【考察】4期生合流の前に思うこと

2019年は激動の年

まさに今、乃木坂は過渡期である。

4期が加入し、そう遠くないどこかで合流する。

橋本奈々未の卒業と3期生合流が行われた2年前の5thバスラの時と同様。いや卒業していくメンバーの数と既存メンバーの年齢が2歳上がったことを考えれば、その時を遥かに凌ぐ大きな変革の時期が来ていると言えよう。

2年前で言えば『インフルエンサー』の時期。ここで運営が切ったカードは21人選抜だった。来るべき3期選抜入りの前に、樋口日奈と寺田蘭世を初選抜。そして斉藤優里と中田花奈の非常に久しぶりの選抜復帰もあった。

今にして思えば、次の『逃げ水』での3期「よだもも(=与田祐希と大園桃子)」抜擢の前にこの4人に報いた采配だったのである。

アルバム発売がアナウンスされたが、毎年恒例の春シングルはまだ発表されていない。場合によっては次のシングルは夏になるのかもしれない。
とすると2年前と同じスケジュールであれば、最速で次のシングルから4期生が選抜入りするということになる。
2期3期と同様、サプライズセンターという様々なしがらみを残す悪手がまた繰り出されるのかもしれない。まあ3回同じことをやったら何のサプライズでもないと思うが。

できることなら『インフルエンサー』の時と同じように、4期生合流前に既存メンバーに「いい目を見させる」シングルを1枚挟んでほしい。


こういうことを言うとすぐに「卒業待ちのメンバーに貴重なリソース割くとかアホか」的な反対意見が出てくることだろう。
選択と集中の原則、それも重々承知している。

ただ、今一番怖いのは何か考えてみてほしい。
たぶん白石麻衣と生田絵梨花の卒業ではなかろうか。

それの何が怖いのか。
乃木坂が、乃木坂でなくなってしまう気がするからだ。

やっぱ乃木坂だな!

じゃあ、乃木坂ってなんだ。

このふたりに限らず、メンバー同士が気を緩めてイチャイチャしている姿。
メンバー同士の信頼関係。そして外仕事が多い中、グループに戻った時の圧倒的なホーム感。個人的にはこれこそが今の乃木坂の良さであり、何年も追い求めてきた「乃木坂らしさ」の答えだと思う。

「やっぱ乃木坂だな!」としか表現のしようがない、あの空気。

いつかふたりが卒業しても、これが残っていればきっとファンはついてくる。

あの空気感の元になっているもの。
それは前に立つ者が後ろにいる者への敬意を持ち、感謝を忘れずにいること。そして後ろにいる者は前に立つ者の重圧と不安を思いやること。

1期生たちは互いへのリスペクトを長い時間をかけて育んできた。それはグループが大きくなるまでの苦難の道のりを共に歩いてきたからこそ生じたものでもあるだろう。
そして3期4期は既に大きくなった乃木坂に憧れて入ってきた。だからこそ、誰かを支えることの価値を自ら経験する場を、運営サイドがお膳立てしてあげるべきではないだろうか。

3期生のよだももと久保史緒里、山下美月そして梅澤美波の5人はこのままいけば福神に定着するだろう(久保は体調の安定が必須であろうし、福神の人数次第でもあるが)。
さらに4期生の中でも飛び級でセンターや福神に入るメンバーが、それも何人も出てくるのはほぼ間違いないところだろう。

しかし階段を1段ずつ上ったり下りたりしながら自身の価値を高めていく、そんなメンバーも絶対に必要だ。そしてアンダーメンバーが希望を持って活動できることも。

だからこそ、4期抜擢の前に既存メンバーに光を当ててほしい。そう強く思う。


誰かが輝く時、それを輝かせる誰かがいる。

そんなことは気づきもしない生まれつきのスターもいるだろう。知らないからこそ出せる強烈な輝きもあるのだろう。

でも、誰かを支えたこともない人ばかりのグループなんて、どんなにビジュアルが良くてもきっと醜い。

乃木坂がこれからも美しいグループであり続けることを、心から願っている。

「思い出選抜」の是非

この記事を書いている最中に、伊藤かりんが4thアルバムをもって卒業することを発表した。彼女の乃木坂人生において選抜入りは結局かなわなかった。

かつて(凄く嫌な呼び方だが)「思い出選抜」と呼ばれていたお試し選抜枠があり、10枚目シングルまで在籍した1期生は全員一度は選抜入りした。
しかし2期生に対して同様の措置はなく、現時点でかりんだけでなく伊藤純奈・佐々木琴子・山崎怜奈・渡辺みり愛の5人は選抜を経験していない。

21人選抜を続けるのであれば「思い出選抜」復活してもいいんじゃないか。最近はそう思っている。
いや、むしろ4期生との融合が進む期間だけでも敢えて21人選抜にしてその枠を設けてもいいのではないだろうか。

乃木坂が、乃木坂であり続けるために。

(2019年03月22日)

追記

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激動の年となった2019年の乃木坂46を、筆者自身が現場で見聞きし感じたレポートを中心に描き出します。

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