原点のひとつ。

作家・宗田理さんの訃報が届きました。
戦前産まれの作家さんなので、そう遠くないとは思っていましたが、それでもやはり、ショックはショックで。
小学校の頃から『ぼくらの七日間戦争』をはじめとするシリーズを愛読していました。
太平洋戦争から半世紀となった1995年、自分は高校生。
そのタイミングで読んだのが『雲の涯 中学生の大平洋戦争』という一冊でした。その裏書きには、こう書かれています。
 
昭和20年8月7日、豊川海軍工廠はわずか26分間の爆撃によって壊滅、2500名を超える爆死者が出たが、その中に、450名以上もの若い学徒が含まれていた。彼らはどう生き、どう死んだのか。
当時、地元の中学生であった著者が様々な貴重な証言、資料を集めて、必死に生きようとしていた彼らの青春の日々をたどった、感動的ノンフィクション・ノベル。
広島、長崎の原爆投下日にはさまれ、世に知られなかった大惨事を初めて明るみに出した重要な戦争記録でもある。
 
 
この作品の冒頭に登場する名古屋市に、自分が定住するなど、全く想像もしていませんでした。
宗田さんの作品の根底に流れるのは、徹底した反戦主義であり、人道主義でした。
長い間楽しませていただいて、ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。

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