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成木鐔⑤甲冑師写

成木鐔がまた一枚増えました。
前回信家写しの鐔が手に入り大満足していたのですが、成木さんの企画展の本を読んでいると成木さんの製作していた鐔に実に多様な作風がある可能性を感じ、一成さんの鐔が他に無いか探していたところ、銀座長州屋さんに甲冑師写しがあるとの事でお伺いしてきました。

東京銀座という一等地にある銀座長州屋さん
成木一成さんの企画展の本

上記本に記載ある通り、成木さんは全国各地で砂鉄を集め鐔を作られているので鉄味が違う物が多数存在していると考えられそうです。

(出典:「企画展 鍔の美 鍔工・成木一成の挑戦 岐阜県博物館」より)

拝見したのがこちらの鐔。

「胞山」は成木さんの号です
杜若の紋様が透かしで彫られています。オリジナルのデザイン?
平成7年の作のようです。


所持している他の成木鐔と並べてみると鉄の色味の違いがよく分かります。
左は信家写、真ん中が尾張鐔写、一番右が今回の甲冑師写。

左から右に行くにつれて白っぽく見えます

先の本で成木さんが全国各地から砂鉄を集めて鐔作りをされていた事から様々な鉄味の鐔がある事が想像されます。
という事で異なる鉄味の物も欲しくなり購入してみる事にしました。
刀で言えば作者は同じだけど刃文の少し違う作、地鉄の違う作が欲しくなるような感じでしょうか。

そしてもう1点。
今回購入した甲冑師鐔写の作(右)は赤錆が結構付いて目立っていました。今まで所持していた成木鐔は赤錆が付きにくい、付いても目立ちにくかったのでこれは面白い変化です。
これから経年での赤錆の付き方を追っていこうと思います。



・赤錆の付き方をルーぺで見てみる

という事で現時点で赤錆がどのように付いているのか、右の鐔から順にルーペで見てみます。

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