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著者の強い思いというのは、時を超え神秘的ですらある


みなさん、こんにちは。

人生100年時代の哲学を考察する Life100年研究所の 加藤 虎之介 です。

最近読んだ本からの話。

幕末の日本に、スイスとの修好通商条約締結のために来日したエメェ・アンベールさんによる幕末日本の紹介本です。

上記の説明だけだと非常に簡単になってしまいますね。(笑い)もう少し詳しく解説します。

幕末の日本ですから、アメリカやイギリスなどと不平等条約を結ばれたということで日本自体(特に武士階級たち)が非常にピリピリした政情というのが当時の社会環境です。そんなピリピリした日本社会でありながら、オランダと共に日本との交易権を有利に獲得しようと奔走していたスイス人がエメェ・アンベールさんです。

エメェ・アンベールさんは日本社会を見て興味を持たれるのです。本書を読むと西欧とは全く異なる文化・社会制度に時には批判的、またある時は褒め称えたりと非常に冷静に日本社会と西欧社会を見比べていることがよくわかります。しかも、この怜悧な推察と考察は現代人が今読んでも非常に示唆に富んだ内容になっています。

私は本書の日本考も面白いとは思ったのですが、それ以上に興味を持ったのが本書が日本に紹介されるに至った経緯の方です。

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