OMOTENASHI SELECTION受賞!
本日12/1。製作した刀展示ケースが
OMOTENASHI SELECTION 2020
を受賞しましたー!!
世間一般的にはまだまだ危険な武器という認識を持たれている日本刀というジャンルで受賞出来た事はとても嬉しく、ここまで続けてきて良かったと思えました。
受賞サイトは以下から確認できます。
今日は午前中授賞式典でしたが、コロナの為ZOOMにて開催。
届いた賞状をケースに飾りながらみました。
①OMOTENASHI SELECTIONとは
(上記サイトより一部引用)
おもてなしセレクションは、日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードです。
ANAや日本郵便、日本通運をはじめとした民間企業20社以上で運営しており、認定に際しては、日本在住の外国人有識者15か国30名による現物審査と日本人専門家によるクオリティチェックを実施。
使う人を思いやる心から生まれたこだわりの技、伝統を継承しながらも現代に向けて改良を重ねる創意工夫の活動を「OMOTENASHI」「GLOBAL」の基準で評価。
「世界に発信したい“日本ならでは”の魅力にあふれている」と認められた対象を、おもてなしセレクション受賞商品・サービスとして認定しています。
(画像転載元:https://omotenashinippon.jp/prize/about/)
②受賞プロセス
1次審査として書類審査があります。
これを通過後はメディア関係、大使館関係など世界15か国30名の在住外国人による現物確認や、日本人専門家によるクオリティチェックがあり審査選定されます。
それを経ての受賞となりました。
③刀展示ケースを見た海外審査員の声
審査時のコメント(刀展示ケースを見ての感想)を別途頂きました。
これにより自分の製品が海外の方の目にどう映るのかが分かります。
以下の様なコメントを沢山下さり、私としても嬉しいです^^
一部ご紹介します。
まず良い意見。
オーストラリア男性
「これぞ、⽇本のデザイン⼒と細部へのこだわりの極みです。⽇本の伝統工芸品や武器を展示するために作られているので、⽇本そのものを表した製品だと思います。」
・イギリス男性
「どんなリビングにも映える⾼品質なショーケースです。デザインに多くの時間と労⼒が費やされているのが⾒て取れます。⾃分の⼑剣を⾒せびらかしたいけど、それをする⼿段がないという⼑剣コレクターにとっては、とても魅⼒的なアイデアだと思います。照明がとても良いですね。」
・スウェーデン男性
「⼑のように貴重なものは、大切に飾っておくべきものだと思います。このアイテムは、そのようなニーズに応えながら、会話のきっかけを作ってくれると思います。スマートで魅⼒的、そしてデザイン性に優れていると思います。」
・オーストラリア女性
照明の調整といった細部へのこだわりや仕上がりの完成度は、これぞ⽇本という品質です。
スウェーデン男性のように、「会話のきっかけを作ってくれる」というのは私もこの展示ケースに可能性を感じている所です。
刀を見ながらもっと日本の歴史について興味を持ってもらいたい。
そんなきっかけにもなると嬉しいです。
将来的には和食レストランやホテルなど日本の思い出を作れるような場所にも置いてもらえると嬉しく思います。
因みにコメントは以下の様なシートで頂けます。全部で6枚あります。
その内の2枚が以下です。
一方このような声も。
・アメリカ女性
「値段が高いのと、刀は日本からの出荷がかなり難しいので一般の人が手に入れるのは金銭的にも物流的にも難しいでしょう。実現は難しいけれど憧れのアイテムという感じ。」
・アルゼンチン女性
「ハイエンドユーザーか法人向けしか使えない」
・ブラジル女性
「価格は高すぎますが、商品の良さはよく理解できます」
マイナスな意見は全て価格に対する事(価格が高い)、ニッチで購入層が限定される事でした。
価格面についてはごめんなさい。
これが出来る限りです。
材料費や電飾、漆でかなり切迫してます。
電飾類は美術館用の物を使用していますし、材料の加工や漆塗などは専門の方に依頼しているのでそこでも費用が掛かってきます。
でも考えてみて下さい。
一振300万円とか1000万円を超えてくる刀を1万円くらいのアクリルケースに入れる勇気はありますか?
刀身保護の面でもそうですが、刀という高価なものを何も考えずにアクリルケースに入れるだけだと、刀との完成度のバランスが取れず全体が安っぽくなります。(しっかり空間ごとデザインして照明も綺麗に当てれば別です)
そしてアクリルケースが一番致命的なのは頻繁に展示物を取りだすことを想定して作られていない事です。
刀は手に持って初めて良さが100%分かるもので飾っているだけではやはり100%良さは分かりません。
なので私の作る展示ケースは全て鍵を空ければ簡単に刀身を取り出せるようにしています。
これはなるべく刀を触って欲しい為にしている事です。
ただのアクリルケースでは日々の鑑賞のしづらさ(刀を手に取る手間が多い事)から刀を飾る事をやめてしまうと思います。
そんな事を考えながら作っていくとコストが上がっていくんです…
とはいえ、実際は刀箱漆よりも価格を落とした、「卓上シリーズ」も用意しています。
それがこちらの2種。
壁にも掛けられるようになっています。
この卓上ケースの方は刀箱シリーズの約10分の1の価格で製作可能です。
(大:14万円、小:9万円 税抜)
これは外装の素材は同じ頑丈な鋼板を使いつつも、なるべくシンプルな構造にして部品数を減らしたりして機能を損なう事なく価格を下げています。
鑑賞用のライトが付いていない(市販のライトは付属)のも安く出来る要因の一つです。
因みに高いという意見は女性の方が多く、男性は値段よりも品質部分にコメントが付いていた印象です。
市場がニッチなのは言うまでもありません。
④受賞後の販路サポート
受賞をすると国内外で販路開拓を手伝ってもらえます。
例えば、日本で最も歴史のある英字マガジン「Tokyo Weekender」への掲載や、シンガポールへのコワーキングスペースへの展示、ニューヨークの「J+B Design」での展示販売、北米バイヤー向けのオンライン展示会への出品などなど。
また国内でも大丸やSEIBU、そごうといった百貨店にて展示をサポートして下さるらしいです。
刀という商品を扱う都合上展示が叶わない場所も多いのですが、将来的にそういった場所で刀を展示出来る機会が生まれ、多くの人に日本刀の美しさを伝える事が出来れば嬉しく思います。
(画像転載元:https://www.tokyoweekender.com/product/tokyo-weekender-magazine-february-2018-issue/)
⑤終わりに
物を作って満足するだけでは誰にも知って貰えないし、作った物が誰かの役に立つこともありません。
知って貰う作業は物を作るのと同等かそれ以上に大変な作業だなとしみじみ感じます。
日本刀を飾る展示ケースは人の目を引く一方、飾る商品の特性上(世間一般的に日本刀は危険と思われている)から展示会やデパートへの展示など了承を得られない事も多いです。
その中で多くの人にどうすれば刀の美しさを知って貰うことが出来るかはやはり頭を悩ませます。
考え付く事の一つはこういった展示ケースを地道に作り、部屋に刀を飾る人が増えてそれを見た人が更に刀に興味を持ってくれるという連鎖を生み出す事。
もしこの記事を読んで下さっている方々の周りに部屋に刀を飾りたいという方がいれば、私のような人がいる事を是非伝えて下さると嬉しいです。
刀剣乱舞や鬼滅の刃のように一気に大きく認知を拡げる事は出来ませんが、自分自身の出来る範囲で少しづつ刀の良さを伝えていければ嬉しいです。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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