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【小説】ヒロと僕とポール

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「犬がしゃべったかて、別に世界が変わるわけやあらへんやろ」 しゃべる柴犬と聞き上手な女友達と僕の、通いそうで通わない心。 ほのぼのしているのに切なく、悲しいのに暖かい。 そんな…
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記事一覧

ヒロと僕とポール

> 一 六月の雨とエセ関西弁

SoL
4年前

一 六月の雨とエセ関西弁

 ポールは柴犬だった。 「でもそうは見えないね」と僕が言うと、ポールは怒って 「失礼な奴…

SoL
4年前
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二 いつものミルクティーと四年ぶりの彼女

 ヒロと再会したのはポールと出会ってから十日ばかりたったある日のことだった。  その日も…

SoL
4年前
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三 存在としての「しゃべる犬」

 ポールはとても用心深かった。初めて僕に話しかけてから、次に口を開くまで実に二週間を要し…

SoL
4年前
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四 トーク・アバウト

 四年ぶりの再会以来、僕とヒロはちょくちょく会うようになった。会うといってもどこかに遊び…

SoL
4年前
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五 夏は過ぎ、彼のいない日々

 僕とポールはいつも最初に会ったのと同じ公園で話した。僕はたいてい彼に食べ物を持っていっ…

SoL
4年前
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六 滑稽な僕たち

 結局僕はヒロにポールのことを話した。彼が関西弁を話す老いた柴犬だということ。その無愛想な態度。突然彼がいなくなってしまったこと。そして僕が何となく彼を好きだということ。  ヒロは僕が話している間ずっと僕の右斜め後ろの壁を見ていた。 「信じられる?」僕は彼女に尋ねた。 「私はあなたを知ってるから、信じるわ」  そう言いながら彼女はグラスに残っていたビールを飲み干した。 「でも」まだ壁に目をやりながら、ヒロは続けた。 「きっと、彼がいなくなったのはあなたを元の世界へ

七 そこにあるもの

 一月後にポールはあの公園に戻ってきた。彼は全身傷だらけで、疲れ果てているように見えた。…

SoL
4年前
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八 すべての人に慰めを

「まず最初に言っとくけど」とヒロは切り出した。 「世の中には答えのない質問や解決策のない…

SoL
4年前
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九 ソウタイセイリロンの罠

 夜の公園で僕がソウタイセイリロンについて話すと、ポールは下を向いて悲しそうに笑った。 …

SoL
4年前
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一〇 想像してごらん

 僕は、ヒロにポールの言葉をそのまま伝えた。でも、彼女は表情ひとつ変えなかったし、何も言…

SoL
4年前
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一一 空へ

「ライフワーク?」 「うん」 「そんなたいそうなものはないわ」 「そっか…」  でもポー…

SoL
4年前

一二 ヒロと僕

 それで、僕はヒロに自分の見た夢の話をした。 > 一三 僕とポール

SoL
4年前

一三 僕とポール

 だから、僕はポールに自分の見た夢の話をしたんだ。 > 一四 ヒロの分析 ~僕の望み~