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結構面白い発見をした気がする

最近青山不動さんがアップされた以下の古美濃の鐔が古雅さに溢れ、また先人の美意識が感じられて個人的にかなりツボに入っています。


また欲しい物が一つ増えてしまった…という感じなのですが、この4つに枠が分かれている鐔をどこかで見た事があるな、と思い探していたところ
「金工美濃彫 著:小窪健一」内にて見つけました。
尚以下の鐔は重要刀装具の指定も受けています。

「金工美濃彫 著:小窪健一」より

青山不動さんの鐔とこの鐔を並べてみると実に似ています。

金工美濃彫所載品(右)が、大体直径7㎝ほど、厚みは耳で4.7mm。
青山不動さんの物(左)は、大体直径6cmほど。厚みは耳で5.1mm。

青山不動さんの鐔に描かれた草花は、夏から秋へかけての季節の移ろいを表していると解説があります。
所載品は冬から春にかけての草花も描かれています。
もしかすると2つ揃える事で春夏秋冬、1年の季節の移り変わりを表現しているのかもしれない、これは大小鐔なのではないか?と思うほどに両者の鐔に共通点が見られるのですが、極めつけは耳に施された以下の雷紋の銀象嵌。

(画像出典:青山不動 鐔 無銘 古美濃 花蕨手文


金工美濃彫の本には耳の写真がありませんが、解説を読むと「耳にも雷紋の銀象嵌がある。がこれは後の細工かも知れない。」と記載があります。

これは恐らく大小鐔だ。


というよりもそうにしか見えない。
時代は金工美濃彫の本には室町時代とあり、日刀保は指定書を見る限り室町末期と判断。一方で青山不動さんのHPには桃山時代とあります。
大小鐔だとするとやはり時代的には桃山時代あたりと見るのが正しいのではないかと個人的には思うのですがどうでしょうか。
いずれにしてもこの鐔が大小鐔かもしれないという発見を出来たのは何ともワクワクした事です。
出来れば両鐔が揃って保管されるべきにも思いますが、片方が重要刀装具となると私には難しく。

是非買える余力のある方が、2つを揃えてもらえると私としても嬉しく感じる所です。
さてさて、もしめでたく大小揃った場合、片方が重要刀装具、片方が保存刀装具であるわけですが大小鐔として重要刀装具の指定を受け直すのでしょうか?
いずれにしても桃山期頃の大小鐔が残っているのだとしたら相当希少にも思いますし、揃って重要指定で良い気がしますがどうでしょう。
古美濃の時代推定についても研究が進みそうな。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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