ブランク
しくしくと積み重なっていく感情の置き場所がわからない。
片付けられないまま歪に重ねられた感情達の真ん中に取り残されたのは、私が愚かな怠け者だったからなのだろうか。
私の感情達が、私の手を離れたところで諍いを始める。言葉ではない雑音が静寂の隙間を埋めていく。
その諍いを横目に、差し伸べられるはずのない手のひらを、膝を抱えたまま今か今かと待ち続けている。
救われたい。
私はそのたった一つの願いさえ叶えることができない。
「 」
私はそのたった4文字さえ満足に口にすることができない。
弱い。心の底から認めている。この世に生まれ落ちた瞬間から認識し、理解してきたはずだ。弱い。なんて弱い。
ならばなぜ、私は今もここに留まる。
夜の底に居たい。ここから出たくない。太陽はの光は私の瞳を刺す。その痛みに耐えきれず私は瞼を閉じる。
さて、ここまで私は、何を求め、何を得て、何を捨ててきたのか。不意に怖くなって振り返った先、私の歩んできたはずの道にあったのはただのブランク。
どこまで目を凝らしても真っ白な空間だけが広がっている。
何もない。何もないのだ。何もなかったのだ。求めてきたものも、得てきたものも、捨て置いてきたものさえ、何もなかった。
欲しかったものも、諦めたものも。
何も。
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