Joni Mitchell（ジョニ・ミッチェル） / Both sides now(邦題 青春の光と影)

「人間のパワーを感じる」

この作品はジョニ・ミッチェル2作目のオリジナルアルバムである
「Chelsea Morning」や「Both sides ,now」などが収録されている

Chelsea Morningはアコースティックギターと歌が勢いよく前に飛んで行って
良いテンションに包まれた曲である後半に入ってくるコーラスも気持ち良く
朝起きた時に捻くれずただ真っ直ぐに聞けば心地良い一日を始められる曲だと思う

Both sides ,nowは悲しい曲だけど希望の曲だと思う
気を抜いて聞いてしまうと悩みが顔を出して頭の中をグルグルと回ってしまうが
自分が生きて行くことに限りを知ってもそこからやれることが必ずあると
最後には心を起こしてくれた今この瞬間にこの曲を聞けたことが誇り高かった

Both sides ,nowが作品を締めくくってくれて救われた
他の曲だとI don't know where I standが心に残っている
ギターの旋律が美しく曲の展開は裏切りながらも心を突く

歌に芯があるから導いてくれて印象的なアルペジオも心地良かった
なんて事のない曲に見せながら凄い曲で下手にカヴァーしたらダメな曲である

何というか時代の始まりのような作品だと思う
新しいことを始めたみたいな浅はかなことではなく

人間として冷静さを与えてくれる曲が並んでいて
彼女がこの時代に生きているとその時が来たと印象付ける一枚になったと思う

実直であるがゆえに鳴ってる音に温もりと豊かさがあって
気持ち悪いけど気持ちいいポップスに仕上がっている

孤独ではあるけど独りよがりではないのがこの作品を支えていて
今の日本に合うのかは正直分からないが
ミーハーというものが曖昧になってきたからこそ合うのではないかと感じている

人間のパワーを感じる
自分のタイム感があって数値化できない自然であるからこそ芸術的で唯一である
シンプルな音作りで複雑なことをしてやろうというようなことは感じられない

しかしどこにでも転がっているものではなくこの作品だからこそ見れる景色がある
それはきっと彼女が一人の人間としてこの作品にぶつかったからこそなのだろう

この作品は迷いに答えは与えないが意味に気づかせてくれるはずだ
是非聞いてもらいたい一枚である

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