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刀装具の市場規模について

刀装具がアート界隈で注目され、刀剣以上に需要が広まる時代がもし今後来るとしたら一体刀業界はどうなるだろうか。
刀装具の価格が上がるとき刀の価格も連れて上がるのだろうか。
刀装具は刀とは違い武器としての特性を持ち合わせていない事から刀よりも親しみ持たれやすい可能性もあり、もしかすると刀装具の人気がある時急に爆発的に上がり刀身側の価値が再評価されるという逆の流れが起こる可能性もあるかもしれない。

値上がり目的で刀装具を持つことほどつまらない事はなさそうであるが、好きで集めていて刀装具の人気が高まり愛好者が今よりも増えるのなら嬉しいものであろう。

さて、そもそも刀装具の市場規模はどのくらいの大きさなのだろうか?
世界のアート市場の規模と比較すれば何となく規模の大きさなども分かるかもしれない。
たまたま思い立ったので概算ではあるが算出してみようと思う。


①刀装具の愛好家は少ない

因みに刀装具と言えば鐔や目貫、縁頭、小柄笄など、拵に付いているいわば実用を伴った装飾品を総称してそのように呼んでいるが、単体でも美術品として密か?に愛好家の間で楽しまれている。

小柄(上)、笄(下)

しかしその愛好家の数は非常に少なく、同好の志を見つけるのは容易ではない。
刀装具の鑑賞会や勉強会に行っても毎回同じような顔触れで、年齢層も50以上の男性が圧倒的に多い。
ただ少数であるが若い人もいるにはいる。
SNSでも刀好きは多いが刀装具好きは刀好きに対してあまり多くないように見受けられる。
美術館に行っても刀の前は人だかりが出来るが、刀装具は夏雄であろうと、祐乗であろうとあまり人が居ない。
夏雄や祐乗は刀で言えば正宗や虎徹位に有名な金工であるが、誰それ?となる人も多いはず。

刀装具はルーペで見ないとなかなか分からない細かさもあり、ガラス越しに見ても凄さがいまいち分かりづらいというのも1つ凄さに気付きにくい側面もあるのかもしれない。

目貫


②刀装具の現時点での市場規模

さて刀装具の市場規模はどのくらいだろうか。
市場規模はここでは「流通数×販売価格」として計算する。

・販売価格

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