずた。
尿検査終わってから心電図。そういえば心電図どこだっけ…2階?ちょっと、今何階?4階?一緒の階じゃないのかい!大人だから、頑張ります。
十数人の列を待って、検査室に入ったらそこには絶望が待ってます。大きい部屋がカーテンで3、4個の個室が仕切られて、一つの個室には二人で検査を受けている。また、最低の考慮があるでしょうから、ベッドは端っこと端っこ。検査台に上って、担当のお姉ちゃんに催促されました。左足のレギンスを脱いで胸部を全部出せって。「そんなに急かさないで」と小言言ったら、「誰が急かしてるんだよ」と。はぁ、そうですか…先並んでる時わたしなんのためレギンスを直したのか。直さなくてもいいじゃん。
あの俗語なんちゅうでしたっけ。まな板の鯉でしたっけ。そう、わたしがその鯉です。鯉には考えが必要ありません。横になればいいです。指示通りにやればいいです。向こうの声どんだけ不機嫌なのかわたしには関係ありません。鯉には人間の言葉を理解できませんからね。
って、鯉がそろそろまな板から起き上がった時、謎のおばちゃんが現れた。すごく焦ってるようで「わたしの順番はまだ?わたし先一回飛ばされたが、わたしの順番は?もう一回飛ばされたらやってられないよ」と。
ちょっと、鯉は上半身裸やけど。まぁ、おばちゃんにはそんなことどうでもいいでしょうけど。
それから、その個室にいる先生二人と隣の個室の先生が相談して、「あんた、おばちゃんの番号呼んだ?」的な会話した後、鯉がまだちゃんと服を整えてない状態で、おばちゃんが先鯉が横になっていたところに貧相な胸を出しました。
2階でのショックを受けた後、ようやく最後のよくわからない護の入ってる検査でした。4階の大部屋の受付に戻って、導医に話して、「あそこの部屋で待ってろ」と、一人でクッ〇でかい部屋で10分ほど待ってました。導医のお姉ちゃんが入って、まるでわたしの空気のように、「誰もいないね」の後、「血圧高いね」と言いながら、謎のピンクのベルトを渡しました。「そうですね。高いですね」と棒読みの相槌して、謎のベルトを受けました。
「これ、何?」と言ったら、「あれ?やったことない?」と軽く馬鹿にされて、「手を挙げて」と、腰回りにつけてもらいました。
「20分やりますよー」と。
何か20分?はてなだらけのわたしでした。
そしてまたなんか赤ちゃんの心拍声が聞こえました。
たぶんわたしが寂しいと思ってるでしょうけど、途中一回音量を上げました。どうでもいいわ。わたし、残念ながら、元々赤ちゃんに対してそんなに愛をこもってなかったし、更に今なう、とりあえず早く生んで日本に逃げたいとばかり考えてました。
全部が全部終わって(少なくともわたしが全部終わったと思いました)、最初の先生のところに戻ります。コミュ力MAXの母さんが並んでる時どうやら別の妊婦さんと「4月生まれのWeChatグループ」について話してました。その別の妊婦さんの旦那さん(多分)が一緒にいます。うん、男性禁止のところに。
なんとか先生のところにたどり着いて、ようわからん説明を受けて(「胎動のアプリをダウンロードしてね、毎日二回、一回一時間赤ちゃんが動いたらボタン押して回数を計算してね」的なお話しか覚えてませんでした。なんでわたしの一日の大事の24時間に2時間も使わなければならんと思いながらうんうんと返答しました)、とりあえず、どうやら、「今日事前知らせ忘れたから朝ごはん食べたので血液検査できないです。来週月曜朝8時に朝抜きで血液検査となにやらのほにゃにゃら検査を受けに来てね」とのことでした。
そうでしたか、来週また来なければならないですか。朝8時。
先生とようやくバイバイしようとしたら、「血圧高いね、もう一回測ろうね」と、嫌々ながらもう一回測りました。
120台でした。
時刻13時、大部屋から出ようとしました。導医のお姉ちゃんに呼ばれ、「4月生まれのWeChatグループにあなたを追加するよ!」
さすがに限界になって、「要らん!」と答え、エスカレーターに逃げました。
どうやらその後、母さんがそのグループに追加されました。


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