ベンチャーは成長できるという妄想

最近新卒と話すことが増えた中で、
このような質問をよく受ける。

“安定の大手”か”成長できるベンチャー“かで迷っています。

まずこれに対しての私の回答は

かぁ〜〜〜〜〜〜
一問一答で動いちゃいねぇんだ世の中は!!
青二才が!!!

です。

なんでもかんでも分断を作って二元論で物事を測ろうとするのは人間の性質なので気持ちはわかる。
ただ、あまりにも考え方が安直すぎないか?とも思う。

このような質問が生まれる原因は、社会に対しての幻想を持っているから。
地に足がついていなく、等身大で物事を見れていないのだ。

大手に入れば一生安泰と思っているし、
ベンチャーに入れば無条件に成長できると思っている。

そんなわけないだろ。
リストラしまくり早期退職促しまくりで安定してない大手企業なんて腐るほどあるし、
人手が足りていなく業務時間の9割事務処理で成長もクソもないベンチャーも腐るほどある。

同じカレーライスでも甘いものから辛いもの、チキンが入っているものからビーフが入っているもの、
色々あるだろ。
企業だって同じ。
新しい取り組みを積極的に取り入れて攻め続けている大手企業もあれば、
日本古来の風習を大切にしているベンチャーもある。

なんなら同じ会社内でも部署によって大きく風土が違うこともある。
営業部は保守的だが、技術部は前進的みたいな会社も山ほどある。

大手かベンチャーか議論なんて何の意味もない。
考えてるふりだそんなもん。
楽しようとせず一社一社としっかり向き合え。

じゃあ具体的にどうすればいいのかという話になるが、
自分が一番欲しいものは何か考えろ。

自己成長か、お金か、安定か、はたまた休日か。
ここが明確になったらその選択肢の解像度をさらにあげろ。

おそらくこのノートを読んでくれている人は自己成長を求めている人が多いと思うので、
自己成長を例にして考えてみる。

まず考えるべきは初めの3年で具体的にどう成長したいのか。

スペシャリストとして専門性を高めたいのか、
早い段階からマネジメントスキルを磨きたいのか。

ビジネスマナーや社内コミュニケーションなど基礎的な地盤を固めたいのか、
タスク処理速度を上げて自分のキャパシティの拡張をしたいのか。

成長一つとっても、軽く考えただけでここまで細分化できる。
そしてここまで考えてやっと大手かベンチャーで分類する意味が出てくる。
完全に二元論で語れないとはいえ、やはり分類は偏ってくる。
つまり企業を探しやすくなるのだ。

例えば、
スペシャリストとして専門性を高めたいのであれば、
自分の仕事だけに集中しやすい完全分業の大手から探せば良い。

早い段階からマネジメントスキルを身につけたいのであれば、
成長しているがゆえに役職者が足りていないベンチャーを探せば良い。

※管理職が足りていない大手はいいとこ取りでは?
と思うかもしれないが、
大手の人的リソースで管理職が足りていないということは誰もやりたがらないという事だからおすすめはしない。

ビジネスマナーや社内コミュニケーションなど基礎的な地盤を固めたいのであれば、
研修制度の整っている大手から探せばいい。

タスク処理速度を上げて自分のキャパシティを拡張したければ、
勢いに乗っているスタートアップでハードワークすればいい。

※高級レストランで野菜の切り方からみっちり教わるか、
大衆居酒屋でいきなり調理スタッフを任せられるかどちらがいいかと考えるとわかりやすいだろう。

ここまで読んで、
初めから大手、ベンチャーとひとまとめにして議論することがいかに馬鹿げているかわかってもらえただろうか。

ここまで話してなお
それで結局大手かベンチャーどちらが良いですかね?
と聞いてくる大バカ者がいるので細かいことを無視してあえて二択に回答をしておく。

A.大手かベンチャーか迷って人に聞くようなやつはベンチャー向いてないから大手行け。

って回答は余りにも投げやりすぎるのでもう少し真面目に回答する。

A.上司からの
“なんとかして”って指示をプラスに取れるならベンチャー。

もう少し具体的に言うと、
”なんとかして“という指示を聞いたときに
お、自由にやっていいんだどうしよっかな!とポジティブに取れるならベンチャー。

逆に、
なんとかしてってなんだよもっとちゃんと指示してくれよ、、、
と思うなら大手の方が多分働きやすい。

ただ、これはあくまで無理矢理二元論に回答しただけだから全てのケースに当てはまるわけではない。
やはり自分の求めるものは何か考え、一社一社企業としっかり向き合うことが必要なのだ。

安易な二元論で考えて就活した結果、
こんなはずじゃなかった、、、、と新卒カードを無駄にしてしまう学生が1人でも減ることを願う。


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