【考察】コミュ力で支えた93年組

メンバーをつなぐ接着剤

乃木坂を語るにあたり用いられる「くくり」には様々なものがあるが、代表的なものがシングル曲の歌唱メンバーである「選抜」とその選に漏れた「アンダー」。
そして伊藤かりんの項で書いた「所属軍団」、さらに加入時期による「1期2期3期4期」また学年による「~年組」と続く。

斉藤優里と伊藤かりんは共に93年組。在籍メンバーでは秋元真夏と高山一実というバラエティ番組に呼ばれるふたりが同学年。かつてインタビューで「コミュ力の93年組」と表現された猛者ぞろいである。

控えめで人見知りなメンバーでも居心地が良く、孤独にならない空間。
そんな乃木坂の良さは結成から8年近くもの歳月をかけて育まれてきたものではあるが、93年組のコミュニケーション力による貢献もきっと小さなものではないはず。

前述の記事の中で言われていたのが優里とかりんは「積極型」。自分から見知らぬ人とコミュニケーションを取りに行ける、乃木坂には少ないメンバーとのこと。
ちなみに高山は誰にでも優しい「全方位いい人」、秋元は後輩の面倒見がいい「役割発揮型」という分析だった。

高山の醸し出す穏やかな雰囲気や秋元が上手に後輩を励ます姿は冠番組などでもおなじみ。笑顔を絶やさない彼女たちは乃木坂の雰囲気の良さを象徴する存在と言えよう。

そして優里とかりんは持ち前の積極的なコミュニケーションで接着剤の役割を果たしていた。

選抜とアンダーを、1期と2期を、そして3期をつないできたふたり。


大きく話が逸れるが、これを書いていて思い出したのが大昔の『乃木坂って、どこ?』運動会企画。

競技に勝って喜ぶメンバーの輪に入れず所在なげにしていた柏幸奈(学業優先で乃木坂の活動にあまり参加できていなかった)を「聖母」深川麻衣がごく自然に手招きして一緒に喜ぶ、乃木坂と深川の良さが垣間見えた名シーンがあった。

タイプこそ違うが、ふたりはあの時の深川のようにメンバーに手を差し伸べてきたのではないだろうか。

例えば優里は性格的には対照的なイメージのある西野七瀬と大の仲良しだった。

一匹狼的な印象を与える西野。そんな彼女の心を乃木坂につなぎとめていた要素のひとつに、優里(そしてスイカ)の存在があったのかもしれない。
「スイカに入って人生変わりました」と言わされた時の西野は本当に楽しそうだった。

そしてかりんは将棋界と乃木坂までつないでみせた。

2019年3月に放送された『坂道テレビ』で棋士の中村太地に「乃木坂には品がある」と言わしめたのは、もちろん彼女の功績が大きいだろう。きっと外仕事で乃木坂の看板を背負って、立ち居振る舞いに気を配っていたことと思う。素晴らしいとしか言いようがない。

「しあわせになった人が 手を差し伸べる番だ」

この先、ふたりと同じ役割を担えるメンバーは出てくるのだろうか。

伊藤純奈はコミュ力も高く期を跨っての人望もありそうなので適任だが、たったひとりのスイカになってしまった彼女にその荷まで負わすのは少し酷な気がする。
(スイカも犬メンのように卒業後も集まる関係が続いてほしいものである)

3期や4期でふたりのような積極型がいるだろうか。

岩本蓮加はコミュ力高そうだが、皆より年齢が下なのが少し気にかかる。
となるとお姉さんの吉田綾乃クリスティーに期待したいところ。しかし彼女のコミュニケーションは焼肉に偏っているのが難点である。
4期では個人的には金川紗耶にその雰囲気があり期待している。コミカルに振り切った演技を見せた『3人のプリンシパル』の印象だけなのであるが。

運営がそういう子を選んでいるのか、乃木坂に憧れて入ってきたから本人たちが寄せているのかはわからないが、3期4期もどちらかと言えば控えめな子が多そうに見える。

でも、大丈夫。

きっとこれまでふたりに助けられてきた誰かが立ち上がる。
そして今度は別の誰かのために手を差し伸べることだろう。


今はただ、ゆったんとかりんちゃんがこれまで果たしてくれた役割に感謝を伝えたい。

ありがとうございました。

(2019年05月12日)

追記

93年組の残るふたり。その後、秋元真夏はキャプテンになり高山一実は『Qさま』で司会を行なうまでになりました。コロナの影響で色々読めなくなってはいますが、卒業までは多少時間がありそうです。

現時点の卒業発表(=白石麻衣と中田花奈)を踏まえると92年組は松村沙友理だけ、94年組はとうとう誰もいなくなり95年組も吉田綾乃クリスティーただひとり。
もはや生田堀北野世代の96年組がほぼ最年長という…時は流れるものですね。
(「91年組」に触れていないのはわざとです笑)

「接着剤の役割を果たすメンバー」については少し見えてきた気がします。

伊藤純奈は相変わらずモテモテ。そして久保史緒里の百方美人ぶりも後輩ができてますます加速しているようです。

岩本蓮加は最年少同士の(そしてギャル度も近そうな笑)筒井あやめだけでなく、遠藤さくらとも仲良くなっていたのでコミュ力は本当に高そうです。さくちゃんが懐いていたのは正直驚きました。

4期生ではどうやら田村真佑にその役割を担うだけの能力がありそうですね。
あのフワッとした感じで先輩にも普通に話かけられるようですし。

賀喜遥香は同期や後輩には強そうですが、真面目過ぎて先輩にはあまり行けない梅澤美波と同タイプっぽいですね。

しかし個人的にはコミュ力最強は清宮レイではないかとにらんでいます。

快活でガンガン行くのに性格の良さがにじみ出ているから嫌味じゃない。
46時間TVでも期を問わず様々なメンバーの電視台に参加していました。

れんたんとレイちゃんのふたりが積極型のコミュニケーションで引っ込み思案のメンバーに手を差し伸べ、グループの輪の中に招き入れて…ないしは引きずり込んでくれるのではないかと期待しています。

(2020年07月28日)

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