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祖父刀③ 祖父の刀に付いている鎺。よく見ると意外に洒落ていた

祖父が生前(と言っても30年も前だが)大切にしていた刀。
今回はその刀に付いている鎺(はばき)について調べた所、洒落た工夫をしていた事が分かったので書こうと思います。

祖父が生前大切にしていた刀
鎺(はばき)

以下の通り、普通の銀着せ(銅の下地に銀をかぶせている)です。
二重鎺っぽく見せていますが一重鎺で、よく見ると金が隙間に埋め込んだような細工がしてあります。

金を埋め込んだような細工が。これは何を表現しているのだ?


このまばらに埋め込まれた金について、正直な所見た目が良いわけではなく、当初は経年で剥落したのか?とも思ったのですが、明らかに特定の位置に意図的に埋め込まれています。
ひとまずこの鎺のデザイン(名称)を調べていたところ、以下の「刀剣白銀koji」さんのツイートに同デザインの鎺がアップされていました。

どうやら「牡丹祐乗鎺」というものらしいです。
調べてみると、凹凸で牡丹の花を表現し、祐乗鑢を掛けてあることからこのように呼ばれているようです。

そこで先ほどのまばらに入っていた金の意味が何となく分かったような気がしました。
もしかすると牡丹の花の雌しべを表現しているのではないか。

(画像出典:贈り物・マナーの情報サイト しきたり

そういう視点で改めて鎺を見てみると…

おお、花が咲いているように見える…!

金が入る事で牡丹の花が強調されて咲いているようにも見える、気がする

あくまで私の仮説でしかないですが、高価な金をふんだんに使う事は出来ないものの、あえて金を入れる事で少しの華を持たせようとしたのかもしれません。祖父が誂えた鎺かは分かりませんが、堅実ながらも見栄を張りそうな祖父の性格に合っていそうな鎺に感じ、また一つ祖父を身近に感じる事が出来ました。
祖父は30年も前に他界しているので直接的には話せないですが、物を通して伝わってくるようで嬉しいです。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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